料理2
先輩「今後、私は料理をしようと思う」
男「それはいいですね。なんで料理をしようと思ったんですか」
先輩「なんでって、料理は"心"でするものだろう!?」
男「……なんですか、その『うまいこと言った!』みたいなドヤ顔は。
そうじゃなくて、どうして料理をしようと思ったのか、その理由ですよ」
先輩「あぁそういうことか」
男「どう考えてもそっちの意味でしょう」
先輩「実はだね、先日知り合いにレストランに連れていってもらたんだが、料理がすごく美味しかったんだ。それで自分で作れるようになれば、店に行かなくても毎日美味しいものが食べられると考えたわけさ」
男「相変わらずですね。先輩は……」
先輩「君は毎日料理をすると言っていたね。いくつかレシピを教えてくれないか?」
男「いいですけど、どんな料理がいいですか?」
先輩「炒め物がいいかな」
男「分かりました。今度レシピを作ってきますよ」
先輩「すまない。ほんといつも世話になってばかりだな……私は」
男「気にしなくていいですよ。そのかわり作ったらぜひ食べさせてくださいね」
先輩「もちろんだよ」
―後日―
先輩「さぁできたよ。召し上がれ」
男「……先輩。僕にはただのキャベツ炒めに見えるんですが」
先輩「いや、実は昨日レシピを無くしてしまってね。代わりに心のこもった得意料理をと思ってさ」
男「せっかく頑張ってレシピ作ったのに……」
先輩「いやーすまない」
男「まったくもう。でもせっかく先輩が作ってくれたものだからいただきますよ」モグモグ
男「!?」
男「なにこれめっちゃうまい!!」テレッテー
先輩「だろう!? やはり料理は心なのだよ」
男「なんか納得いかない……」