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スマホの力で異世界を生き残れ  作者: そして誰もいなくなった
第4章 帝国編
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救出作戦3

地上へと辿り着いた海斗達は帝国兵が集まる前に入り口を崩し建物の影へと隠れる


相変わらず帝国兵は慌ただしく動いており怒号が聞こえ、その度に人質だったアリス達がビクリと肩を震わせる


凄く怖い思いをしたのだろう。その姿に怒りのボルテージが上がっていく


地図上で確認していると帝国兵が数人砦から離れて行ってしまった


「マズい!そりゃ多分伝令だ。帝都に侵入した事がバレてしまった。これ以上この砦から人を出すわけにはいかないぞ」


レオンが慌てて教えてくれたんだけど、このままじゃもう隠密で帝国内を移動する約束を守るのは無理だよなぁと、別の事を考えてしまう


「どうする?此処の帝国兵を全員倒すしか無さそうだけど、これ以上砦から逃げられたら面倒事が増えていくぞ!どうにかして出さないように出来ないか?」


また無茶を言うなぁ


帝国兵を出さないようにかぁ・・出入り口はいくつかありそうだし、物量で来られたら流石に逃す可能性が出てきてしまうだろう


だったら出たくない様に仕向ければ良いんじゃないだろうか?


うーんと唸って1つ良い方法を思い出した!


「これなら絶対外には出たくなくなるかもしれない!」


「・・待て、何か嫌な予感がするんだが?」


まぁまぁ性急だからとレオンを説き伏せて空間の術を使い全員を上空へと避難させる


よし!帝国兵には見つかってないようだね。早速やってみましょうかっと


幻術を使い砦の外の土の中から1人、また1人とゾンビを生み出していく


「ひっ!?」


「な、何だあれは!!?」


帝国兵は初めて見るゾンビに恐怖を感じている


そりゃ腐った人間が動いてるんだもんな。でも本当の恐怖は此処からだ


真っ青になっている帝国兵の中から1人の帝国兵が剣を抜いて出てきた


「クソ!腐った人間ぐらいでビビってんじゃねー!オラっ!」


帝国兵が1匹のゾンビに剣を突き立てゾンビを倒す


その様子に見ていた帝国兵達に歓喜が沸いた


ゾンビを倒した帝国兵が振り返って剣を高々に突き上げていると沸き上がっていた帝国兵達の歓喜が徐々に下がっていく


剣を突かれた筈のゾンビがゆっくりと立ち上がり何事も無かったかの様に立ち尽くしていた、腹に穴を開けながら


そしてゆっくりと帝国兵に掴みかかり首筋に噛み付いた


「うぁぁぁ!?た・・助け・・」


ぐちゃりぐちゃりと生々しい音だけがその場に響き渡る


周りに居た他のゾンビ達もその帝国兵に寄っていき足だけがビクンと動いており、その光景を見た帝国兵の中には吐くものや失禁する者まで出ていた


暫くするとゾンビ達はその場を離れていく


「「「あ"ぁぁ」」」


少しずつ近づいてくるゾンビ達


後退りしていく帝国兵達の目に信じられない光景が映し出される


()()()()()の帝国兵が起き上がってきたのだ


所々喰われており致命傷のはずなのに


そして他のゾンビ達と同じような表情になり砦の方へと歩き出した


「うそ・・だろ」


「ま、まさか喰われた奴は腐った死体と同じになるのかよ!?」


「嫌だ!?俺あんな状態で死にたくねぇよ!」


「うわぁ!?」


帝国兵達は恐怖のあまり脇目も振らずに建物内へと逃げて行く



よし!上手くいったぞ。このままゾンビの帝国兵をちょいちょいと増やしながら帝国兵を逃がさない様に包囲していこうかな


ワクワクしながら幻術を操作していると肩をトントンと叩かれる


「なあ、確かアレって触れないだろ?何で帝国兵が喰われてアレの仲間になってるんだよ?」


レオンが青い顔をしながら聞いてくる。人質だったアッシュ達はガタガタと震えながら見ない様に互いに抱き合い、それをメアとスミレが慰めてくれている


しまった、子供には刺激が強過ぎたか・・


「あー、あの帝国兵は幻術だからだよ」


「は?」


「帝国兵って同じ鎧に同じヘルメット被って、あんだけ沢山いたらよく分からない奴がいても気付かれないもんなんだよ。


だから予め幻術の帝国兵を紛れ込ませといて他の奴が躊躇してる時に先陣を切って攻撃させて他の帝国兵達を安心させてやるんだ


そうやって希望を持ったところで、殺しても死なないと言う絶望感を味合わせてからの喰われてゾンビになっちゃうと言う止めを刺してやったんだよね。


どうかな?砦から出られなく成る程の気持ちにならない?」



「お前、なんつうエグい事すんだ・・」



おや?出られなくなったんだからオッケーじゃないか?


あ、子供達にトラウマを植え付けさせてしまったのがアカンと


だから先に説明しろと何度も言わせるなと


・・ですよねー


レオンと2人で砦内の帝国兵達を倒してこようと相談していると


「海斗さん、俺も行く」


ヨシユキが魔剣を握りしめながら真っ直ぐに見つめてくる


「ヨシユキ、今回は人数が多過ぎる。出来る限り無力化はしていくつもりだが、命のやり取りになるのは間違いない。お前が手を汚すには若過ぎる」


レオンとメアには平和な世界から来た事を話しており人を殺す事に忌避感を覚えているヨシユキとスミレには人を殺すという事はさせないように努めていたのだが


「けど、俺はいざという時に動けないのは嫌なんだ!このままじゃ命の軽い世界で妹を・・スミレを守れない」


ヨシユキの覚悟に溜息をついたレオンは海斗を見る


「分かった。後悔はしないんだな?」


「ああ」


結果、海斗・レオン・ヨシユキの3人で砦を落とす事になりメアとスミレには人質と一緒に空間の術で作った板の上で残ってもらう事にした


「お兄・・無理はしないでね」


「分かってる」


レオンとヨシユキは魔剣を握りしめ海斗はNFAから双銃を取り出して砦へと飛び出した


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