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Catch141 鎌倉アーカイブス

後悔先に立たず。

 鎌倉駅前、名物「鎌倉カスター」を売っているドイツパン屋の隣に『ダリ宝飾美術館』なる物がございました。今はもうありません。


 スペインが誇るシュールリアリズム画家のサルバドール=ダリがティファニーか何か宝石店と提携して、彼の奇天烈な絵画世界のモチーフをとんでもないカラット数の人造宝石を使って立体化した物を展示していました。ダリはデザインを担当したのでしょう。


 彼の作品に時々出てくる塔を背負う足の関節が2つ3つ多い象さんは、象の部分がプラチナで塔は4000カラットのサファイアとか、それこそシュールな造作で宝飾化されていました。或いはモーターが入っていて「動く宝石」とか。『王家の心臓』という作品は細かなガーネットがハート形により集まり、モーターでドックンドックンと膨張・収縮を繰り返す奇想天外な物。とにかく5000カラットだ6500カラットだと天然物ではあり得ないドデカい宝石や貴金属をふんだんに使い、見る者を非日常の世界へ突き飛ばしていました。


 ギャラリーショップには彼の作品群のポスター・絵はがき・画集・関連書籍などが売られており、鎌倉とはあまり関係無い物のダリが好きな私はよく訪れておりました。返すがえすも閉館が惜しまれてなりません。


 鎌倉の東側を遮る山に在る釈迦堂谷(しゃかどうがやつ)切通は今や“崩落の危険性が高い”として近づく事もかないませんが、以前は通り抜けられる道でした。鎌倉へ入る切通の中では一番風情がある道だったんじゃ無いかしら。


 写真図版やインターネット検索で確認頂きたいのですが、他の切通と違って鎌倉へ向かう道の一番高く登った辺りが「トンネル」になっています。短いながら、山を切り崩して道を拓くのではなく、上を残してそのまま下をくりぬき道にしていたのはここだけでしょう。“トンネル”の壁には石仏も刻まれていました。


 鎌倉は何しろ見所食べ処が沢山ある街なので、しばらく訪れていない内にいつの間にか通行禁止になってしまい、もっと行っていっぱい写真を撮って置けば良かったと後悔しました。


 今有る物がいつまでもあると思うなというお話でした。

その分次から次へと新しい名所名店が出来ています。

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