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Catch123 デモでもストでも

市民運動を敵視するのは権力者の常とは言いますが。

 むか~ぁし「デモでもストでも持って来やがれ」てな啖呵がありましたね。デモは「デモンストレーション」の事で「これ以上オレたちの言う事を(ないがし)ろにするなら覚悟しろ」という有権者の政権に対する「脅し」です。


 謂わば“疑似革命”なんですが、フランスやドイツなど本当に革命を経験している国で行われるデモはやはり圧力が違うように見えます。一いち革命やって殺しあいに突入するよりは選挙で済ませようじゃないか、と。有権者もそれなりに訴えを理解して選挙などに影響が出るのは「訴求力」が日本とはちがうのかなぁなどと考えております。



 2018年に私の住む新宿区が突然、区長の提案で区内で行われるデモを規制する事になりました。正確にはデモが出発する際に集合場所として使用出来る公園を主要駅から離れた4つに絞って許可すると言っていました。吉住区長はよほど自信があるのか規制される側の労働組合などにも趣旨説明と「拡散希望」と付けたメールを送っています(私の知人も受け取って反論しておりました)。


 ロシアや香港で反政府デモが激しく弾圧されているように、侵略戦争や人道に反した残虐行為をしようとしている権力者にとって、権力の暴走にストップを掛けようとする市民の意思表示くらい目障りな物はありません。言論の統制具合と並び、市民運動がどれだけ自由を保証されているかは民主主義のバロメーターと言われる所以(ゆえん)です。


 この“暴挙”とも言える区長の動きに別の知人 (憲法研究家)は区役所に1ヶ月通いつめ、「誰が、いつ、どこで、どのような合法的手続きを経て決めたのか」を質問しまくり、その時の区側の対応と返答を記録し議会も傍聴して裏を取った詳細なレポートにまとめました。私もいただきましたが、ひどいですね。


 新宿区長が言う「十分な説明」とはこの問題について届いている賛成反対いずれの要望書も読まずに事務方が用意した答弁を委員会で読み上げる事らしいです。新聞に出た「私も(自宅近所でデモがあるのは)嫌だ」という区職員の発言は全くでたらめ。名前入りで新聞に報じられた発言者本人は「そもそも区内に住んでいない」と回答。提案を相談された顧問弁護士の名前も要望書の提出団体名も黒塗りで出してくる。デモよりもヘイトスピーチを抑止する事に重点を置いているとの言い種も、ヘイトスピーチと民主的デモを意図的に同列に扱って封じようとしているように見えます。これ、ナチスが労働組合のデモを極右の暴力集団とまとめて違法行為にしたのと同じ手口なんですけど。


 自衛隊や公安警察が市民団体を監視し、知らない間に公園利用を制限してデモをしにくくする。いつの間にか「デモが出来ない国」になっていて「これは考え直して欲しい」という政治案件が出てきた時には声を上げる手段を封じられている。


 怖いと思います。


 平和を長続きさせよう、或いはまともに働いていれば引退後も安心して暮らせる社会にして欲しいという有権者の願いと声を押し潰してナニをする積もりなんかいな、と。

私はものぐさなので声を上げられなくなってから犠牲を払って抵抗するよりもまだ「これくらい」の段階で権力の拡大を許さないように警戒する方が性にあっています。

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