義手※
先輩「コウたん、コウたん」
男「どうしたんですか先輩」
先輩「昨日ね、義手の人と友達になったんだよ」
男「義手ですか? どうしてまた」
先輩「コンビニに行ったときに、隣にいた人がフック船長みたいな手をしていたんだよ。
カッコイイと思って話しかけてみたんだ」
男「フック船長ですか?」
先輩「そうそう。あのはてなマークの先っぽみたいな形。
それで、先が2つに割れてトングみたいにカチカチものを挟んでつかめるんだよ」
男「へーすごいですね。でも話しかけるなんてさすがですね」
先輩「うむ、相手の人も話しかけられたのは初めてだと言っていた」
男「そうですよね」
先輩「だいたいの人はもの珍しいと思ってジッと見てるだけだそうだ。
だから、それよりだったら話しかけてきてくれる方が気が楽と言っていたな」
男「たしかにそうかもしれませんね」
先輩「結構器用に使っていて、タイピングとか縫物も普通にできるらしい」
男「すごいですね。健常者である先輩ですら縫物できないのに」
先輩「う、ううぅ……
でも、いろいろ触らせてもらったりもしたんだけど、アンドロイドみたいでカッコよかったなぁ」
男「貴重な体験をしましたね」
先輩「うむ、君はもし私がどんな体になったとしても仲良くしてくれるかい?」
男「先輩だったら、たとえアホ毛だけになったとしても大切な友人ですよ」
先輩「照れるね」
男(アホ毛だけってどんな状況だろう)




