対抗戦2
最初に始まったのはランダムに移動する30個の的をいかに早く壊せるかを競う競技
1日に4つの種目を同時には出来ないので順番に行い、予選・準決勝・決勝で勝敗を決めていく
各校の代表選手が次々と的を壊していく。観客席からの盛り上がりもあって熱量が凄い
アリアもマリーさんと話しながら楽しんでいる。魔法がこちらには飛んでこないとはいえ、近くて派手に放つ魔法の迫力は見る者を虜にさせるようだ
「海斗様ならこの的をどれくらいで壊せますか?」
アリアがそんな事を聞いてくる
うーん、魔法とかじゃなくてNFAでいいなら多分10秒かからないと思うんだけど、今の生徒達を見ていると平均1分20秒台を出している。
これは真面目に言ったらダメなやつだ
「多分、他の生徒達と同じくらいだと思いますよ」
海斗の忖度を察したのかちょっと不貞腐れるアリア。
そんな顔をされても言いませんよ?周りに誰が聞いているかわからないからね
そんなこんなで話をしながら大会は滞りなく進んでいく。
その日は全ての予選が終了して、第3魔法科学校の生徒達は半数が準決勝に進出することができた。
ちなみにサーニャも予選を通過したのだが、サーニャがまさかの複数の属性持ちだった
調査の時は風魔法しか使っていなかったのに、今日は水魔法も使っておりそれが一番驚いた
サーニャの評価がかなり上がったけど、本人を褒めるのは止めておこう
「ふふん、どう?私ってば凄いでしょ!褒めてもいいんだからね!」
ほらー、ドヤ顔でやって来たし
ハイハイスゴイデスネと頭を撫でてあげた
「ちょっと!気持ちがこもってないんだけど!」
ふてながらも頭は差し出してきた。どっちなんだよ・・
あれ?水魔法を使えるって事は
「そう言えば、水魔法で飲み水って出せないの?」
「出せるけど私の場合は魔力量が多いから細かい操作が苦手なのよ。だから今はそこを練習中なの」
成る程ね、多過ぎるのも困りものなんだね
初日からちょっと疲れる事もあったけど2日目以降も順調にプログラムは消化されていった
イレーネは準決勝で敗退して、サーニャは決勝までは残ったもの惜しくも負けてしまい2位に。1年で2位とか凄いな!?
悔しそうにするサーニャ達の顔を見ていると、どの世界でも競技に対する熱意は変わらないんだなと思う
後残すは1対1のトーナメント戦、その決勝戦だ。
この日は魔法科学校の他に騎士学校の先生や生徒達も見受けられる。
聞くと騎士学校と魔法科学校の交流戦もあるとの事なので相手の戦力を分析する為に見学に決勝戦いているのだそうだ。
騎士と魔法使いって戦いになるのだろうか?どっちも戦いのテリトリーが違うのに
どうやって戦うのかを考えていると、競技場の真ん中に第1魔法科学校の先生と騎士学校の先生、元隊長の名前が確かアルフさんだっけ、2人出てきた。
「これより決勝戦を始めようと思う。しかしその前に急遽1戦だけデモンストレーションを行ってもらう事になった」
はて?そんなプログラムあったっけ?周りの人達も困惑しているので本当に急遽決まったみたいだ
競技場の2人を見ると、アルフさんがこちらを見てニヤリと笑う
うわぁ、物凄く嫌な予感しかないんだけど
「騎士学校からはアルフ殿が」
その一言で会場はどよめいて湧き上がった
「そして、対戦相手は・・冒険者の海斗です!」
やっぱりか。周りは誰だ?みたいに騒ついている。
アリアとマリーさんはビックリしてこちらを見ているけど、
俺知らないよ?完全に初耳なんですけど
「海斗様、どうゆう事でしょう?」
「いやいや、俺も知りませんよ?」
アリアと一緒に困った顔をしているとヴィン様がやって来た
「海斗殿、すまぬ。ワシも先程聞いたので止められんかった。」
「これって棄権する事できませんか?」
「うむ、これほどまでに大々的に発表されると断りづらいなんだ。」
溜め息をついて頭を抱える
競技場では海斗を呼ぶ声が聞こえて逃げられそうにない
「このまま競技場に行くと護衛が出来なくなるんですが」
「私が護衛を代わって差し上げますわ!」
何処からか急にイレーネが出てきて護衛を申し出てきた
イレーネかぁ、不安だなぁ
「何ですの?アリア様の事なら貴方より理解しているのです!貴方より守れますわ。なのでさっさと行って倒されてらっしゃいな」
おいおい、倒される前提で話してるよ。応援はして・・くれる訳ないっか
そろそろ観客の不満が出てきそうな雰囲気になってきて覚悟を決めた
「アリア、ちょっと行ってきますね」
「はい、必ず勝つと信じてます」
うーん、全幅の信頼を寄せられるのもこそばゆい感じ
こりゃ簡単には負けられなくなったかな
競技場へと歩いて行き、2人の前に立つ
観客席は未だに騒ついている。そりゃ知らない人が出てきたらそうなるよね。
けど一部の観客、正確に言うと第3魔法科学校の生徒が少し怯えていた。
あれ?おかしいな、ボコボコにしたわけでは無いんだけど?
「ふふ、済まないな。君に会った時からどうしても1度戦ってみたかったのだよ」
うわぁ・・完全に戦闘狂の顔してる。笑顔が怖いよ。
「こちらとしてはいい迷惑なんですけど」
「ふ、オーガを倒せる程の力量のある人が何を言う。さあ、その力を見せてくれたまえよ」
ダメだ、これ全く話を聞かない人だった。
第1魔法科学校の先生がその場を離れアルフさんと2人きりになる。
諦めてNFAの双剣をセットする。炎と氷のエフェクトが幻想的な雰囲気を醸し出す
「ふはは!面白い、属性持ちだったのか。しかも魔剣か?楽しめそうだ」
止めてー!そんなにテンションを上げていかないでほしい。デモンストレーションじゃないの?
アルフは腰に下げていたレイピアを抜いて構える。
静まり返る会場。動かない2人
何処からか物が落ちる音が聞こえたと同時にアルフが動き出して戦闘が始まった




