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01話 この世界について

少し宗教の話が出てきますが、個人の感想です。他意はありません。

2章にして初めて町の名前が判明します。

「エールの菜園残念だったな」


 みんなで菜園を手伝おうとした矢先、領主の部下から襲撃を受けて旅立つことになってしまった。


「大丈夫ですよ。丈夫な種類ですからそこまで頻繁にお世話する必要はありません(笑)」


「でもいつ帰って来れるかわからないぞ? さすがに枯れちゃうんじゃないか?」


「ふふっ、知り合いに頼んでおいたので大丈夫です(笑)」


 エールなら顔も広そうだし頼める相手もいるのだろう。


「そういえば、あの町って何て名前なんですかね(笑)」


「......確かに」


 考えてもみなかった。そもそも他の町行ったことないし。


「アウルムですよ」


 窓の外からルンの声が聞こえた。


「微妙に覚えにくい名前ですね(笑)」


「ふむ。初耳だ」


「私も初めて聞いたわね」


「浸透していないにも程があるだろ!」


「ここまで言われると自信無くなってきますね......本当にアウルムなんでしょうか?」


「いや、俺に聞かれても困る」


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


「それにしても......」


「ふむ......」


 旅の途中、エールの試練について話し合うが、やはり手がかりはない。


「失敗したらどうなるの?」


「俺とエールが延々とこの世界を彷徨うことになる」


 カンナの問いかけにヤスが答える。


「そうじゃなくて......彷徨うってどういうことなの?」


「どうって?」


「私と......この世界で生きている人間と会話したりできるの?」


「どうなんだエール?」


「うーん......よくわかりません(笑)」


 永遠に彷徨うという言葉のインパクトで、あまり深く考えていなかった。


「私も噂でしか聞いたことないんです。でも試練に挑戦して天界に帰ってきた人はいないので、全くの嘘というわけでもないと思います(笑)」


「ふむ。仮に生きている者とコンタクトが取れるのだとしたら、私と同じようなものだな」


「どういうことですか?」


「おや、言ってなかったか? 私は1000年くらい生きているんだ。この先死ぬ予定もない」


「ふふっ、そうでしたね。一緒に彷徨いましょう(笑)」


 本当に1000年間生き続けているのか......


「ん? ならこの世界のことかなり詳しいんじゃないか?」


「ふむ。何が知りたいんだ?」


「ざっくりと歴史的な」


 町の名前も知らないのだ。正直、細かいことは期待できない。


「ふむ......またてきとーなだな」


「お願いします(笑)」


「ふむ。800年前は魔王が支配していた。以上だ」


「短っ!」


 ざっくりにも程がある。


「ふむ。あの時は、急に魔王がいなくなってな。誰かが倒したという話も聞いたことがない」


「1000年くらい生きていると色々あるんですね(笑)」


「ふむ。あの時はまだ若かったな」


 思い出話のスケールがおかしい。


「ふむ。魔王が去ってから800年経ったが、この世界は何も進歩しておらん。ここは退屈な世界だよ」


「あらあら(笑)」


「退屈な世界を永遠に彷徨うのは嫌だな」


「それなら死んだあと彷徨ってても楽しい世界に作り替えませんか?(笑)」


 エールの前向きなのか後ろ向きなのかよくわからない発言で今後の方向性が決まった。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


「停滞した世界か......」


「ふむ。退屈すぎてな......800年も魔法使ってたら極めてしまった」


 タマキの3大欲求を操る魔法。初めて聞いたときは性欲の部分がインパクト強すぎてネタ魔法かと思っていたが、領主の手下との戦いを見た後では笑えない。使い方次第で色々できそうだ。


「ヤスさんは、この世界が停滞してる原因ってわかりますか?(笑)」


「原因?」


「はい。停滞の原因を考えれば、私たちが今後何をすれば良いのかわかってきますよ(笑)」


 確かにそうかもしれない。


「うーん。教育か......?」


 この世界に学校があるのかは不明だ。


「ルン、文字ってどうやって覚えた?」


 窓の外に呼びかける。


「文字ですか? 地元の教会で教えてくれますよ」


「他にはどんなこと教えてくれるんだ?」


「教わるのは、読み書きと計算ですね。基本的に子供達は教会に通って勉強します」


 一応学校みたいなものがあり、最低限の教育は受けているみたいだ。


「教育も大事ですね(笑)」


 当たらずとも遠からずといったところか。

 他にもまだありそうだが......


