4.出会い
かれん 「よし!みのちゃん終わった?」
美乃里 「もう少し〜」
かれん 「んも〜」
美乃里 「かれん支度に時間かかるでしょー?
先に準備してていいよー」
かれん 「OK!じゃぁおっ先〜」
時刻はPM6:00、待ち合わせはPM7:00
他の部署の友達、咲希と美沙
の2人も合流し今日は4:4の合コンだ
咲希と美沙を見つけてぴょんぴょん飛びながら手を振るかれん
相変わらず可愛い。
(「こっち〜」
と手を振るだけで跳ぶの?その技なに?
やっぱり今日も男ウケナンバーワンだ…)
そんな事を思いながら歩く美乃里
今日の男性陣は〜とプロフィールを話す
かれんのお喋りを聞きながら、
(節子さん、どうなったのかなぁ…
なんだか色んな相談者の方がいるけど
いつもは気にならないんだけど
やっぱり直接会うと気になってしまう。
あたしのこんな偽善な言葉で救われる人がいる
なんて…って
あんなに感謝されることなんだなぁ)
美乃里は不思議な気持ちでいっぱいだった。
かれん 「みのり〜?聞いてる〜?」
美乃里 「あ、え?なに?」
かれん 「ま〜たどっかいってたの ?」
3人ともクスクス笑いながら見てる
そうだ、このくだりはいつものこと。
美乃里 「私は人数合わせなので気にしないで〜」
かれん 「またそんな事言って!
たまには本気で彼氏作る気で合コンしてよぉ」
美乃里 「それはこっちのセリフです〜」
他愛もない会話で盛り上がる4人
(よっぽどこの4人でご飯行った方が楽しいのになぁ)
かれん 「あ!あそこのお店だよ」
咲希 「もうみんな揃ってるかな?」
美沙 「あと15分くらいあるから中で待ってようか」
私たちは先に席につき、男性陣を待つことにした。
女子トークに華をさかせていると
個室のドアが開く
「こんばんは〜」
男性が2人入ってきて
かれんが可愛く手を振り嬉しそうな2人
1人の短髪オシャレメガネくんが
「あと2人はもうすぐで来るから先に
飲み物頼んじゃお!お水で待たせてごめんね」
と慣れた感じでかれんの横に座る
先にかれんからプロフィールは聴いていたが
右から左だったため全然分からない
最初のこの雰囲気って苦手なんだよな〜
美乃里 「私ちょっとお手洗い行くね」
席を立ちドアを開けると
向こうからも同時にドアが開いた
美乃里 「わぁっ!」
男性 「おわぁっ!」
そこには長髪オシャレメガネくんと茶髪爽やかくんがいた
美乃里 「こんばんは、びっくりさせちゃってすみません」
長髪くん 「いや、いやこちらこそ勢いよく開けちゃってごめんね、こんばんは!出るのかな?どうぞ」
美乃里 「ありがとうございます」
長髪オシャレメガネくんはスマートに私を個室から出してくれて
長髪くん 「ドア閉めるから大丈夫だよ〜」
そんな気遣いの言葉まで掛けてくれて慣れてる感満載だ…可愛い女子なら素敵!!とは 思うかもしれない
なんせ私には可愛さの心はない
かれんのような可愛い演技もめんどくさいし…
お手洗いで一息付き、気合いを入れる
美乃里 「よしっ!」
なんの気合いかは知らないけど
めんどくさい事になりませんように、と今日が無事に楽しく終わることを祈ってお手洗いを出る
部屋に戻る時に開いた部屋から何だか見たことあるような顔が見えた
一瞬だったけどどこかで会ったことがあるような
そんな感覚、不思議だった
年配のおじさんなのに、面識は無いはずなのに
会社の取り引き先の人かな?
部屋に戻りながらえー誰だろう…と考えながらも
自分達の部屋の前に来るとそんな事はもう忘れていて
美味しいご飯を食べて飲んで楽しむぞ〜とそんな気持ちだった。
ドアを開けると個々でお喋りしていてちょっと盛り上がっていた
机の上にはドリンクが置かれていて
乾杯を待っててくれていた事に申し訳なく急いで席に着く
美乃里 「ごめんね、乾杯待たせちゃってたね」
かれん 「全然大丈夫!!乾杯しよっか」
短髪くん 「そうそう!ドリンクも今来ところだし、
みんな揃ったから乾杯しよ!」
短髪オシャレメガネくんはかれん狙いか…
その隣りの韓国男子はかれん狙いたいけど控えめな感じ?
