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【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!  作者: 隣のカキ
聖女の暴力編

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第62話 聖女のお給与

「ただいまー。」


「ただいま戻りました。」


「おぉ! お帰りなさいませ! お二方が居なくなってしまったので焦ってしまいました。」


 帰って来るとそこには、天界に行く前私達を見送ってくれた悪魔が控えていた。


「遊びに行くけど二日以内には戻るって言ったじゃない。」


 行く前に耳打ちしていたのはそれを伝える為だったのね。


「堂々と天使の勧誘にのっていたものですから……」


「演技よ演技。そうしないと天界に連れて行ってもらえないし。」


「天界はどうでしたか?」


「神と言っても所詮はあんなものか……って感じだったわ。それでも1級上位悪魔くらいの力はあったけどね。」


「仮にも神ですから。当然、それなりには強い事でしょう。お二方の敵ではないでしょうが……。」


 まぁ、そうね。


「それよりも大切なお話があります。」


 この人、凄く真剣な顔をしているわ。もしかして告白?


「実は……」

「ダメです。」


「え?」


 凄く驚いた顔ね。まさか……上手くいくと思っていたの?


「ダメなんです。」


「あの……何がでしょうか?」


 何故ダメなんだろう、如何にもそう言いたそうな顔をしているわ。


 恥をかかせるのは忍びないけど……きちんと言ってあげなきゃダメよね?


 せっかく告白してくれたのだから誠実に対応しよう。


「私は結婚しているので、あなたとはお付き合い出来ません。」


「…………はい?」


「ごめんなさい。」


 辺りに沈黙が訪れた。


 この人もお母さんも気まずいわよね。でも、ちゃんと伝えてあげないと。


「……良く分かりませんが、実はお二方の給与明細をアンリ様より預かってきました。」


「え?」


 恥ずかしいわ。私の勘違いだったという事?


 あっ……もしかして、フラれた恥ずかしさをお給与の話で誤魔化そうとしてる?


 仕方ないからそれにのってあげよう。これも優しさよね。


「これが明細です。金庫番には話を通してありますので、時間がある時に受け取りに行って下さい。」


「わかりました。」


 私達は給与明細を受け取り、中を開いてみる。




アリエンナ様  給与明細書


勤  出勤日数 労働時間 欠勤日数 休日出勤

怠   23日   184h   0日   1日

   休日労働 有給消化

     8h    0日


支  基本給  役職手当  資格手当  休日手当

給  450,000  200,000  20,000   22,333

   特別賞与   総支給額

   520,585,980  521,278,313


控  雇用保険  住民税  魔法税  傷害による慰謝料

除  900     50,000  10,000  140,500

   施設損壊弁済費用  総控除額 

   185,374,100     185,575,500


集  総支給額    総控除額    差引支給額

計  521,278,313   185,575,500   335,702,813




「良く分かりません。」


 給与明細は難しい言葉が多くて分かりにくい。


 お母さんがヒョイと手元の明細書を覗き込み、アドバイスをくれる。


「難しく考えなくて良いの。この場合は差引支給額が実際手元にくるお金なのよ。」


 知らなかった。


 冒険者稼業だと報酬を貰って終わりだったから、こんなに色々と書いてある明細書なんて見た事もなかったし。


「アリエンナはアドンのお城を破壊したでしょ? だから、かなり天引きされてるわね。」


 笑って許してくれたから油断した。お給与から引かれちゃうなんて……。


 今度からはストレスが溜まっても極力我慢しよう。


※アリエンナは“我慢”を覚えた。



「お母さんはどうだった?」


「私? 慰謝料を結構取られちゃったわ。ちょっと乱暴しただけなのに大袈裟よね?」


 お母さんの乱暴はちょっとでは済まない。全然大袈裟じゃないと思う。


「それにしても……人間界で使えるようにと魔道具や貴金属で支払ってくれるって話だったけど、魔界のお金を貰ってそれでお買い物するとしたらどんな物が買えるのかしら?」


「私も興味ある。あっちよりも良い物が買えるんだったら魔界のお金で貰っても良いよね。」


 場合によっては、魔界のお金と貴金属の両方でお給与を貰うのもいいかもしれない。


「母さんに聞いてみましょう。あなた、魔神アンリを呼んでくれるかしら?」


「はい。只今呼んで参ります。」


 私達の部屋で待機していた悪魔が駆け出して行った。


 あの人名前何だっけ?


「お母さん。魔道具もどんなのがあるか見てみたいね。」


「ええ。人間界には無いものもあるだろうし、楽しそうよね。」


 暫くあんな物やこんな物があったら嬉しい……なんて会話をしていると、さっきの人がアンリさんを連れてきてくれた。


「私に用があるんだって?」


「はい。魔界ではどんな物が買えるのか知りたいです。」


「あぁ、給与明細を見たのね。どんな物って言ってもねぇ……あまり人間界とは変わらないわ。強いて言えば、人間界には現存しない古代技術で作られた魔道具が超高値で取引されてるくらいかしら。」


 古代技術? なんだかロマンを感じるわ。


「その超高値の魔道具ってのはどのくらいの値段?」


「安くても35億くらい?」


 全然足りない。私とお母さんのお給与を合わせても10億にも届いてないし。


「ここで教えておくけど、お金の単位は“マカイ”よ。100マカイあれば美味しい肉まんが一個買えるわ。」


 そうなんだ。もしかして私達って凄くお金持ち?


「あなた達は魔神を倒して味方にしたりしたでしょ? だから特別賞与がたくさん貰えたと思うんだけど、普通そんな額は支給されないわ。」


 という事は、古代技術で作られた魔道具は買えないって事か……。


「これから戦う魔神ルシーフやバルバスから奪っちゃえば良いのね?」



 お母さん…………



 それはナイスよ。


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