第九話 手術廻戦〜ドグラマグラ〜
「キエエエ!!!」
ドクターiが紫電にメスで襲い掛かってくる!
「手術室の謎を解いたからとて私には勝てんぞ!千刃執刀!!!」
その瞬間、紫電の周りを360度囲むように無数のメスが出現する!
「それがどうした!」
紫電は手から電気メスを発生させ、無数のメスを撃ち落とす。
紫電が電気メスを振るうと、電撃を帯びた斬撃がドクターiを襲う!
「時空切開!!」
ドクターiが光の千倍のスピードで一本のメスを振ると、空間に亀裂ができそこに紫電の斬撃が吸い込まれていった!
「何!?グオッ!!」
その斬撃は紫電の後ろからとんでもないスピードで飛び出し、直撃する。
「私は元の世界では世界最強の空間操作系能力者と謳われていた。お前の電撃センサーが反応する前に攻撃を当てることなど簡単なのだよッ!!」
「まさかバレていたとはな……。流石世界イチの名医サマだぜ。」
説明しよう!紫電は無数のメスを撃ち落としたとき、そのメスに微弱な電流を流していたッ!
地面に落ちたメスたちから発せられる電流が、その上を通った物質に反応するのを感じとって、紫電専用のセンサーにしていたのだ!!
「オラッ!」
紫電が地面に落ちているメスを高速でドクターiに投げつける。
「!」
ドクターiは自分の持っているメスでガードしようとするが、それと同時に紫電がすぐそばまで迫っていた。
「超電磁融合!!」
小型の電撃エナジーボールを持った紫電の腕がドクターiの胸を突き刺し貫通させる!
「グオァァァァ!!!」
「デンジの技と俺の技を合体させた新技だ。今ので致命傷だろう。」
噴煙の中からiが出てくる。
「何ッ!!?」
iの胸は服が破れていただけで傷ひとつ無かった。
「フハハハハ!!忘れたのかい?私の本業は医者さ。一瞬で自分の胸を“手術”することなど造作もないのだよ!!」
するとiは自分で自分の体を切り刻み始める!
「見せてやろう……。我が至高の肉体で模られし、完全なる究極芸術を……!!」
iの体はサイズさえ違えど、iの身体のパーツのコピーのようなものが纏わり付き、巨大な異形の生命体へ進化を遂げる。
「これが我が真の姿、魂成縫合変霊体だ……!!!」
「なんだよ……。完全にバケモンじゃあないか。」
iは自らの身体のパーツのコピーを混ざり合わせ、巨大なクリーチャーに変化した。
「この美しき姿は君の様な凡人には理解できんだろう。」
そう言いながらiの左側に生えている巨大な腕が近くに飛んでいる鳥を撫でる。
「グェッ!?グナゴガタガマグギャギガッッ!!」
鳥は奇声を上げながら地面に落ちのたうち回る。
次の瞬間、鉤爪から鳥の顔が、手の指先からは鳥の脚が、首元からは小さい無数の鳥の指が。
先ほどのiの様に自分の身体のパーツが自分の他の部位に生えてきている。
「フハハハハハッッ!!これこそまさに神の力!ワタシは今、まさに究極の力を手に入れたのだ!」
「触っただけでアウトかよ……ッ!」
「死ねィ!!叢雲紫電!!!!」
「なんてな。」
「ぐ、グオオオオオオオオオ!!!!」
その瞬間、iの身体が崩壊していく。
「お前がだらだら喋っている間に、お前の脳に微弱な電流を流していたのさ。今お前がやっているのは進化なんかじゃない。自爆さ。」
「ば、馬鹿なッ!!!電流の力だけで全ての細胞を書き換えたというのかッッ!!!!!」
「どうやら手術の腕でも、オレの方が上だったみたいだな。」
「チクショォォォォォォォ!!!!!!!!!」
次の瞬間、iから眩い閃光が放たれ爆発した。
「紫電〜!大丈夫〜?」
遠くから虚を持ち上げて覇王が走ってくる。
「あぁ。オレなら問題ない。それより急ぐぞ。異世界エリアを脱出する。」
3人はそのままゲートを目指して歩いていった。
読んで下さりありがとうございます。
是非評価などして頂ければ嬉しいです。