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初めての意味ある音

書き溜めてたのはこれでおしまいです

 その日私は起きた時からおかしかった。


 おかしかったってのは変な表現なんだけどなんかおかしかった。


 いつも窓の外から聞こえる音が今日に限っては「ちゅんちゅん」って聞こえる。


 布団をペシペシ叩いてみると聞きなれた音がする。足をバタバタさせると私が私になった時から聞いてた音がする。


 何かおかしい。


 そう。なんか()()()()()()()()()()()()()


 昨日は普通にご飯を食べて、いつも通りの時間に寝た。


 小説だって読んだけど昨日読んだのは女の子の主人公がバイクに乗って色んな国を旅するもの。別に変なものじゃなくて、すっごく楽しんで読んでた。


 ............................メイクしたから?


 でも一昨日も軽くしたからそうじゃないはず。


 ................なら何で?


 最近の私は可愛い服を着たり、面白い小説読んだり、シィーちゃんと遊んだり、お姉ちゃんに甘えたり、千夏さんと楽しく話してたりしてただけ。


 リハビリだって今は散歩もかねて、ロビーに行って男の人と同じ空間にいるようにしてるくらい。もちろん何かあったらダメだからシィーちゃんかお姉ちゃん、時間があったら千夏さんがついてきてくれてる。


 でもそれぐらいだよ?本当に特に変わったことはしてないよ?


 コンコンコンと音がする。


 コンコンコン?


「シキちゃーん。おはよー検温の時間だよー」


 ん?


 .................................ん!?!?!?!?!?!?


『シキちゃんおはよう』


 待って!!今の何!?!?!?いつも聞こえないものが聞こえたんだけど!!


『シキちゃん?おーい』


 待って千夏さん!それどころじゃないの!!今日の私変なの!!!!!


『起きてるー?それとも寝ぼけてる?』


『起きてます!!!!!!!!!!!!!ちょっと待って!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 今頭がゴチャゴチャだから本当に待って!!!


『ありゃ......ご機嫌ななめなシキちゃんだ』


 ご機嫌ななめなどころか頭の中がグルグルしてるよ!!!!


『検温の時間なんだけど........』


 そうだ...........さっき検温って聞こえたような.........................。


 .......................................................................ん?


 もしかして私、聞こえてる???


 音じゃなくて声として聞けてる?意味のある音として聞けてる........?


『..............千夏さん』


 ちょっと実験させてもらおう。もし本当に私が音を声として聞けてたら.........。


『どうしたの?検温さしてくれるの?』


『筆談を止めて声を出してほしいです』


『なんで?』


『ちょっとたしかめたいことがあるの』


「いいよ.............シキちゃんおはよう」


 やっぱり..................音を声として聞けてる..................。


 .......................................................ううぅぅ。


「ちょ、ちょっとどうしたのいきなり泣いて!!!」


 聞けた。


 千夏さんの声がやっと聴けた。


 ずっとお世話になってた千夏さんの声がやっと聞けたの!!!!!


「シキちゃん大丈夫!?どこか痛いところでもあるの!?!?!?


 そんなことない!確かにちょっとだけ胸が痛いけどそれは嬉しいから!!!!!!


『千夏さん!!!!!おはよう!!!!!!!!!!!!!!』


「おはよう............ってそれどころじゃないでしょ!!!ほら涙を拭いて!!」


 そう言って千夏さんがハンカチを出してきて私の涙を拭ってくれる。


『千夏さん!!!!!!』


「もう..........世話がかかるんだから」


『そこまで私厄介な子じゃないもん!!!』


「どの口がそれを言うのよ...........。昨日だってブロッコリー残してたでしょ」


『あれは..............あの緑の悪魔は美味しくないから仕方ないもん』


「ブロッコリーは身体に良いからちゃんと食べないといけないんだよ。特にシキちゃんは身体が弱いんだから」


『それでもあの緑の悪魔は食べたくない。あれ食べるくらいならサプリ飲んだ方がマシ』


「あなたサプリ飲んだことないでしょうに......」


『栄養取れることは知ってる!!!!!』


「そんなどうでも良い知識はいらないの!!!............あれ?私シキちゃんと会話してる?」


 ふふふっ、やっと気づいたか千夏さん!!!私はさっきから普通に話してたぞ!!!!


「............................もしかしてシキちゃん?私の声聞こえてる?』


『うん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 満面の笑みと共に画面を見せるぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「うそ............でも........え?」


『これが現実だ。千夏さん』


「ねぇシキちゃん。本当の本当に聞こえてるの?私の声ちゃんと聞こえてる?」


『うん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 満面の笑みPart2


「おめでとう!!!!!!!!」


 ........わっぷ。


 正面から思いっきり抱きしめられた........。


 嬉しいんだけど..........千夏さんのお胸が.................私の鼻を.....................。


「シキちゃん待ってて!!すぐ先生連れくるから!!!!」


 すぐに解放されて私の主治医さんを呼びに戻ってちゃった。


 ................まぁいいや。


 その後ドタバタと主治医さんが来て簡単に検査という名の質問されたけどそれに答えてったら、多分治っただろうと言ってくれた。


 やっぱり精神的なものだからいつ治るか分からなかったけど、ここで音を声として聞こえてるのならもう悪化はしないだろうだってさ。


 そしてその後主治医さんからお姉ちゃんとシィーちゃんに連絡がいって、朝一で2人が病室に来てくれた。


 泣きながらお姉ちゃんもシィーちゃんも抱きしめてくれた。


 それにつられて私も思わず泣いちゃって、3人揃って泣くことになったけど私は嬉しかった!!!


 これからはみんなの声が聞こえるんだって思えるだけで私は頑張れそう!!!






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