恋人
先輩「うぅむ」
男「どうしたんですか先輩。考え事なんかして」
先輩「やぁコウたんか。いや、一体どうしたら恋人ができるんだろうと思ってね」
男「!?」
男「先輩がそんなこと言い出すなんて! What happened?」
先輩「なぜ英語だし。
いやほら、もうすぐXmasだろう!?
毎年ひとりで あ、今の"ひとり"は"一人"じゃなくて"独り"ね」
男「いや、そういうのいいんで」
先輩「そう、独りで過ごしている私だけれども、
一度くらいはこう……世の殿方とだね、その……くんずほぐれつ的な
甘酸っぱいなにかしらが欲しいと思うんだよ」
男「はぁ。でもなんで今になって急に?」
先輩「ほら、隣の部署に堀越さんっているだろう!?」
男「あぁ、あのメイクが濃くて若作り感丸出しのオバちゃんでしょう!?」
先輩「そうそう。あのオバちゃんがね、最近彼氏ができたらしくて
あちこち自慢して周っているんだよ。」
男「えっ、彼氏ができたんですか!?」
先輩「そうなんだよ。そしてさらに
『やっぱXmasは恋人と過ごすべきよねー。だってそのためのXmasじゃない!?』
とか言っているんだ」
男「なるほど。それで悔しいからXmasを一緒に過ごしてくれる彼氏が欲しいと」
先輩「そういうこと。だからどうしたら彼氏ができるか一緒に考えてくれないか?」
男「そうですねー。でも先輩美人ですし、はたから見たら彼氏いないほうが不思議ですよね」
先輩「……では、はたじゃないところから見て彼氏がいない理由を考えるべきだね」
男「まぁ大体の理由は分かっているんですけど」
先輩「やっぱりコウたんとの絆が強すぎて、間に割って入ろうという人がいないのかな」
男「違いますよ。単純に先輩が変人だからです」
先輩「なんとなく感じてたけど、コウたんに直接言われると心にくるものがあるね。引きこもってしまいそうだよ」
男「大丈夫ですよ。先輩なら、少しくらい引きこもっても」
先輩「大丈夫ってそっち!? 彼氏できる方じゃなく、引きこもるのが大丈夫なんだ」
男「先輩なら引きこもっても楽しんで生きていけそうかなと」
先輩「なんか今日、コウたん冷たい……」




