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猫にゃんカブちんの冒険  作者: 作家オツキちゃん
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第1話

第1話 予告


崩壊の危機迫る大都市


救済の希望は1人、いや1匹の猫に託された!


王は嘆き、手裏剣が舞い飛ぶ!


第1話

【開幕!Cat and ninja fight!】


読んでくれよなっ!



…ここはよくある剣と魔法の世界。


舞台は東北の首都、千代[センダイ]市。


物語はここから始まる…


時は世紀末。千代市は今、危機に瀕していた。

危機を救うために1匹の猫が立ち上がった!


…ここは千代市の役所、市王室。

「千代市民猫のカブリエルよ」

千代市の最高権力者である千代王は言った。

「今、この千代に崩壊の危機が迫っておる」

齢117歳の最高権力者は続けて語る。

「千代を救うためには遥か北の大地、

巨海道[キョッカイドウ]へ行かなくてはならない…!」


千代王の前にひざまずく一匹の茶色い短毛種の猫、

血統書付のアビシニアンである彼が口を開いた。

「なる程、それでこの俺に白羽の矢が立ったと言う事か」

可愛い容姿とは裏に渋いイケボイスで猫が言う。


1メートルにもなろう白髭を蓄えた老王は語る。

「行ってくれるか?この国いちの強者カブリエルよ」

眼光鋭く猫は答えた。


ニャキーン!「フッ…良いだろう」


老王は微笑み、「行ってくれるか。ではお前に渡す物がある」

老王が指を鳴らすと、市職員が箱を持ち現れた。

「これはお前に…」老王が言いかけたところで、


シュイーン!一筋の光が老王目掛けて煌めいた!


「ぐはぁ!」


どこからともなく飛んできたナイフのようなものが老王の額に突き刺さった!


「千代王ぉぉー!」カブリエルが駆け寄ったが時すでに遅し、

額にナイフのようなものが突き刺さった王は白目を向いて泡を吹いている。

「あばばばば」老王は痙攣しながら唸った。


「うむ、どうやら命に別状は無いようだ…」王の脈を確認し、猫は暗闇目掛けて叫んだ。

「何者だ!この俺の目は欺けんぞ!」


「クックック…」

暗闇から2つの眼光が光り黒装束が現れた。

顔は覆面により視ることは出来ない。

「我が名は暗黒忍者。貴様を巨海道に行かせる訳にはいかん!」

黒装束を纏った暗黒忍者は不敵な笑いを浮かべ猫の前に

立ちはだかる!


「フッ…侮られたものだな…」

猫は同じく不敵な笑いを浮かべ言った。

「忍者1人でこの俺を止められるかな?」


……今ここに忍者と猫による壮絶なる戦いの幕が開ける!!


猫と忍者はにらみ合い、お互いに隙をうかがっている。

そう、お互いの攻撃は一撃必殺。

勝負は一瞬で決まるのだ!

「…さすがは千代いちの強者猫よ。一分の隙もない」

「フッ…ならば…!」

最初に動いたのは忍者だった。

シュシュシュイーン!

懐に忍ばせていた棒手裏剣を猫に向けて投げ放った!

そう老王の額に刺さっているナイフのようなものは棒手裏剣だったのだ!

稲妻のような速さで無数の刃が猫に襲いかかる!


無数の棒手裏剣が猫に突き刺さろうとするその刹那!

「フッ…終わったな」忍者が勝ちを確信したその刹那!


ヒュンッ!猫の目の前から棒手裏剣が消えた!


「な、何だと!?」勝ちを確信した忍者が驚く!


「フッ…この程度か?」猫は不適な笑みを浮かべ言った。


猫の手には先ほど投げられた棒手裏剣が握られていた。

猫は全ての手裏剣をキャッチしていた。

そう猫の腕の動きが速すぎて手裏剣が消えたように見えたのだ!


「バ、バカなっ」忍者はおそれおののいた!


「次は俺の番だ!食らえっ!」猫は両手の爪を剥き出し

天高く跳躍した!


