表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/26

幕間 メリークリスマス!

前に書いた時がちょうどクリスマスの時期だったので...........。

「メリークリスマス!!女の子なサンタさんだよ!!今年もいーーーっぱいプレゼント持ってきたからみんな喧嘩しないでね!!」


「「「はーい!!」」」


 ううぅぅテンション高めで千夏さんが話してて、それに合わせて動きを加えているけどけど恥ずかしいよぉ〜。こんな格好して、ちっちゃい子達にプレゼントあげるなんて.........。


 え?なんで私がサンタさんしてるかって?聞いてよ!!いきなり千夏さんに頼まれたんだよ!!........千夏さんのお願いだから断りづらくて、受けちゃった.........うぅぅちょっと後悔中。ちっちゃい子達とふれあえるのは楽しいけど、格好が恥ずかしい!!!


 なんで私がサンタの格好をするかっていったらそれは今日の朝まで遡るの。


 ――――――――――――――――――――――――


 今日もいつも通りの時間に起きて、朝ごはんを食べて、ゆっくりしていたら千夏さんがやってきた。


「ねぇシキちゃん今日元気?」


『?いつも通り元気だけどどうしたの?』


「えっとねお願いがあるんだけど聞いてもらえない?」


 なんか真剣な表情........?私にできることなら手伝いたいけど、私できることって限られてるからなぁ。


「今日ねうちに入院してるちっちゃい子達に向けての軽いクリスマスパーティをしようと思うの。パーティって言ってもプレゼント渡して、少しお話するくらいだから、そんなに身体に負担かけないから大丈夫なんだけどね。それでね普段だったらサンタ役を看護師の誰かがやることになるんだけど、ちょっと都合がつかなくて.......。シキちゃんサンタさんになってくれない?」


『え!?なんで私なの!?』


「それがね、一番はシキちゃんにサンタの服が似合いそうっていうのと、あとは少しでも知らない人に話しかけられる経験をしといた方がいいかなって私思ったの。だってシキちゃん高校に行くつもりでしょ?だったらその練習だと思ってさ、いろんな人に話しかけられて、他人に慣れればいいじゃんって思ったからお願い!!」


『確かにそうだけど.........でもサンタさんの格好するのは恥ずかしいよ。それに私話せないから無理だよ』


「大丈夫。私がとなりにいるから話さなくても大丈夫。シキちゃんはニコニコしながら子供達にプレゼントあげればいいだけだから」


『でも.........ううんいいよ。私やってみる。』


「本当!?ありがとう!!さすがシキちゃん!!」


『でねどんな衣装なの?』


「これだよ」


 千夏さんが取り出してきたのは、スカートタイプのサンタ服。スカートはふわふわしてて、裾には白のモコモコしたものがついてる。ノースリーブワンピースにポンチョを羽織ったやつだから全体的にふわふわしてて可愛い。でもポンチョタイプっていっても、胸の下あたりまでしかないから、腰がスマートに見えるからそこもいいポイントだなぁ。


 .........ってこれ着るの!?無理無理絶対無理!!!こんなの恥ずかしいよ!!それに少しスカート短くない!?これじゃ見えちゃうよ!!子ども達相手でも見られるのは恥ずかしい!!


『ちょ、ちょっと千夏さん!!さすがにこれは無理だって!!スカート丈短いし、それに恥ずかしいよ!!』


「え〜シキちゃんなら可愛く着れるのにな〜。それにスカートの下にショートパンツ履けば見えないから大丈夫!」


『たしかにそうだけど、でもそういう問題じゃないの!!もうちょっとシックなのなかったの!?』


「あったけど、せっかくシキちゃんが着るなら可愛いものじゃないとね」


『もう........私やっぱりやめようかな?こんなの着たくない』


「えぇぇぇ!?お願いシキちゃん!!」


『だってこんなの着たくないもん』


「サンタさんがいないと子供達が悲しんじゃうからお願い!!!それにシキちゃんのお願い1つならなんでも聞いてあげるからお願い!!」


『うっ.............もう今回だけだよ。子ども達には笑顔でいてほしいからね』


「ほんと!?ありがとうシキちゃん!!」


『でも!!ちゃんと私のお願い叶えてね!!』


「もちろん!!私に叶えられる範囲ならね」


『じゃあそれ貸して!』


「え?まだ着替えるには早いよ?」


『だってこんなの着たことないし、恥ずかしいのにも慣れないといけないから!!!』


「ふふふっ、恥ずかしいのに慣れるって........はいはい。どうぞ」


 そう言って千夏さんは服を渡してくれる。はぁ、本当は着たくないけど、入院してる子ども達のためだったら少しくらいは恥ずかしい思いしてもいいかな?少しでも今日のクリスマスを楽しんでほしいから。


 それに!1つお願いを聞いてくれるなら今度何をお願いしようか楽しみだな!!


 ――――――――――――――――――――――――


 本番時刻になって、子ども達を集めてプレゼントを渡し始めたの。


 みんな入院してるせいなのかな?表情が暗かったけど、サンタさんの格好をした私と、いつもの格好の千夏さんを見たらパアァって花が咲いたように笑ってくれたの!可愛い!!


 1人1人にプレゼントを渡していく。プレゼントを渡すたびに笑顔になっちゃう!


 だって、プレゼントをもらった子ども達がすっごい嬉しそうに笑うんだと!?こっちまで嬉しくなっちゃう!!


