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【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!  作者: 隣のカキ
フェルミト王国編

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第26話 聖女の祈り

「冗談がお上手ですね。私なんてお母さんの半分も強くありませんよ。あっ。今なら身体強化魔法を使えば半分くらいにはなるかもしれませんけど……。」


 そう言えば……お母さんも身体強化使えるのよね。


「良く考えてみたらお母さんも身体強化が使えるわけだから、お母さんは更に強いのかしら?」


「前代未聞の聖女だわ。アリエーンさんの半分も強いだなんて。」


「この強さに加えて回復魔法や将来的には防御魔法の最高峰、聖女の祈りまで使えるようになるわけだからな。」


 昨日も言ってたけど、聖女の祈りって何かしら?


「聖女の祈りってなんですか?」


「神に祈りを捧げる事で発動する奇跡の防御魔法と言われているわ。詳しい事は聖女じゃないのでわからないけど……。」


「ちょっとやってみましょうか。」


 私は神様に祈ってみた。


(美味しいお菓子食べたい美味しいお菓子食べたい出来ればアイスが良い美味しいアイス食べたい神様お願いします)


「……アリエンナが聖女らしく祈ってるとこ初めて見たな。」


 私は真剣に祈りを捧げると……


 目の前にキラキラした半透明の壁が出現した。


「これが聖女の祈りという事ですね?」


「凄ぇじゃねぇか! 使えるようになるには結構な修行が必要だって聞いたぜ?」


「そうね。初めてで使える聖女なんて聞いた事ないわ。」


「真剣に祈ったら使えました。きっと使えない人は真剣さが足りていなかったのかもしれません。」


 コンコンと出現した壁を軽く叩くギャモー。


「かなり堅そうだぜ?」


「ルディア様。試しにこの壁に魔法を撃ってみて下さい。」


「えぇ? 大丈夫かしら?」


 戸惑いながらも興味津々のルディア様。


「じゃあ、二級魔法を撃ってみるわね。」


 そう言ってルディア様は雷魔法を放つ。


 バチィッ!!



 雷が壁に接触すると、簡単にかき消されてしまった。



「凄い……。こんなにあっさり防御されるなんて。」


「今から外に出掛けて一緒に魔法で遊びませんか?」


 聖女の祈りとルディア様の魔法で対決してみたい。


「良いわよ! 馬車を用意するから出掛けましょう!」




 私達3人は今、王都の外に広がる草原に居る。


 近衛兵エルバさんも護衛で付いて来てくれた。


「第一回……聖女の祈り 対 王女殿下の雷魔法対決―!!」


 ドンドンドンパフー


 エルバさんはどこから太鼓を出したんでしょう?


「エルバさんよぉ。護衛が少なくねぇか?」


「何を言ってるんですか? 王女殿下と聖女様には護衛なんて必要ないでしょう? 2人が居れば大抵の国は滅ぼせますよ。」


「アリエンナが強いって知ってんのか?」


「アリエーンさんの娘さんですよね? どうせSSSランクくらい余裕であるでしょう。」


「……間違っちゃいねぇな。」


「それでは聖女の祈りを発動します。」


(美味しいアイス食べたい美味しいアイス食べたい出来ればチョコアイスが良い美味しいチョコアイス食べたい神様お願いします)


 私は真剣に祈った。


「こうして見るとかなり聖女っぽいな……。」


「実際聖女だからね。」


「なんと神々しい。お尻だけでも触らせてもらえないでしょうか?」


「エルバさん。ミンチにされるからやめといた方が良いぞ。」


「触らぬ神に祟りなしという事ですね?」


「使い方が微妙に違うんじゃねぇのかそれ。」


「貴方、妻も子も居るって言ったじゃない。」


「妻のお尻なんて比べ物にならないくらい良いお尻です。王女殿下だって触ってみたいくせに。」


「……。」


 エルバさんったら、そんなに真剣な顔で褒められると照れてしまうわ。


 触らせませんけどね。


 そしてルディア様? 黙ってしまうという事は、もしかして本当に私のお尻触りたいの?



 そんな事を考えていると聖女の祈りが発動し、先程よりも大きな半透明の壁が出現する。


「はい。発動出来ましたよ。それではルディア様、お願いします。」


「任せて。次は一級魔法でいくわね。」


 ルディア様の体が帯電する。


「天雷。」



 ゴォォォッ!!



 ルディア様の魔法は、今まで見た事がないくらいの勢いをつけ、私が出した壁に激突する。


 そして接触した瞬間、かなりの衝撃を伴い大地を揺らした。


 これは流石に耐えられないかしら?


「見ろ! 全く無傷だぞ!」


「凄いわね。加減無しの一級魔法を防ぎきってるわ。」


 私の使った聖女の祈りはかなりの強度を持っているようね。


「私もやってみたいです。」


「アリエンナさんも魔法が使えるの?」


「一ヶ月とちょっと前に母に習いました。」


「それだと四……アリエーンさんの娘だし才能ありそうね。三級魔法くらいかしら?」


「……多分ルディア様もビックリすんだろうな。」


 ギャモーがボソッと何かを呟いている。


「じゃあいきます。天雷。」


「え?」


 早速ルディア様の魔法を真似っこしてみた。



 ゴォォォッ!!



 私の天雷もそれ程悪くなさそう。


 さっきと同じで、壁に接触するとかなりの衝撃がこちらにも伝わってくる。


 ルディア様は口をあんぐりと開けていた。


 それでも美人ね。美人は得って本当だったんだ。


「……一ヵ月前に魔法を習ったと聞いた気がするんだけど。」


「そうだぞ。俺も一緒に習ったからな。」


「えぇと……今までにも魔法が使えていて、コツを習ったって事なのね。」


「いや? 前までは使えなかったみてぇだな。一緒にクエスト受けてた時も攻撃魔法なんて使ってなかったしよ。」


「そ、そうよね? アリエーンさんの娘だものね。常識を当て嵌めてはいけないわね。」


 それだとまるで私が非常識みたいに聞こえるんだけど……。


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