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10.真実へのカウントダウン


美乃里 「雅紀く〜ん」

美乃里は小走りで手を振りながら雅紀を呼ぶ

(あーやばっ!雅紀くんの顔見たら嬉しくなっちゃって、手振っちゃった…)


雅紀 「美乃里ちゃん、何だか今日可愛い」

雅紀は微笑みながら美乃里の頭をポンポンと軽く撫でた

美乃里は恥ずかしながらも優しく微笑む

(あー昨日のかれんの恋バナで盛り上がりすぎて自分もキュンキュンしたくなってるのかな…)

かれんは自分の変化を分析しながらも雅紀と他愛もない話しで盛り上がる

雅紀 「まだ夜ご飯には早いからブラブラ買い物でもする?」

美乃里 「そうだね」

雅紀 「美乃里ちゃん、どこか行きたいとこある?」

美乃里 「雅紀くんっていつもいい匂いだよね?香水とか見に行きたい!」

雅紀 「お!いいね〜俺が美乃里の選んであげる」

美乃里 「あ、ありがとう」

(急な美乃里呼びは反則だよね…キュンとしたじゃん)

2人は近くの香水店に入る

美乃里 「これ好き!」

雅紀 「うん!いいね、美乃里っぽい

これもどう?美乃里っぽいし俺もめちゃくちゃ好き」

美乃里 「あ、凄い好きな匂い」

雅紀 「じゃ、これに決まり〜」

雅紀はレジへ行き美乃里に似合う香水を買う

美乃里 「え、雅紀くんいいよ!自分で買うよ!」

雅紀 「いーの!俺が買いたいの」

美乃里 「でも…」

雅紀 「はい!美乃里ちゃんに俺から初めてのプレゼント〜」

ニカッと笑う雅紀はとてもかっこいい

美乃里 「ありがとうございます…」

雅紀 「もう〜そんな重くならないで!じゃぁ、今度は俺が欲しいものプレゼントして!」

美乃里 「うん!雅紀くん何が欲しいの?」

雅紀は外に出るとベンチに座りながらうーんと少し考える…


雅紀 「美乃里が欲しいかな」


雅紀は真剣な眼差しを美乃里に向けた後

優しく微笑む

美乃里 「ッッ///」

美乃里はびっくりと照れ隠しで赤らんだ頬に手を当てる

雅紀 「美乃里は可愛いからいじめたくなっちゃった」

ニコニコ微笑む雅紀

美乃里 「雅紀くんって…意地悪…」

美乃里は少し頬を膨らませる

雅紀 「美乃里ちゃん、おいで」

雅紀は隣の席をポンポンと叩くと美乃里を座らせた

雅紀 「美乃里ちゃんといると楽しいし

美乃里ちゃんって芯があっていつも堂々としてて

真っ直ぐで、何だか俺と正反対のところに惹かれちゃうんだよな〜」

美乃里 「雅紀くんだっていつも堂々としててかっこいいよ?」

雅紀 「嬉しいなぁ〜美乃里にそんな事言われるの」

美乃里 「私も嬉しいよ?」

雅紀 「じゃぁ美乃里も好きって事でいい?」

美乃里 「好き?なのかな…?」

美乃里は少し照れながら首を傾け下を向く


雅紀 「あ!それ貸して、俺開けてい?」

美乃里 「う、うん」

雅紀は香水を袋から出し、美乃里の手首に付ける

雅紀 「首につけて」

美乃里は言われたままに手首を擦り合わせ

首元に付ける

美乃里 「ああ〜やっぱり凄くいい匂い、嬉しい」

満面の笑みで雅紀に笑いかける

雅紀 「俺にもちょうだい」

雅紀は美乃里の手首を引き、美乃里の首元に顔を近付ける

雅紀 「美乃里の匂いだ」

美乃里 「ッッ」

美乃里は首元にある雅紀の顔と美乃里の耳元をつたう雅紀の手にドキドキが止まらなかった

雅紀はそのまま美乃里の髪を耳にかけると引き寄せて

美乃里にキスをする

美乃里は恥ずかしさで下を向く


雅紀 「ごめん、我慢出来なくて…」

美乃里は首を振る

雅紀 「暗くなってきたし、行こっか」

雅紀は美乃里に手を差し出し

美乃里は雅紀の手を握る

2人は手を繋ぎ、歩き出す


