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スマホの力で異世界を生き残れ  作者: そして誰もいなくなった
第5章 教会編
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スタンピード

「陛下、おもてなしも出来ずに申し訳ありません。この度はこの街の為に動いて下さり感謝致します」


集まったギルド長と領主が膝を折り恐縮していた


確かにこの国のトップがいきなりやって来ちゃったら心の準備とか無理だよね


ディエゴの所為でもあるけど震えてるじゃん


「今は緊急事態ですので格式は結構です、前政策が圧政だったので不安だと思いますが今は共に協力しましょう」


「いえ、そんな恐れ多い」


陛下との謁見とはいえ、今はそれどころではない。時間も限られているから格式は無駄だとアッシュ達は判断したのだろう


でもギルド長と領主の緊張は晴れていない


困った顔をしながらもそのままアッシュは続ける


「先ずは我々の兵を街の外に配置して迎撃を試みます。冒険者やこの街の者は街の中で我々が取り逃してしまったギガントマンタをお願いします」


「それでは陛下の兵にばかり負担が掛かります!」


ギルド長と領主が慌てているがジットがそれを手で制し


「元々国の兵と言うのは民の前線に立ち盾となり矛となる者達の事なのだ。今までの帝国のやり方が間違っておった。

もう一度信頼を得る為にも我々に前線を任せてはもらえぬか?」


「っ!?我々の為にそこまで・・・ありがとうございます、ありがとうございます」


ギルド長と領主は深く頭を下げて感謝された所で今回の配置を話し合う


ある程度詰めた所で指示を出す為、2人は部屋を出て行った。残された部屋で一息ついていると、ジットが海斗の方に向き直る


「今回は海斗殿達も後方で支援の方に回っていただきたい」


え?今回は皆んなで参加した方が安全にギガントマンタを狩れると思うんだけど


「クーデターを果たし圧政を変革させたとはいえ、今までのディエゴの政策のせいで我々がどんなに説明しても民の不信感は残っております。

それを払拭する為にも今回のスタンピードは我々兵を主軸として戦いたいのです。

確かに海斗殿に参加してもらえれば容易く終わるでしょう・・・確実に我々の出る幕も無く」


いや、そんな事はない・・・よね?あれ?何で皆んな納得顔してるのさ?


あ、1人だけ違うみたいだ


「貴様らなど居なくとも俺の兵だけでも充分だ。陛下、早速兵を配置してきます。ご安心くださいませ、魔物なんぞ我が兵のみで軽く蹴散らしてみせます」


カムリがフンスと鼻息荒く息巻いて部屋を出て行った


「海斗さん、申し訳ありません。ああは言ったものの実際に兵達のみでは厳しいかもしれません。

我儘は承知の上でお願いなのですが海斗さん達にはフォローに回っていただきたいのです・・

カムリはクーデターの時に何も出来なかった事が悔しかったみたいで、海斗さんを一方的に敵視しているようなのです

なので今回海斗さんがギガントマンタを倒してしまうと、その・・・」


アッシュが申し訳なさそうな顔で説明してくれる


確かにあの時はアッシュを助けてから一気に攻める事でディエゴに余裕を与えなくさせる為、時間との勝負だったんだよ


結果的に反乱軍を集めてる暇はなかったんだけどね


だからって俺に当たられても困るんだけど


まぁそれでカムリさんの気が済んでやる気を出してくれているのなら後方支援に回ってあげよう



「因みになんだけど、彼らがメインであれば良いんだよね?」


「海斗、空間の術でギガントマンタの動きを止めるのは無しだぞ」


海斗の意図を読んだレオンに釘を刺される


え!?何でさ、支援でしょ?



「あのな、それをしてしまったら完全にお前の手柄になってしまうだろ!

戦いに参加した兵達に居ても居なくても関係無い終わらせ方をさせてしまったら更に目の敵にされるぞ

それに今回連れてきた兵の中にはディエゴの政策との違いで未だに確執がある奴等もいる

そいつらにはアッシュの目指す国とは何なのかを自覚してもらう為でもあるんだぞ」



成る程、じゃあ兵の皆さんにはある程度苦労してもらいつつ、この先の行程に支障が出ない程度に怪我を抑えて、街に被害を出さないようにフォローをすれば良いのか



え?なにその縛りプレイ



事態を飲み込めた海斗が机に突っ伏しアッシュは終始謝っていた



着々と準備は進んでいき、少しずつ風が強くなってきてくる


遠くの空に見えてくる厚い雲



スタンピードまで後数時間後に迫っていた


誤字脱字報告ありがとうございます。大変助かります

出来るだけ出ないようにしてはいるのですが


今年も後少しですね、来年もよろしくお願い致します

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