36.未来は明るい~最終章~
翌日、美乃里は自宅に帰る支度を、守は仕事の支度をして2人は家を出る
守「美乃里、今日仕事終わりご飯行ける?」
美乃里「うんっ」
ニコッと笑う美乃里の頭をクシャッと撫でる守
守「じゃぁ、また連絡するね」
美乃里「はあい、守さん行ってらっしゃい」
守の車から降りて、美乃里は大きく手を振る
美乃里はそのまま久しぶりの自宅へ帰る
美乃里「はぁ、自分家だあ…」
久しぶりの自宅はいつもと変わらなかった
美乃里「私の家ってこんなに殺風景だったっけ?」
(なんか空気重い?
あー守さんの家が居心地良すぎて何だか落ち着かない)
美乃里は片付いている部屋を片付ける
カーテンを開け、窓を開けて気付く
(あー私の気持ちの問題か…心が軽くなったんだなぁ…
前は厚い壁に覆われてシンプルな殺風景が好きだった…
今は明るい方がいい…外の光がもっと欲しい…
人ってこんなふうに変わるんだ…なんか…なんか…)
美乃里「素敵だなぁ…
好き…だなぁ。今の自分…」
…
時刻はPM18:06
美乃里「もう、こんな時間か…」
美乃里は久しぶりの自宅で少し模様替えもして、仕事も捗った
ピコン
《仕事終わりました、美乃里は?》
《お仕事お疲れ様です。私はお家にいます》
《じゃあ、美乃里の家に迎え行くね》
《ありがとう、お願いします》
美乃里は準備をしてマンションの下に降りると
ちょうど守の車が見えた
2人は守のオススメだという居酒屋へ向かった
2人は食事をしながらこれからのことを話した
守「美乃里、明日と明後日休みだよね?」
美乃里「うん休日」
守「俺も休みとってきたからさ色々とやっておきたいことがあるんだ、美乃里と」
美乃里「う…ん?」
守「まず、原田涼介さんのところに行きたい」
美乃里「うん…それは私も少し思ってた
涼介にちゃんと報告したい…」
守「美乃里は?俺と一緒に会いたい人いる?」
美乃里「うーん…節子さんかな
守さんと出会えたきっかけだったし…
とても大事に思ってる人だから…」
守「そうだね
明日、明後日じゃちょっと急すぎるかな?
節子さんに連絡してみて日取りも決めようか」
美乃里「うんっ、連絡して聞いておくね」
守「美乃里のお友達にもお礼しなきゃ」
美乃里「かれん?そうだよね…
かれんには迷惑掛けちゃったな、たくさん」
守「俺も」
クスクスと笑い合う2人
守「後、美乃里の祖父母にもお会いしたい
そして僕もお墓参りしてお母さん、お父さん、昴くんにご挨拶したい」
美乃里「ありがとう…だけど本当にいいの?
嫌じゃ…」
守「嫌な訳ないじゃん、美乃里の家族なんだから
ちゃんとご挨拶したいし俺が会いたいって思ってる
美乃里は俺と出会って間もないのにって思ってる?
そんなの時間や年月は関係ないよ
会いたいと思った時は何度だって会いに行ったらいい
俺らは命の尊さを知ってるでしょ?
会えなくなって後悔したくないじゃん?
だから行こう、ねっ?」
美乃里「守さんってやっぱり凄い人だね」
ふふふと少し潤んだ瞳で笑う美乃里
守「美乃里がそうさせてるんだよ
あ、後…俺の母親にも会って欲しい」
美乃里「うん、もちろん
私もお会いしたいな…
って…どうしよう…今から緊張してきた」
守「ぷははっ、それは早すぎだろ」
これから先の2人の未来話は明るくてキラキラしていた
人と人との出会いは人生を180度も変えることがある
良い方にも悪い方にも傾く
過去の自分も未来の自分も変えられる
過去に囚われていること
今に囚われていること
未来に囚われていること
変化を恐れると前には進まないし進めない
そして人は1人では変われない
1人では変われないが、選択肢は常に自分の中にある
結果を決めるのは常に自分だ
出会う人達はアドバイス係、情報提供者だ
その人が好きではなく、その人といる自分が好き
という出会いを大事にしていくと
未来は明るくなる気がする…
1年後
守「美乃里〜お待たせ、お昼過ぎでも混んでるな…
体調は大丈夫?」
美乃里「お仕事お疲れ様、守くん
うん、2人とも元気だよ」
ニコッと笑う美乃里のお腹は少しふっくらしていて
愛おしそうにお腹を撫でる美乃里
守「検診、付き合えなくてごめんね
次の検診は俺も行きたいな…
あっ、美乃里も読んだ?俺も読んだよ」
美乃里「うん…
薬物に囚われた家族の結末」
守「なんか、凄いタイトルだったけど…」
美乃里「うん…雅紀くんにもこんな過去があったんだね…
改めて…私は守くんと出会えて良かったって…」
んふふと微笑む美乃里
守「俺もだよ、美乃里」
2人は微笑み合う
美乃里「出会う人でこんなにも人生が変わるなんて思ってもみなかった…
私はずっと過去の罪を背負って、誰にも自分をさらけ出せないで生きてくんだと思ってたのに…」
遠くを見つめる美乃里
守「俺もだよ、こんなに愛する人が出来るなんて思ってもなかった」
守は美乃里の頭をくしゃっと撫でる
守の言葉に照れて頬を赤らめる美乃里
店員「お待たせしました」
2人は仲良く食事を済ませ、店を出る
守「美乃里、夕飯何にする?
今日は定時で上がれそうだから俺が作るよ」
美乃里「ありがとう
久しぶりに守くんのパスタ食べたいな」
守「了解、じゃぁ美乃里、気を付けて帰ってな」
美乃里「はあい、守くんもお仕事頑張ってね
待ってるね」
2人は笑顔で手を振り合う
ピコン
美乃里「あ、かれん…うわぁ〜可愛い」
《美乃里、1番に報告!!さっき産まれたよ
3150gの元気な女の子です
次は美乃里だね!暇な時会いに来てね〜》
画像
美乃里「はあ…かれんも私もママか…」
(嬉しいな…楽しみだな…幸せだな…)
ブログ
-みのりDIARY-
人生には沢山の選択肢がある
どんな選択をしても必ず行き着く先がある
それが例えどん底だとしても
間違えた選択だったと悔やんでも
その間違いを正解に変えるのは自分次第だ
今、何かに悩んでいても、過去に後悔していても
未来に不安があっても
あの選択で良かったんだ…遠回りしたけどこの道で良かったと思えるように生きていきたい
fin..