美乃里はただただ雅紀との恋愛を楽しんでいた

恋をするドキドキとワクワクを…

前回のような警戒心は今の美乃里には無かった


雅紀は歩きながら携帯を開き


おちた


一言だけ送信する

カウントダウンの始まりだ。



雅紀 「どこか行きたいお店ある?」

美乃里 「うーん、どこがいいかなぁ…」

雅紀 「この間のカフェでもいい?

なんか新作が出たみたいで食べてみたい」

美乃里 「美味しかったもんね、いいよ」

雅紀 「実はさ、あそこ俺の友達が働いてて

美乃里と行った時はいなかったんだけど、今日は働いてるみたいで

この間は気になる子とご飯行くって言ったら

そんな事珍しい!みたいな言われて俺の奢りでたくさん食べて行け〜なんて言うからご馳走してもらったんだよね

お会計しないで美乃里ちゃん怪しんでたよね?

すぐ言えなくてごめんね…俺の好きがバレバレになっちゃうから言えなくて」

美乃里 「そうだったんだ!じゃぁ今日お友達くんにお礼言わなきゃね」

雅紀 「俺、女の子合わせるの初めてかも…」

美乃里 「え?そうなの?凄い遊んでそうだけど…」

雅紀 「なんだと?」

2人は笑い合い、ふざけながら楽しい時間を過ごす

どこから見ても仲のいいカップルだ

美乃里は恋の始まりに舞い上がっていた

雅紀の一言、一言が自分を特別だと言っているようで

雅紀に堕ちていた…


時刻はPM7:40、お店は混みだしていた

この間の綺麗な店員さんが来て

雅紀 「よう」

店員 「いらっしゃいませ」

店員さんは美乃里に微笑む

雅紀 「あいつ持ってきたか?」

店員 「華に置いてる」

雅紀 「分かった、洋平が来たら部屋に通して」

店員 「分かった」

雅紀 「美乃里、行こ」

雅紀は美乃里の手を引くと前回と同じで奥の部屋へと入って行く


いつもの美乃里だったらお店に着くと

周りを観察し、人の変化に敏感だ

雅紀と店員の会話にも敏感のはずだったのに

今日の美乃里は雅紀に夢中だった…


だから気付かなかった

美乃里を心配そうに見る視線にも…


PM7:30

智貴さん、到着しました

また連絡します


守は同期の森川もりかわ さとると一緒にカフェへ来店した

守 「バレないようにな、悟、目つき怖いぞ」

悟 「ごめん俺、なんか緊張しちゃって」

守 「今日、何か起こる訳じゃないんだから普通にしろ」

悟 「だよな、にしても男2人…恥ずかしいな」

守 「それは…だな」

店員 「いらっしゃいませ」

守 「あ、どうも」

店員 「また直ぐに来て下さりありがとうございます」

守 「あ、いえ、ご飯が美味しくてとても気に入りました」

店員 「ありがとうございます」

可愛く微笑む店員さんは

この間の店員さんで守に気付き声を掛けてきた


悟 「あの子お前に惚れてるぞ」

守 「そんな訳無いだろ営業スマイルだよ」

悟 「いや、俺の感は鋭い」

守 「そんな事はどうでもいいんだよ」

悟 「俺が女だった」

守 「待て」

(来た…女の子と一緒だ…)

悟 「来たか?」

守 「気付かれないように見ろよ」

悟 「あぁ、顔は確認した」

2人は平然を装い、男の顔を確認した

守 「美乃里さん…」

悟 「なに?」

守 「いや、何でもない」

悟 「この間の女性と一緒か?」

守 「いや、この間連れてた女性じゃない」

(美乃里さんが何であの男と…)



あの男はやっぱり奥の部屋へと入っていった

俺は心配で仕方なかった、嫌な予感がして

胸の奥がゾワゾワして直ぐにでも声を掛けたかった


俺がこの時、声を掛けていたら変わっていただろうか…

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