乱 れ 獅 子 月 下!


その刃 六振りの名刀の如し!必殺の斬撃!


ジャキィィン!「グハァァっ!」


…一瞬にして忍者はズタズタに切り裂かれ倒れた。


「峰打ちだ。命まで失うことはあるまい」

千代いちの強者カブリエルは目閉じ、そう呟いた…


「ま…まだだ……まだ終わらんぞ…」

暗黒忍者は息も絶え絶え立ち上がった!


猫は哀れんだ目で言った。

「これ以上動くと出血多量で死ぬぞ。」


「ぐはっ!…だが私の任務はお前の使命を阻むことよ…!」

吐血しながらも忍者は叫んだ。


猫は目を閉じ言った。

「敵ながら大した漢よ。ならば苦しまずにあの世へ送ってやるのが礼儀ッ…!」

猫はふたたびその刀の如き爪を構えた!


「フッ…このままあの世に行くわけにはいかん…」

暗黒忍者は指を組み術を唱え始めた!


「…ッ!これは!?」その異様な妖気を感じ取った猫は

身を構え警戒した。


暗黒忍者の瞳がカッ!と開き叫んだ!

「見よ!暗黒忍術最終奥義!」


暗 黒 無 限 分 身 !!


暗黒忍者が2人、4人とみるみるうちに増殖した!


「なっなんだと!」百戦錬磨の猫も驚きを隠せない!


…増殖した忍者ばかり市王室を埋め尽くし、ついには…


ドドドドーン!!ボカーン!


……千代市役所は崩壊したのだった……。


ーーーー


「くっ…」瓦礫を除け、猫は立ち上がり辺りを見回した。


「クックック…」×100万 

無数の声がの木霊する… 砂埃が晴れるとそこには…!


これは夢か幻か。辺り一面を埋め尽くす暗黒忍者達!

「私の最後の秘術、如何かな?」×100万

猫は身構え、爪を構える。その額には汗が一筋…

「貴様の命は最早此処までよ!」×100万


爪を構えながら猫は言う。

「しかしこれほどの術、お前の命は長く保つまい…」

暗黒忍者は答える

「フッ…確かに私の命は持って後30秒といった所だろう」

「…だがッ!」暗黒忍者の一人が飛び上がり、叫ぶ


「貴様を倒すには充分な時間よッ!!」ザザザザッ!


「…ならば全て倒すのみよ」猫は爪を身構え応戦する!


…無数に襲いかかる忍者達の攻撃を避けまくり、

鋭き爪で返り討ちにしていった!

ザザンッ!斬ッ!


30…29…28…


無限とも思える時が秒で流れ、


…10


後10秒の所で猫は力尽き、跪いた。

息も切れ切れ猫は言う

「最早これまでか…」


「フッ…半数もの分身を倒すとは流石は千代いちの強者猫よ」

「だがここまでのようだな!」

暗黒忍者は勝ち誇ったように叫んだ。


分身達が猫を囲い最期の攻撃を仕掛けようとする!

「お前の旅もここまでよ!」

「あの世でマタタビでも齧るが良い!」

無数の忍者が止めを刺さんとし襲いかかる!


猫は目を瞑り呟いた

「くっ…だが強者に倒されるならばそれも良かろう…」


………猫が覚悟を決めた…正にその時ッ!


「猫よッ!これを使えぃ!」


「…!ッ誰だッ!?」


聞き覚えがある声、猫が振り返るとそこには!


そこには額から鉄棒を生やした白髭の老人が立っている!

老王である!


「生きていたのか。千代王よ!」猫は叫んだ。


続けて暗黒忍者も叫ぶ

「フッ…老いぼれ一人に何が出来る!」


「お前に渡そうとした物だ。受け取れッ!」

老王は叫び何かを猫に向かって投げた!


それは光……光輝く玉のようなものだった。


「くっ!な、なんだこの光はッ!」

暗黒忍者達の動きが止まった!


