表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/27

おはようございます

退任してからの久々の深酒、回らない頭と口に残るアルコールの匂い。

二日酔いが確定したようだ。因みに昨夜の記憶は途中から無い。

最悪の目覚めになりそうだけど、起きてシャワーを浴びてチェックアウトをしようと目を開く。


目を開く……

目を開いた……

チェックインしたホテルは、テンプレですかと言わんばかりのビジホだった。

そんなテンプレビジホだったのに周囲は真っ白な空間だった。


寝起きと二日酔いでいつもより重たい身体を起こし、周りを確認してみる。

テレビもカーテンも無い、あるのは私が寝ていたベッドとその上にいる私だけだ。


ホテルの一室で寝ていたはずなのに、ホテルによくある備品だけでなく、壁まで無い。


思い出せ。思い出すんだ私。

昨夜は焼肉を食べてから何軒か飲み歩いた。そしてホテルになんとか戻って寝た。

何故戻ったと断言出来るかって?

それはベッドに部屋のカードキーがあるからだ。

カードキーを部屋の扉横に挿していないから照明も点くはずがない。それなのに真っ白で明るい。

明るいだけでなく、ホテルの定番備品や壁まで無い。

それはまるで精神と時の……


理解が出来ない追いつかない。

そんな私の目の前に一枚の透明なパネルが現れた。

そのパネルに文字が表示されている。

【異世界へようこそ】と。


それはまるで戦闘機のHUDのように見えるパネルだった。そして表示されている文字の意味も理解が出来ない。

パネルの文字が切り替わる。


【貴方にはこの世界で生きてもらいます。この世界を発展させ、この世界を楽しんでください。この世界を生き抜ける能力とスキルは授けてあります。そしてこのパネルはタッチ操作対応なので、色々と試してみてください。詳しくはパネル左上のメニュー→ヘルプ→Q&Aをご覧ください。その他質問はメニュー→ヘルプ→お問い合わせフォームからお問い合わせください。〜儂より〜】


表示された内容を何度か読み返してから、ポケットからタバコを出し火を点ける。

何かの警告音が鳴り、パネルに文字が出てきた。

【館内は全館禁煙となっております。〜儂より〜】


どうもこの白い空間は禁煙のようだ。そして儂とは誰なのか?そんな疑問を抱きつつパネルに触れてみた。


パネルに触れるとホームと表示された画面に切り替わり、ステータス、ストレージ、メール、ナビゲーション機能、と4種類の選択肢が表示されている。


まずは現状を確認する為に、ステータスに触れてみた。


名前・ケンジ マツダ

種族・ヒト

年齢・18

体力・S

知力・S

魔力・S

攻撃・S

敏捷・S

スキル・創造

そして画面下に[戻る][ホーム]の表示。


うん、表示された内容にどこからツッコミを入れよう。

まずは年齢。私はピチピチの43歳だったのに、18歳に若返っている。

それはありがたい。脱オジサン成功でありがとうございます。


次に体力とかの項目。体、知、攻撃、敏捷は理解が出来る。だって人間だから。

魔力って何?なんなの?魔法はゲームと創作品の中にあるもので、現実世界には無いはず。

一応、幼きころには[亀なんとか波]や[メラメラ燃えそうな魔法]が出せると信じて練習はしたことがあるが、一度も成功はしたことがない。


そして創造とは?

何かを作るスキルなのか?


最後に名前。なぜカタカナ表記で氏名逆転なんでしょう。


ツッコミ所だらけでどこから手を付けて良いのかわからない。

情報が渋滞しているので戻るに触れてホームに戻り、他の項目も確認することにした。


次はストレージだ。

ストレージの中身は、

ビジネスバッグ

革靴

と表示されている。


昨夜ホテルに置いてきたカバンと、ベッドに入る前に脱いだ靴のことだろう。

ベッドの上から周囲を確認した時に見えなかったので正直焦っていた。

現在身につけていない、直近の所有物がストレージに入っているようだ。

正直助かる。


そしてメールの項目に触れる。

中身は空っぽだった。


最後にナビゲーション機能に触れた。

【ナビゲーション機能へようこそ。ナビゲーション機能(以下本機能)とは、色々とナビゲーションをさせていただく機能です。任意で適用、非適用を切り替えることができます。】

と表示された。具体性のない説明である。


一通り確認が出来たので、まずはこの周囲を調べてみるためにベッドから降り立った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