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スマホの力で異世界を生き残れ  作者: そして誰もいなくなった
第5章 教会編
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スタンピード2

「百聞は一見にしかずとはよく言ったもんだ。実際に見ると凄いなぁ、まさに圧巻だね」


目の前に広がる空の一角が厚く暗い雲で覆われておりその下には巨大なハリケーンが立ち昇っている


目を凝らしてよく見るとそのハリケーンの中をギガントマンタが飛び回っていた


うーん、3流のパニック映画を観ている気分だよ


「なぁ海斗さん・・これさ、ビデオで撮ったらパニックアクションとして映画化出来そうじゃ・・」


「ヨシユキよ、皆まで言うな」


撮ってもやたらリアルで二番煎じどころか三、四番煎じの全く面白くない映画が出来上がりそうな予感がヒシヒシと感じるけどね


ヨシユキの肩に手を置いて無言で首を横に振る、あまりお勧め出来ないよという態度をとりつつ、海斗の手には何故かアクションカメラを取り付けたヘルメットを抱え込んでいる


ヨシユキと見合わせてお互いグッと親指を突き立てた


スミレとメアは二人の茶番劇に何やってんだかという目でこちらを見ているけど気付いて無いフリをしておこう


アクションカメラ付きヘルメットをヨシユキに渡して今回の配置を考える


嵐の中でヨシユキの炎は通用はするだろうけども加減が難しくなるそうと言われた



という訳で今回の前衛は雨と嵐に影響せず、尚且つ空を飛んでるギガントマンタを長距離から攻撃出来るスミレとメアに、ヨシユキとレオンには後衛というよりアッシュとジットさんの側に護衛として居てもらおうという事になった


アッシュが自分だけ安全な所にいる訳にはいかないなんて言い出して、前線に立つって言うんだもん


皆んなで説得してアッシュとジットは街の城壁外の近くに兵を数名と一緒にヨシユキとレオンで守りを固めてもらう


その前に海斗をセンターにスミレとメアで並ぶ


そして残りの兵を海斗達よりかなり前衛に配置してギガントマンタを迎え入れる算段を立てた


ギガントマンタの優先順位の一番は人という事らしいので、街の前に人が集まっていたら積極的に狙ってくるだろうという事でこの配置だ


それでも後ろに大きな街がある限り俺達を無視していくギガントマンタが出てくるだろう


カムリさんはそこら辺の事を考えてないっぽいんだよね


出来るだけって感じなんだろうけど、そこをフォローしていく感じでいこうかな


「「来ます!!」」


スミレとメアの掛け声で空を見上げる


嵐の範囲内まで残り100メートルの所でアプリを立ち上げた


SAソングアクション


全6機のスピーカーポッドが花開き広範囲に展開させる


光りと共にギターと空中に浮ぶマイクが現れ準備は完了


最初の選曲はシリーズの前作と次の作品のボーカル達がコラボした曲をチョイス


メドレーの編曲がまたカッコいいんだ


効果は味方に防御力向上とヘイト集めを、ギガントマンタには防御力低下と行動遅延を設定する



準備は万端、さぁ盛り上がっていこうか!



「俺の唄を聴けぇーー!!」



音楽に声を乗せてタイミングよくギターを弾いていく


ヘイト効果範囲に入ったギガントマンタは次々と兵達に狙いを定め襲い始める、しかし動きは遅延効果の為遅い


兵達はギガントマンタとの戦闘に入っていき何人か吹き飛ばされたりしているが、防御力が向上しているので思っていた程痛みも少ない事に驚き、直ぐ様戦闘に戻っていく


うーん、なかなか良い感じじゃないかな?

苦戦しているっぽいけど怪我は少ないし


ウチのメンバーはフォロー要らなさそうだったから効果を入れなかったけど・・・


チラリと横を見るとメアは高高度にいるギガントマンタの胸ビレをライフルモードで正確に撃ち抜き地面に落としていく


スミレは俺達とアッシュ達を濡らさない様に水のドームを作りつつ、ギガントマンタの表面だけを凍らせ動きを止め、墜落させるという非常に器用な技を繰り広げている


スミレさんマジチート


海斗達より後ろには未だに1匹すら抜けられないギガントマンタ、ヨシユキとレオンは手持ち無沙汰を感じているようだ


「海斗さん、私達で倒さなくてもいいんですか?」


最初の緊張も解けて余裕が出てきたスミレが数匹のギガントマンタを空中で停止させる離れ業を魅せながら海斗に話しかけてきた


「そうだね、このままだと長期戦になっていきそうだから、こっちに来る分と高高度にいる分は倒しちゃっても良いんじゃないかな?あ、2人とも加減はしてね」


「「了解」」


海斗が5曲目に入った頃からスミレとメアが範囲外にいたギガントマンタを狩りだした



一方でギガントマンタとの戦闘の最中、理想と現実との差に歯噛みするカムリ



自慢の兵達が防御力を上げられギガントマンタには防御力低下と行動遅延の効果を与えられているにも関わらず、苦戦を強いられている


対して海斗達はギガントマンタを瀕死の状態にし、兵達に手柄を譲ってやろうと言わんばかりに落としていく

それも兵の魔法では落とせない高さを見せつける様に




カムリの嫉妬と妬みと共に黒い感情が少しずつ芽生え始めていた

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