「うーん?」


 よくわからなくなってきた。


「宗教とかどう思いますか?(笑)」


「天使がそれ言っちゃうの?」


「間違いを正解にしてしまいます(笑)」


「あー神様か」


 この世界の神様は女神だが、教会が崇めているのはお爺さんだ。間違いを正解にしてしまっている。


「そして教会に都合の悪いことは頑なに認めない。ヤスさんの世界でも同じですよ(笑)」


「ガリレオが捕まったり?」


「確かにガリレオが有名ですね(笑)」


 当時、教会の教えにそぐわない意見は潰されてしまう。


「ヤスさんの世界で医学が1000年以上停滞してたのも、教会の教えに合わない意見が潰されたせいです(笑)」


「1000年か......」


 今の状況と似ている気がする


「さっきから何の話をしているんですか?」


 窓の外からルンの声がする。ヤスの元いた世界の話など、さっぱりだろう。


「宗教は人をまとめる効果が絶大ですが、その権力故に悪い影響も大きいって話ですよ(笑)」


「はあ」


「考える力が衰えます(笑)」


「神様に祈るだけの人が増えて、教会にとって都合の悪いことを主張する人は数の暴力で消されるというわけね」


「ふむ。そういえば魔王が去ってしばらくは色々な主張をする者がいたが、最近は見かけないな」


「その結果が世界の停滞ですね(笑)」


「でも科学が発達していても宗教信じている人たくさんいたけど......それこそ学者とか経営者とかも」


「頭の良い人って敵を作らないんですよ(笑)」


「でも、神様を信じたところで何も解決しないことはわかってるんだよね? そんなの無駄じゃない?」


「そうですねー。ある集団と仲良くなりたいとして、その集団がとある神様を信じているとします。ヤスさんならどうしますか(笑)?」


 敵意がないことを伝えるには......


「その神様を信じていることを公言する......」


「そういうことです。経営者なんてもっと露骨ですよ(笑)」


「信じていると公言しておけば、それを信じている多数の人が勝手に仲間意識を持ってくれる......似たような商品だったなら、仲間の作った商品を買うというわけか......」


「宗教なんて頭の良い人が自分にとって都合が良いから利用しているだけですよ(笑)」


 天使が全力で宗教を否定している。


「上司に怒られないの?」


「信仰されてたらパワーアップするとかなら話は別ですが、実際は特に何もないですからね(笑)」


「......何でこんな話になったんだっけ?」


「社会が停滞しているって話ですよ(笑)」


 とりあえず、世界を楽しく作り替えるには宗教が障害になりそうということがわかった。


「ちなみに、この中に神様信じている人っているの?」


「信じられるのは自分のみです」


「ふむ。その通りだ」


「私もよ♥」


 何ともまあ、ブレない仲間たちだ。


「自分を持ってる人って素敵ですよね(笑)」


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


「今後の方向性なんだが......」


「世界征服でしたっけ?」


「ふむ。潰すか」


「楽しそうね♥」


「満場一致ですね(笑)」


 ただのテロリスト集団だった。


「エール、本当に良いのか? テロ活動は試練的にも天使的にも不味いんじゃないか?」


「天使のラッパに比べたら、テロなんて可愛いもんです(笑)」


「可愛いのか......?」


 いつの間にかエールの手にあるラッパは無視する。


「それで......世界征服ってどうやるんですか?」


「このラッパで――」


「それは無しで」


 世界が終わる。


「ふむ。国のトップを殺るのは簡単だが......」


「簡単なの!?」


 いや、タマキなら簡単か。


「急にトップがいなくなったら混乱しそうですね」


「そうだな」


「何言ってるんですか? そのための宗教ですよ(笑)」


「さっき散々ディスってたじゃないか」


「ふふっ、使えるものは使わないと損ですよ(笑)」


 こいつ本当に天使なのか? 初めて会ったあの空間ってもしかして......地獄?


「ヤスさーん。私は天使ですよー(笑)」


「やっぱ心読めるの?」


「ヤスさんがわかりやすいんですよ(笑)」


 釈然としない。


「今更ですけど、どこ向かいますか?」


 窓の外からルンの声がする。とりあえず今はアウルムの町からひたすら遠ざかっているが、そろそろ目的地を決めたい。


「この世界のこともっと詳しく知りたいので、王都に行きませんか?(笑)」


「でも俺たち指名手配犯だぞ」


 アリスの描いた似顔絵が町中に貼られている可能性があるので、王都に向かうのは危険な気がする。


「調べものするなら指名手配犯として認識される前の方が良いんじゃない?」


「私もカンナさんの意見に賛成です。行くなら早い方が良いと思います」


「ふむ。私たちが指名手配されているかの確認もしておきたいな」


「なら、カンナさんとタマキさんが先に王都に入って確認するのはどうでしょう?」


「あらルンちゃん、どうして私たちなの?」


「私とエールさんとヤスさんの3人が指名手配されている可能性が高いからです」


「ふむ。何故だ?」


「この3人でクエストを受けた経歴が残っているからですよ。まあ、あくまで可能性の話ですが......」


「それにもし全員指名手配されていたとしても、お2人なら脱出も簡単でしょうから(笑)」


「あら、信頼されてるのね♥」


「ふむ。そのようだな」


 行き先が王都に決まった。

お読みいただきありがとうございます。


1話に世界観、宗教、試練、目標、次の目的地などなどを詰め込んでしまいました。

読むの辛かったらすみません。


ご意見、ご感想頂けると嬉しいです。

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