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視界が開けた

周囲を確認する為にベッドから降り立った。

降り立ってみた。


床に足が着いた瞬間、もの凄く強い閃光に包まれた。ただでさえ白い空間がさらに白くなる。

あまりの白さに、驚きの白さに上下左右の感覚が無くなって、白く眩しい空間に浮かんでいるような感覚になる。


どれくらい時間が経過したかわからないが、体感的にはかなり長く光に包まれていたと思う。

光に溺れる感覚に困惑していると、白く眩しい空間がさらに白く光っていく。

そして何かが弾けるような衝撃波を受けた。花火大会でとても大きな花火が上がった時のような衝撃だ。

衝撃が体を突き抜けていった瞬間、白い空間が無くなり、視界が開けた。


青い空、辺りを包む緑、枯葉が覆った地面、靴をはかずに白いベッドの横に立つスーツ姿の私、雑木林のような場所に居るようだ。

ケンジが異世界に立った記念すべき瞬間だ。

かつてGヲタだった私の頭の中に「ケンジ大地に立つ」と流れていたのは、私が正気を保っている証に違いない。


この場所に居続けることは危険だと判断し、移動がてら周囲の把握をしようと考えた。

足元が靴下なので、まずは靴を履こうと思い、どうやって靴を出したらいいのか考えていると、急に目の前にメニューパネルが現れた。

メニューパネルのストレージの項目が点滅しているので、そこに触れてみる。

晴れた瞬間ストレージの中身が表示され、革靴の項目が点滅しているので、革靴の項目に触れた瞬間、

【革靴をストレージから出しますか?

はい・いいえ】

と表示されたので【はい】を選び触れたら、目の前に革靴が現れて浮かんでいる。

凄く便利な機能だ。そしてファンタジー要素とSF要素の融合したメニューパネルなのに、選択肢は【はい・いいえ】の日本語なんだね?と脳内ツッコミを入れておいた。


靴を履き、ベッドの上にポケットの中身を出して所持品の確認をする。

タバコ

ライター

財布

腕時計

スマホ

名刺入れ

ペンと小型手帳

ホテルの朝食券

ハンカチ

うん、ビックリするくらいサラリーマン的な装備だ。

それに加え、ホテルのカードキーもベッドの上にある。


革靴を履き、カードキー以外の物をポケットに入れ、私は考えた。

ベッドとカードキーのホテルセットどうしよう?と…


すると目の前にパネルが現れ【ベッド・カードキーを収納しますか?はい・いいえ】と表示された。

考察だが「私がどうしよう?こうしたい」と考えたりすると思考を読み取って自動で機能が展開されるようだ。あとで色々と試してみようと思う。


歩き回る用意ができたので、雑木林を抜けるために歩き始めた。

しかしやみくもに歩きまわっても抜け出せないだろう。

「どうしたものか…」

この世界?に来てから初めて言葉を呟いた。


『ピロン』


ポケットの中にあるスマホから通知音が鳴った。

スマホが使えることに驚きを覚えながら、スマホを取り出す。

……マップアプリの新着通知が来ている。

………通知が来ているのに圏外表示+NoWi-Fiだ。なぜだ?これがご都合主義か?

スマホの新着通知欄をタップし、マップアプリを開く。

現在地のマークと雑木林を表す緑色の領域、画面の上部には何かを表すであろう灰色の領域、そして何かに接続する数本の道のような線、親切に画面右上には方位マークがついている。

画面に上方向、RPGの北方向に向かえば雑木林ではない何かにたどり着くことがわかったので早速移動を開始する。


何も用意せず移動するのか?ってツッコまれそうだが、飲み物も食料もない。

生き延びる為に移動を開始するのである。

私はスマホを片手に画面の上方向に向かい歩き始めた。











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