そして長髪オシャレメガネくんは慣れた感じで咲希と美沙を楽しませて
短髪爽やかくんは、まあまあつまらなそう
爽やかくんなのに目が笑ってない感じが似てる
私と
きっと合コンはあんまり好きじゃなくて付き合いの人数合わせだね…
美乃里は一通り分析をしていた
短髪くん 「じゃぁ 今日も皆さんお仕事お疲れ様です
仕事終わりに集まってくれてありがとう!!
楽しい時間にしましょ〜乾杯〜」
みんな 「乾杯〜」
(お〜乾杯コール気合い入ってるね〜俺たちの出会いに乾杯〜とか言うやつじゃなくてひとまず安心)
短髪くん 「とりあえず何となく名前とかは知ってるだろうけど軽く自己紹介しよっか」
(うわぁ〜すみません、誰1人と何となくも名前知りません…心の中では勝手に見た目のあだ名つけてました
すみませ〜ん。名前聞いとかなきゃ!)
またどっかに飛んでいきそうな思考を持ちこたえ、みんなの自己紹介を聞く
短髪くん 「俺の名前は和樹です。
○○会社に勤めてます。
今日の飲み会の計画を立てさせて頂きました。
かれんちゃんとは昔の知り合いで地元の1つ後輩なんだけどこの間実家に帰省した時にたまたま会って、話してたら今住んでる所が近くて連絡先を交換して集まる事になりました。今日はみんなで楽しく飲みましょう!宜しくお願いします。」
男女交互に自己紹介をさせる和樹
かれん 「名前はかれんです。○○会社に務めてます。趣味はお菓子作りです。休日は美味しい物を食べに行くのが好きでよくカフェやレストラン巡りしています。宜しくお願いします」
韓国くん 「翔太です。
ショップ店員してます。お願いしまーす」
咲希 「名前は咲希です。会社はみんな一緒で、趣味は体を動かすことです。スポーツ全般好きで休みの日はスノボ行ったり、スケートしたり、マラソンもします。宜しくお願いします」
長髪くん 「美容師経営してます。直也です。
後で名刺配るんでぜひ髪の毛切りに来てください
お願いしまーす」
美沙 「美沙です。あの、お喋りはあまり上手くなくて、聞く方が好きです。宜しくお願いします。」
爽やかくん 「雅紀でーす。お願いしまーす」
和樹 「まさーそんだけかよー」
雅紀 「俺はいーの」
雅紀は手でどうぞと美乃里に自己紹介を促す
美乃里 「美乃里です。お願いします」
かれん 「えーみのりも?なんか他ないのー?」
美乃里 「えー特に…」
直也 「美乃里ちゃんオシャレだしセンス良さそう!
あと人生相談したいわ!俺」
和樹 「え?なんで人生相談?」
直也 「お前知らないの?美乃里ちゃん
結構人気なインフルエンサーなんだぜ」
和樹 「え?そうなの?」
みんなの目線が美乃里に集まる
美乃里 「いやいや大したことないんで本当に
見てくれた事あるんですね!ありがとうございます。
直也さんもやられてるんですか?」
直也 「そうそう美容師だからお客さんのビフォーアフターみたいなの撮るとやっぱり反響多くて次に繋がるんだよね〜」
咲希 「え〜凄いですね!なんか女子はビフォーアフターで綺麗になったところ撮られるの嬉しいですもんね」
(よしよし!咲希、そのまま直也と盛り上がってくれ〜直也が単純で良かった)
それから各々お喋りで盛り上がり、私はたまに振られたことに相づちをうちながらご飯を美味しく堪能していた。
翔太 「よっ!っと」
美乃里 「!!」
急に美乃里の隣り座ってきた翔太
美乃里は予想外の人に一瞬びっくりするが平然を保つ
翔太は少し笑いながら
翔太 「俺、美乃里ちゃんと地元一緒、しかも同級生!!覚えてる?」
美乃里はフリーズした。
ちょっと待って、頭の中が騒がしい鼓動が早くなる
どうしよう、どうしよう、いつの頃の同級生?
やばい、あの頃の同級生だったらどうしよう
私は、騒がしい脳内と鼓動の中なんとか一言絞り出す
美乃里 「えーっと、ごめん覚えてなくて」
翔太 「だよね、
俺あんまり目立つタイプじゃなかったし
美乃里ちゃんが転校してきたの小6くらいだっけ?」
私は安堵した。あぁ6年生からの同級生か…
美乃里 「そうだね、え?6年1組だった?」
翔太 「いや、俺は2組だったんだけど美乃里ちゃん美人だから結構有名だったよ!
