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突然の別れ

(せみ)が鳴く夏、空は青く、日差しがまぶしい。そんな中、私たちの家に悲しい知らせが届いた。父が亡くなった。いつも元気で、家族を支えてくれていた父が、突然いなくなったことに、私たちは言葉を失った。


父は稼ぎの良い人だった。毎日遅くまで働き、私たちのために尽くしてくれた。しかし、葬儀(そうしき)が終わり、遺品(いひん)を整理していると、母が困惑した表情を浮かべた。貯金通帳を見せられたとき、私と兄は驚愕(きょうがく)した。数え切れないほどの労働(ろうどう)の果てに、残されたものは空っぽの通帳だけだった。


「どうして…」母の(つぶや)きが耳に残る。父が抱えていたものは、私たちにはわからなかった。専業主婦の母の代わりに、家計や支払いのことを父はいつも一人で背負っていたのだろう。私たちの知らないところで、どれほどの苦労をしていたのか。


父の遺産(いさん)が無いと事実を知った母は、私に対する虐待をさらにエスカレートさせた。父が亡くなったことで、母はお金に関する不安が大きくなった。父に依存し頼り切っていた彼女は、これからどうやって暮らしていけばよいのか全く分からなかった。


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