0.プロローグ
どん底…いちばん下の底
人は下の更に下の底まで行くとどうなるのか
どん底と口にするのは簡単だ
生きているうちでどれだけの人が
本当のどん底を味わうのだろう。
どん底から這い上がる方法は
誰が教えてくれるのだろう…
誰が助けてくれるのだろう…
どうしたら私をこのどん底から救えるのだろう…
私を包むいちばん下の底は
いつまでも暗くて、冷たくて誰も入れなくて
何度も何度もこじ開けたいと思うのだけど
何重もの鍵が邪魔をして
早く這い上がりたいのに、本当の私を助けたいのに
もういいよ、苦しまなくていいよ、大丈夫だよ
あなたは悪くないよ、と声を掛けてあげたいのに
世の中に溢れている小さな小さなどん底たちが
邪魔をする。
向き合った、数え切れないくらい向き合った
誰も私を攻めはしないし、
助けを求めたら助けてくれる。
ただ私の深い下の底を救える人はいない
みんな綺麗事を並べて当たり前を並べて
言っている事は綺麗な言葉でも所詮 上辺だ。
自分を正当化したいだけの
ヒーロー気取りの偽善だ。
そんな偽善で簡単に救えるのなら
きっとこの世は簡単だ。
あの大人も、あそこの大人も
土砂降りの雨の中、びしょ濡れになりながら
悲しそうな顔をして私の頭を撫でる
私に一生懸命、声を掛けてくれてるこの人も
みんな、みんな
私の気持ちなんか分かる訳もない
ただの
偽善者だ。