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天使エールはいっっっっつも笑顔  作者: 夏木有紀
1章、生き残り編
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20話 エールの日課

今回はエール視点の話です。今までのエールの謎な行動が解き明かされます。

 

 皆さん、こんにちはエールです(笑)


「んーっ」


 天使の朝は早いんです。ヤスさん達より4時間くらい早く起きて出かけています。


「おはようエールちゃん」


「おはようございます。今日もいい天気ですねー(笑)」


 私は毎朝、町に行くことが日課になっています。朝早くからお店の開店準備をしている人たちも多く、町は活気に溢れています。


「エールちゃん! よかったらこれ持ってって」


「ありがとうございます(笑)」


 皆さんとても親切で、よく私に食べ物を分けてくれます。

 頂いた食べ物を持って毎朝教会に行くのも日課です。


「おはようございます(笑)」


 この町の神父さんは信仰する神様を間違えてしまうような駄目な方ですが、しっかりと機能している支部が1つだけあります。


「あ、エールさん。今日もありがとうございます」


 この教会はネネさんという若いシスターが切り盛りをしていて、たくさんの子供達が暮らしています。


「エールお姉ちゃーん」

「エールちゃんだー」


「おはようございます(笑)」


 子供達はみんなとても良い子です。

 私はネネさんと一緒に子供たちの朝食の用意をしたり、外のお掃除をしたりしています。

 この教会は町の外れにあり、町の教会本部からの支援金がほとんどないらしいです。必要なところにお金が回らないのは世知辛いですね。


「これ使ってください(笑)」


 この教会の役に立てればと思い、町の皆さんから頂いた食料や私の分のクエスト報酬は寄付しています。少ないですが、おかずを1品増やすくらいはできると思います。


「本当にいつもありがとうございます。エールさんに神様の祝福がありますように」


 ネネさんは良い人ですが、やはり町の神父さんと同じように神様を間違えています。誰が私を祝福してくれるのでしょうか? 楽しみです。


「エールさんが来てくれるようになってから近所の皆さんが、余分な食材とかを寄付してくれるようになってくたので、子供達のお腹を我慢させることがなくなりました」


 最近はこの教会に協力してくれる人も増えたようです。

 私が外の掃除をしている間にも何名か寄付しに来てくれました。


「おはようエールちゃん。旦那は元気かい? こんなに良い子が頑張っているのに甲斐性がない奴だな」


「おはようございます。ヤスさんは、ああ見えて甲斐性の塊なんですよ(笑)」


 ヤスさんはクエストの報酬を等分にしてくれます。今までは何故か宿代も払ってくれていました。貯金ができないのも当然です。当然私も払うべきなのに何も言ってきません。


 ヤスさんには本物の神様から祝福があるように、私が祈っておいてあげましょう。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


