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異世界召喚のすヽめ  作者: 三上香月
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異世界召喚のすヽめ

……

さて、では召喚という術式を使うにあたって、最難関である異世界からの召喚に臨む時。その時の皆さんに向けてある程度留意しておいてほしい、私の意見をいくつか記しておこうと思います。


一、召喚するなら男性にしましょう。

 召喚の際の人選ですが、男性と女性で比べるならば圧倒的に男性の方がよろしいでしょう。理由はいくつかありますが、主に男性の方が扱いやすく動きがわかりやすいというのがあります。

 美少女の召喚者や王女がいれば、たいていの男性は気をよくしてくれることでしょう。その後の働きも期待できようというものです。

 注意すべきは王女が美少女の場合。この場合、かなり高い確立で勇者は王女を持っていきます。政治的な思惑や政略結婚に利用する予定がある場合は気をつけましょう。

 何かほかの種族と敵対している場合の戦力として勇者を召喚した場合、敵対種族の王や長が美少女だと勇者が寝返る場合もございます。くれぐれもご注意ください。


一、ネクラすぎてはだめ

 被召喚世界では、現在多くの召喚を題材にした娯楽小説が出回っていまして、一部の層から召喚ハーレムはたいへんに馴染み深いものとなっております。

 娯楽小説に馴染み深い方々を選んで召喚した場合、ある程度の予備知識と本人の意思と娯楽小説の刷り込みにより、召喚直後の混乱が少なく、スムーズに後の行動に移れる確率が高くなります。召喚の際は参考にするべきでしょう。

 しかしながら、そういった方々は大にして被召喚世界での生活に不満を抱えていらっしゃいます。娯楽小説は現実からの逃避手段として利用されている、というわけですね。このような場合、性格が少々暗かったり(いわゆるネクラというヤツです)、少々ゆがんでいらっしゃったりする場合も多々確認されています。また、コミュニケーションの能力に不備を抱えた方々が多くいらっしゃるのも事実であります。

 大きな希望を呼ぶべく事をおこなったはいいものの、召喚直後の説明や混乱の収束といった手間を省こうとしたばっかりに、後々にわたる大きな災禍を被るのもまた愚かなことです。何事も過ぎたるは及ばざるが如し。召喚は慎重に行いましょう。


一、奴隷化はお勧めできません

 一般的な召喚で言えば、魔術式には奴隷化の魔術も組み込まれたものがいくつか存在します。たいていが本能で動いている魔獣や、あるいは精霊や悪魔の力の一部を極短時間顕現させる場合、また一部の奴隷商人などが利用する術式ですが、こちらの思惑通りに勇者を動かしたいからといって安易にこれらの術式を利用するのはお勧めできません。

 そもそも勇者召喚を行う場合、術式には被召喚者にランダム性の高い強力なスキル(チート)をいくつか付与する行程が含まれている場合が多くあります。これは窮地に陥っている際により大きな希望を生もうとしたためだといわれておりますが、こういった未知のスキルを持つ相手に奴隷化の術式を施したところで、それが破られないという保障はありません。

 いたずらに被召喚者の心象を悪くする奴隷化という行為が、後の大きな禍根となることも散見されます。損して得とれ。奴隷化の選択は慎重に。


最後に

 これまで異世界から何者かを召喚するにあたって注意すべきことをいくつか書いてきましたが、一番に注意すべきことは「相手が人間である」ということです。

 自分に意思があるように、相手にも意思がある。どんなに強大な力を付与されていようが、あるいは奴隷化の術式が行われていようが、コミュニケーション能力が不足していようが、経験によりその性格がねじくれていようが、互いに同じ「意思を持つもの」であります。

 世界と世界、その狭間に存在する大きな大きな、しかし容易に認識できないその壁を、皆さんが召喚という奇跡の御業で超えることができた時。そこに生まれる出会いに、戦いに、世界に。皆様が生み出す物語に、ありったけの祝福を。世界の片隅より、そんな願いをこめて。


                      ― アグリウス・ミカミ・フォルトゥナ著 異世界召喚のすヽめ より

マイナーな属性が大好きな著者は、召喚チーレムものに自分の好みドストライクなヒロインがあまりに少なく泣いていました。そうして思ったのです。「好みのヒロインが出てこないなら、自分で書けばいいじゃないか」と。つまるところ、ヒロインを押し出していく召喚チーレムキャラ物……になる予定です。前科がありますしあまり期待しないでください。

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