ちなみに中学1年では同じクラスで
そこから俺は結構サボりがちであんまり学校行ってないけどなんとか高校合格して、こっちの大学志望して大学からずっとこっちに住んでる感じかな。」
美乃里 「そうなんだぁ!私も大学からこっちにいるよ!しょうたくんは地元帰ってる?」
翔太 「俺母子家庭の一人っ子だから母親1人だからよく帰るよ。美乃里ちゃんは?」
美乃里 「私はあんまり帰ってないかな、たまには帰らなきゃだよね!」
(って言っても帰る場所がないから帰るならホテル泊まり…かなぁ)
翔太 「地元帰った時は連絡ちょうだい!
たまには地元のやつらとご飯でも行こうよ
美乃里ちゃん、あの頃は美人で秀才だったから近寄り難いイメージあったけど
根はそんな感じじゃなさそうだし」
翔太はニカッと笑う
美乃里 「えー秀才とかじゃないよ、近寄り難いって酷いなぁ〜」
翔太 「はい、じゃぁ連絡先!」
翔太は携帯を取り出す
横でご飯を食べていた雅紀も携帯を取り出すと
雅紀 「じゃっ、俺も〜」
とサラッと私のIDを読み込んでいた
雅紀 「悩みあったら相談してい?」
翔太 「じゃ、俺も」
美乃里 「良いけど 高いですよ〜」
楽しく話し、そろそろお開きかな〜とかれんに目をやるとかれんもこちらを見てアイコンタクトをしてきた
あの感じだと今日は私と帰宅かな…?
かれん 「じゃぁそろそろお開きにしまーす
またぜひ皆さんでお食事会しましょ〜」
和樹 「あれ?かれんちゃん二次会は行かない?」
かれん 「ごめんね、今日は予定があってまた行きましょ〜」
直也 「美沙ちゃん達は?」
美沙 「私は二次会、行けますよぉ」
咲希 「私も行ける」
美乃里 「私は帰りまーす」
雅紀 「俺もパス」
翔太 「俺も帰るわ〜」
そんな感じでお開きになり、外に出て
咲希と美沙、和樹と直也を見送り、
咲希、美沙 「ばいばーい、また来週」
かれん、美乃里 「ばいばーい」
和樹 「かれんちゃんまた集まろうね〜」
直也 「雅紀、翔太おやすみ〜」
雅紀と翔太は4人に手を振りながら挨拶をする
「おやすみ〜」
雅紀と翔太も後ろのタクシーに乗り込み
雅紀 「またねー」
かれん 「おやすみなさい〜」
美乃里は手を振る
みんなを見送った後、かれんと次のタクシーを待っていた
「ガラガラ…」
私たちが出てきたお店から5人ほどスーツ姿の男性達が出てきて、その中に見覚えのある顔が
美乃里 「あれ?今日の刑事さん?」
私が呟くと刑事さんもこちらに気付き
守「あ、こんばんは」
かれん 「あ、こんばんは〜刑事さんもこちらでお食事してたんですね〜」
守 「外で刑事さんはちょっと…」
守さんは小声で申し訳なさそうに言ってきた
(それもそうだな…守さん?だったよね)
美乃里とかれんはクスクスと少し笑いながら
すみませんとペコッと頭を下げる
守 「職場の人達と仕事終わりに来ていました
こちらでお2人でお食事ですか?」
かれん 「違いますよ〜8人でお食事会でした〜
わたしとみのりは二次会に行かず帰る予定でタクシー待ってました」
かれんは可愛らしく守さんと話す
守 「そうなんですね」
守さんはこちらに振り向くと
守 「今日は本当にありがとうございました。
私も荒川さんのように人助けが出来るよう精進致します」
と笑顔で一例した。
美乃里 「いやいや、とんでもないです。私はたまたまで…」
守 「誰にでも出来ることでは無いので素晴らしいことです。」
上司 「守〜行くぞ〜」
守 「では、私はこれで失礼致します」
美乃里、かれん 「守さん、おやすみなさい〜」
守は照れながら会釈し帰って行った
かれん 「あーあ、行っちゃった〜
連絡先くらい教えて欲しかったけど
なんかガード固いね気がしちゃうよね〜」
美乃里 「刑事さんだもんね」
(あの、上司…最初のトイレの後に見た人だ
何だか見覚えがあるような
…何でだろう)
かれん 「今日みのちゃん家泊まる〜」
美乃里 「 アハハ、いいよ」
かれん 「お家で飲み直そ〜」
2人は家路に着く