 教会を後にして町を出ようとした時です。


「エールちゃん、よかったらこれ持ってって」


「あ、ありがとうございます(笑)」


 花屋のおじさんが果物の木をたくさんくれました。

 どうしましょう。こんなに運べません。


「エールちゃん、おはよう! 今日は1人なのか?」


 どうしようかと思っていたらケインさん達が声を掛けてきました。


「皆さん、おはようございます。ヤスさん達はまだ寝てると思いますよ(笑)」


「最近見かけないけど、どこで寝てるんだ?」


「町の外に洞窟があって、宿代の節約のためにそこに住んでるんですよ(笑)」


「町の外って危なくないか? アンデッドとか......」


「ふふっ、結構大丈夫ですよ(笑)」


「そっか、俺たちも金無くなったら最終手段で考えとくかな」


 たぶん、ケインさん達は生き残れません。後で聖水を分けてあげようと思います......ちょうど良いですね。


「それでですね、今から洞窟に帰るのですが、先ほど花屋のおじさんから頂いたものが重くて......手伝っていただけませんか?(笑)」


「結構あるな......」


 以前一緒にクエストを受けた時、私が一切荷車を押さなかったのを思い出しているのでしょう。まあ、無理もありません。


「アンデッドによく効く聖水を差し上げますのでお願いします(笑)」


 私が笑顔で迫れば聖水をあげなくても引き受けてくれそうですが、本当に外で暮らそうとした時のために渡しておきましょう。


「まあ、俺たちも町の外に用事あるから、ついでに運んでやるよ。ここにいるってことは、この先の門から出るんだろ?」


「ありがとうございます(笑)」


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


 荷車を引きつつ洞窟に向かう。それにしても植木の数が多い。

 さすがの私も手伝った方が良さそうです。


「教会で仕事終えて来たんでしょ? 休んでて良いよ」


 皆さん優しいですね。


「ありがとうございます。皆さんに良いことがありますように(笑)」


 天使のおまじないをするとみんな笑顔になってくれます。

 ではお言葉に甘えて寝るとします。


「着いたよー」


 サイトさんが洞窟の近くで起こしてくれました。


「お茶でもいかがですか?(笑)」


「時間が押してるからな......また今度頂くよ」


「それじゃーまたねー」


「ありがとうございます(笑)」


 現在はおそらく午前9時。そろそろ洞窟の皆さんが起きる頃です。

 便利さのかけらもない洞窟ですが、私は割と気に入っています。


「でも、お風呂が欲しいですね(笑)」


 水はどうしましょう。うーん......きっとヤスさんが何とかしてくれますね。


 とりあえず、皆さんを起こして朝食を取りましょう。


「ヤスさーん、朝ですよー(笑)」


「ん......おはよう」


 最近は私が声を掛ける前に起きている事も多いですが、今日は寝坊助さんなようです。


「ルンちゃんも起きてくださーい(笑)」


「うん......」


「タマキさーん、朝ですよー(笑)」


「んむ。あと8時間......」


 寝すぎです。寝る子は育つと言いますが、このスタイルは睡眠で手に入れたのでしょうか?


「ご飯準備するので、ちゃんと起きてくださいねー(笑)」


 準備といっても昨日の夕飯の残りと教会で作ったご飯を並べるだけなので、大した手間はありません。うーん......お茶でも入れましょうかね。


「エールさん。いつもありがとうございます」


 ルンちゃんは朝が弱いみたいなので、朝食は私の係になりました。

 皆さん揃ったので頂きましょう。


「いただきます(笑)」


 生活リズムは大切です。なるべく決まった時間に起きて、決まった時間に食事を摂ることで、身体がその時間には受け入れる準備を整えてくれるようになります。なので、エネルギーの吸収効率が良いんです。


「今日の予定はどうしますか?(笑)」


「そうだな......いつも通りかな」


「わかりました。ではお昼を食べてから町へ行きましょう(笑)」


 最近はほとんどお金も掛からないので、クエストを選り好みできるようになりました。お昼に町へ行き、良いクエストがあれば受けています。


「ご馳走様でした」


「お粗末様です(笑)」


 食事の後は、お昼まで時間があるので頂いた木を植えることにしました。自然に囲まれて生活するのは気持ち良いです。果物や野菜だと、収穫も出来るので一石二鳥です。


「花ももっと増やしたいですね(笑)」


 食べられませんけど、お花があると気持ちが華やかになります。香りも良いですしね。


「エール。昼ご飯できたぞー」


 ヤスさんが呼びに来ました。いつの間にかお昼になっていたようです。


「どうかした?」


「いえ、ヤスさんの顔色がいいなと思って(笑)」


「そうか? まあ確かに最近調子いいな。頭痛とかもないし」


 前の世界で亡くなられた時、ヤスさんの心身はボロボロでした。なので、この世界に来てからは健康的な生活を送るように導いています。身体や精神はだいぶ良くなっているようですが、日本にいた時に負った心の傷が完全に癒えるのはもう少し先でしょう。


「ふふっ良い事じゃないですか(笑)」


 私の我が儘に付き合ってくれたヤスさんへのせめてもの恩返しです。試練も大切ですが、ヤスさんには楽しく過ごして欲しいなと思っています。


 私が心身ともに癒してあげます......ヤスさんには内緒ですけどね(笑)


お読み頂きありがとうございます。


この小説のメインテーマは「ギャグ」と「癒し」です。そして、それと並行して健康的な生活についても書いていました。

現代社会では、漠然とした不安を抱えて塞ぎ込んでいる人も多く、そのような人を下手に慰めても反感を買うのでお勧めしません。それこそ、異世界に行くような劇的な環境変化に加えて、しっかりとしたサポートをする必要があります。


今までのエールの行動は基本的にヤスの心身をケアするものでした。

・先のことを考えすぎないように目の前の問題に集中させたり

・前向きな姿勢を見せたり

・笑顔で接したり

・マッサージで身体のケアをしたり

・自然に触れたり

・信頼を言葉にして伝えたり

他にも運動、食事、睡眠など挙げていけばキリがないです。


精神的に辛い人が少しでも楽になるきっかけになれれば嬉しいなと思い、この小説を書き始めました。私自身も楽しく書けているので、始めて良かったと思っています。


これからもよろしくお願いします。


......次回はサービス回です。サービスシーンって表現するの難しいですね。


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