車
先輩「たしか君は車を持っていたよね」
男「はい。それがどうしたんですか」
先輩「今度加湿器を買いに行こうと考えているんだが、車で行った方がいいかと思ってね」
男「いいですよ。事前に言ってくれれば乗せて行きますよ」
先輩「すまない。非常に助かるよ。ちなみにあの車はなんていうんだい?」
男「WISHです」
先輩「なるほど、希望に満ち溢れた車だね」
男「ありがとうございます。そろそろ先輩も車買わないんですか?」
先輩「いや、普段の生活であまり必要性を感じないし、私は自転車があれば十分だ」
男「そうですか。でもこの辺、坂道ありますし自転車だとちょっとキツくないですか?」
先輩「そんなことはない。自転車は世界一運動効率がいい乗り物なんだぞ。
回転運動しか使っていないためエネルギーのロスが少ないんだ」
男「そうなんですか。でも動力が人力っていう時点で乗り物としての限界を感じますが」
先輩「まぁそれを補うために君がいるわけだ」
男「僕は乗り物扱いですか」
先輩「いつか君に乗ってみたい///」
男「……乗せて行かなくていいんですか?」
先輩「冗談冗談。ウィットに富んだジョークだよ」
男「分かってましたが、背中がゾワッとしたので」
先輩「これだけの美人から誘われて嬉しくないとは、君はもしかしてあっち系なのかい?」
男「先輩が僕の中で女性というカテゴリーに入っていないだけですよ」
先輩「ほぅ。ちょっとその件について詳しく聞かせてもらおうじゃないか」
男「あ、そろそろ会議に行かないと行けないんで失礼します」