 あーあ、本当は子ども達とおしゃべりしたいけど、私は声が出せないから.......。お話できたらすっごい楽しいだろうなぁ。


「ねえね?なんでサンタさん女の子なの?」


「ん?それはねここに来てくれたのがたまたま女の子のサンタさんだからだよ。サンタさんにもいろんな人がいるからねぇ」


「サンタさん!トナカイさんはどこ?」


「トナカイさんはね、ちゃんといるよ。でもねここに連れてきたら危ないから違うところにいるの」


「なんで?」


「だってトナカイさんはは大きいでしょ?それがたくさんいたらどうなると思う?」


「んーとね。お部屋が狭くなる?」


「そうだね。お部屋が狭くなるね。そしたらみんなが怪我しちゃうかもしれないから、トナカイさんはきてないの」


「んーそうなんだ」


 なんかさっきから千夏さんすごく喋ってるなぁ。しかもちょっと慣れてる?.........あれ?これってもしかしたら、本当は千夏さんがサンタさん役する予定だったけど、こんな格好するのが嫌だから私に押し付けた?


 違うよね?違うって言ってよね千夏さん。でも、もし本当だったら覚悟しといてね!!お願いの時遠慮なんかしないよ!!!


 千夏さんが子ども達相手に色々話してたら全員にプレゼントを渡し終えちゃった。


 良かった。みんな笑顔になってくれて................。私みたいになっちゃダメだからね。


「あの、今日は本当にありがとうございました」


「久しぶりにこんなに笑ってくれたわね」


「せめて病室でそれっぽいことしようとしたけど、ここまでやってくれるなんて感謝しかありません」


 気がついたら可愛い子ども達のお母さん達が目の前にやってきてた。


 全員からお礼を言われるけど、私病院の関係者じゃなくて、ただの入院患者ですからお礼なら千夏さんに言ってください.........。って伝えたいけど、私は声が出せないから、そのことも伝えられてないし、返事も伝えられない..............。どうしよう.......。無視するのは失礼だって分かってるけど、ノートもなければスマホもないから伝える手段がないよぉ.......。


 オロオロしながら、千夏さんを見ると分かってるって言いたげな目をされた。なら早く助けてよ!!バカッ!!!


「いえ、たとえ病院の中とはいえど今日はクリスマスですから。1人でも多くの子ども達には笑顔になってほしいですから、感謝されるようなことではありません。むしろいつも治療のためとはいえ、子ども達には辛い思いをさせてしまっているので、今日ぐらいはさせてください」


「本当にありがとうございます!!.........ところで隣にいる人は?看護師というには若すぎる気がしますが........」


「紹介が遅れて申し訳ございません。彼女の名前は翠宮シキと言います。彼女は今回のイベントの助っ人です」


「まぁそれはまた。あなたもありがとね」


 感謝を言われても私には返す方法がないよぉ。とにかく頭を下げとけばいいかな?


 ペコリと礼をしておく。ごめんなさい。私話せないからこれぐらいしかできないんです.......。


 不思議そうな顔をされたから、どうにか説明したいけど私じゃ無理だから説明できないよぉ....。千夏さんたすけてぇ。


「ごめんなさい。できれば言いたくはありませんでしたが彼女、シキさんも同じくここに入院している患者さんです。彼女は現在も精神的に不安定で、過去のトラウマのせいで、未だに会話ができない状態です。それでも今日彼女は勇気を振り絞って私と一緒に立ってくれました。彼女も返事をしたいと思っているでしょうが、声を出すことができないので許してください。ですが、きっと彼女も私と同じ意見だと思います。だって彼女、シキちゃんの顔を見てましたか?子ども達にプレゼントを渡すときすっごい笑顔でしたから。きっと子ども達から元気をもらったんでしょう。だから感謝される程ではありません。」


 そう言って千夏さんも頭を下げる。ごめんなさい千夏さん。千夏さんが謝る必要なんてないのに........。


「それは........ごめんなさい。シキさん、でしたっけ?あなたも大変な目にあったのでしょう?詳しくは聞かないけど、それでもトラウマができるほど追い詰められるなんて..........。本当にかわいそうに。まだこんなに若くて可愛いのに.........」


 大丈夫です!私は今ちゃんと生きてます!!過去に何があっても今を大切に生きることが今の私にとっての幸せ!それにお姉ちゃんとシィーちゃんと一緒にいられることが嬉しいだもん!!少し怖い思いもするけど、トラウマだっていつかは克服できるから、私そんなに深刻に考えてなんかない!むしろ前向き!!


 それからは、千夏さんがもう少し保護者さん達と話をしてから、今回のイベントは終わりを迎えようとしていたの。


 最初は笑顔もなくて、退屈そうな顔をしていた子ども達だったけど、今じゃみんな笑顔ではしゃいでいるから、こんな顔を見れて私は嬉しいな!恥ずかしい思いはしたけど、それ以上に、なんかこう、心がいっぱいになった感じがする。来て良かった!


 子ども達に見守られながら、私は笑顔で手を振りながらその場を後にする。もちろん千夏さんも一緒。


 私はもうサンタさんのお世話になるような歳じゃない。だって私はもう子供というには大きいし、大人というには少し幼い年齢だけど、今年のクリスマスはお願いしてみる。


 多分心優しいサンタさんなら私みたいな人のお願いも叶えてくれるから。


 今日は聖なるクリスマス。どうかあの子達の病気が治りますように。


 それが私のサンタさんへのお願い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