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3章 涼太の就職先

8月25日 朝7時

はっきり言ってあまり眠れなかった。いつもよりかなり早く起きる

どんな事があっても朝は来る。少し緊張しているな俺・・・


 涼太はそのまま階段を降り、いつものように顔を洗う

リビングに行くと昔、成人式の時に着たスーツがかかっていた。クリーング屋さんのビニールがかかっている

母さんが出しててくれたのか。それを見て再び緊張が走る


またいつものようにサスケを散歩に連れ出す。

俺の緊張がサスケに伝わったのか、サスケが珍しく俺の歩くペースに合わせる。

そんなサスケが可愛くみえた。

すると前から地元の学校の3つ後輩である山下と木村が歩いて来た。

小さい時、公園で近所という事もあり一緒に遊んでいたのを思い出した。


山下「久しぶりですね!涼太さん。今どこで勤めてるんですか?」

えっと、今はまだ探しているとこかな

木村「良いっすねぇ実家は。家賃も要らないし。そうやってペットの散歩出来る時間もあって」

山下「おい、失礼だろ」

 そう言った山下も半笑いに見えた

で、お前らはどこで働いているの?

山下「俺は紅葉銀行です。今日は地元の近くにお得意先があったのでこっちまで来てます。」

木村「俺は飲食店を5店舗経営してます。今日は山下が地元に来るって聞いたから今から山下と一緒に俺の店に行くとこなんですよ。涼太さんも来ますか?」

あ、いや俺はいいよ。ありがとう。

山下「そうですよね。涼太さん就職頑張って下さいね。」

あ、おん

木村「あ、そうだ。涼太さん。この前、恭子先輩見たんですけど、今彼氏いますかね?」

山下「何?狙ってんの?いや、無理だって。恭子先輩、芸能界とかにも声かかってる人だぜ?俺らには無理な話だよ。一緒の学校を出れただけでも幸せだって」

木村「まぁな。 じゃっ行きますね涼太さん。またご飯でも」

あ、今晩なら行けるよ

木村「いや、社交辞令ですよ。いきなり今晩て・・・じゃ」

 2人はクスクスと笑いながら去っていった。

はぁ・・

銀行マンに飲食店経営者か・・・社交辞令だな確かに

そんな関係になったんだな皆。

さ、サスケ行こう。今日は面接だから早めにお昼ご飯食べて早めに出ないと。

 自宅へ戻り、サスケを庭へ繋いだ後に玄関へ上がると同時に

 涼太の携帯が鳴る。恭子からであった。

 一瞬取るか取らないか迷ったが涼太は恭子からの電話を取った。


もしもし

恭子「ごめん、今大丈夫?」

おん、大丈夫だよ

恭子「今日さぁ、19時から友達と数人で合コンっていうか飲み会みたいのがあるんだけど来ない?」

 涼太は行きたかったがさっきの後輩の社交辞令を気にした。

ちょっと15時に予定が入ってるから16時頃また電話するよ

恭子「あ、うん。分かった」

じゃ 

恭子「うん。じゃ」

 そこで電話は切れた

 涼太は深くため息をつく

はぁ・・・・短い会話だったなぁ


シルク「いいねいいねいいね~」

うわぁ びっくりしたぁ 

 またスーツを来たリスのシルクがいた

いいねって何が

シルク「向うの指定時間を1回、間を置いてから折り返す。いいね~。さすが営業マン!」

いや、営業マンて。違うよ、実は恭子からの電話の前に後輩と出くわした際に向うから誘われたけど、行くって言ったら社交辞令だったって言われたから恭子の時に戸惑っただけだよ。

シルク「アホ。気にし過ぎや。そんな後輩のしょーもない誘いなんてむしろ行く意味があらへん。何のメリットがあるっちゅうんや」

いや、メリットとかそんな感じじゃ無くて

 シルクはまた顔を寄せてきてこう言った

シルク「ええか覚えときや。対等のレベル又はそれ以下からの食事的なお誘いは1回間を置いて後で必ず折り返しなさい。そして3回に1回はわざと断り。3回共行けたとしてもやで。そんなもん毎回お誘いに出向いてたらこっちの価値を下げてるようなもんや」

いや、価値とか・・・

シルク「まぁ恭子ちゃんの件は正解やぁ。けどなぁ涼太。行くべきでは無いんとちゃうかぁ?」

何でよ。別に行ったって良いじゃん。

シルク「まぁ行きたければ行ったらええんちゃうか?けど15時は忘れたらアカンで」

分かってるよ。あ、着替えなきゃ


 涼太はかかってるスーツのビニールを外し不慣れな感じでスーツを着る

シルク「アカンアカン、ネクタイがいがんでる。こうやこうっ」

 全身鏡を見ながら後ろからシルクがネクタイを襟に通す。

 涼太は首を上に上げる。

シルク「こうしてこうしてこうや。ってわしゃオカンか」

あ、ありがとう。

 もう一度、カバンを持ち全身鏡の前に立ち全身を見渡す。

よしっ行ってきます。

シルク「ほいほい。頑張ってなぁ」

 シルクは玄関から涼太を見送る

 玄関扉が一度閉まり、再びすぐ開く

えっ、ずっと家に居てるの?

シルク「後でタバコだけ買いに行く」

か、鍵は?

 シルクはジャケットのポケットから家の鍵を出し涼太に見せる

シルク「鍵あるもん」

え、いつの間にコピーを・・・

い、行ってきます。

シルク「あい、行ってらっしゃい」

 そのまま涼太は東京駅へ向かった。

 車内の座席に座るもいつものようなハローワークへ向かう感じとは打って変わ る。携帯ゲームをしようとしてもすぐに消して、また前を向く

あっそうだ母さんにメール送っておこう。今日はご飯要りません。っと

 14時40分 東京駅到着





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