「これは我が国に伝わる秘宝よ!」

老王が叫ぶ!

「猫よ!お前のような勇者にこそ相応しい!」


猫が手のひらをかざし、光の玉を受けると

玉はそのまま猫の身体へと吸い込まれた。


猫の身体が淡く光り輝いている。

「これは…このチカラは一体!?」

限界だった身体にチカラがみなぎり猫は驚く


「バ、バカなっ わたしの闇のチカラが薄れていく!」

暗黒忍者は慟哭した。


「今じゃ!カブリエルよ!光のチカラを放つのじゃ!」

老王は叫んだ。


「オオオオッ!」猫はありったけの気を込めて叫んだ!

チカラの使い方を知っていた訳では無い。

ただ歴戦の魂が猫を正しいチカラのほうへと導いたのだ。


「ひ、光がッ…」


ーーカッ!!ーー


暗黒忍者の声はかき消され、凄まじい光がスパークした。



ーーーー


光が収まると、暗黒忍者の分身達は消え去っていた。

瀕死の暗黒忍者が横たわっている。


まだ僅かに輝く身体の猫が暗黒忍者を見下ろし言った。

「ここまでだ」


暗黒忍者は息も絶え絶え言った

「…私の……負けだ……くっ殺すがいい……」


「……」

猫は目を瞑り構えた。


暗黒忍者が死を覚悟したその時、

その身体に暖かい光を感じた。


猫がその身に宿った光の生命エネルギーを暗黒忍者に

分け与えたのだ!


「何故、殺さぬ…!?」

僅かながらに動ける様になった暗黒忍者は言った。


猫は背を向け言った

「先程も言っただろう。命まで失うことは無い、とな…」


暗黒忍者は立ち上がり言った。

「……甘い男だ……いつかその甘さが命取りになるだろう」


猫は目を瞑り言う

「その時はその時よ…」


暗黒忍者は闇に消え、声だけが響く。

「次に会うときはその命、もらい受ける……」


猫は小さく呟いた


「フッ…いつでもくるがいい…!」



ーーーーーー



ひとつの戦いが終わった。大きな犠牲を払ったが

カブリエルは今回も勝利したのだ。


作業員が瓦礫の撤去をしている。

老王と猫はそれを見ながら話をしている。


「私の額に突き刺さったこの棒は」


「脳を貫通しており抜くと即死するそうじゃ。」


ネコは答えた

「そうか…」


「故に、特別製の額パッチを急遽オーダーメイドしたのだ」


老王は額パッチを身につけた。

その姿はさながら伝説の一角獣のようだった。


「私はこれより【ユニコーン千代王】と名乗りこの国を治めようぞ!」


老王が叫ぶと市民達から歓声の声があがった!


「フッ…それも良かろう…」

猫は目を瞑り不適に微笑み言った。


「英雄猫カブリエルよ!」


ユニコーン王は続けて叫ぶ。

「ここから先は更なる強敵が待ち受けている事だろう!」


「だがその身に宿った光のチカラを研鑽すれば」


「倒せ無い敵は居ない!」


「頼んだぞ!カブリエル」


「この千代を……世界を救ってくれぃ!」


猫は背を向け歩き出した。


「フッ…頼まれたぜ。」


猫は北に向かって歩き出す。


そう…冒険は今、幕を開けたのだ!




ーーーーー




……猫は歩きながら、光をスパークさせた時の事を

思い返していた。


光に包まれた時、一瞬時間が止まった様な気がした。

そして確かに声を聴いたのだ。



   「待っている」



「あの声は現実だったのか」


「この旅を続けていけば」


答えが見つかる様な気がした。



  ーーそしてまた猫は歩き続ける。ーー



1話完








第2話 予告


かくして冒険の旅が始まった!


しかしカブリエルに最大の危機が訪れる!


奴の前ではどんなに強くても無意味なのだ!


第2話

【慟哭!public health center man!】


ノラ猫に餌を上げちゃダメだぞ☆

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