表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/54

第一話

副島健人視点 です。

俺は夢を見ていた。


ぼんやりとしか見えないが、2人の人が向かい合っている。

なんだろう。何の話をしているんだろう。ここはどこなんだろう。

気になった俺は知らず知らずのうちに、その2人に近づいていた。

近くに行ってわかったことは、その2人が男女だということだ。

それ以外はなぜか視界がぼんやりしていてよく分からない。

男の口が動いているのがギリギリわかるが、何を話しているのか…

女の表情さえ、ぼんやりしててよく見えない。

何が起こっているのか。

気になって一歩を踏み出そうとしたとき、急に視界が明るくなった。


俺は夢を見た。






「ケン!起きて!」

微かに聞こえる、俺を呼ぶ声。

俺ははっきりしない意識の中、本能的に掛け布団にもぐろうとした。

が、それは許されなかった。


バサァッ


俺がもぐろうとしていた掛け布団が勢いよくめくられる。

太陽の光と、春の朝方の寒さを感じる。

「ん、ん〜っ、頼むから寝かせてくれ…」

「ダメに決まってるでしょ!」

俺がつぶやいた瞬間に聞こえるはずの無い声が聞こえてきた。

だって、当たり前だけど、あいつは俺んちに住んではいないんだから。

渋々目を開けると、あいつの顔が目の前にあった。

「…おはよぅ…」

「おはようとか悠長なこと言ってる場合じゃないの!ほら、あと20分で朝礼始まるわよ!」

その言葉を聴いた瞬間、俺の目が覚めた。

「マジかよっ!ヤベ、遅れちまう!」

「ほら、さっさと着替える!私は下で待ってるから早くしなさいよ!」

「言われなくても分かってるって!」

あいつは俺にフフッと微笑み、部屋を出て行った。


一瞬、あいつの笑顔に見とれた。


何やってんだ俺、と思いながら急いで制服に着替え、財布などをかばんにしまう。

鏡を見て寝癖を乱雑に直し、階段を下りてあいつが待つリビングへと行く。

今日の朝も、いつもと変わらない。俺はそう思いながら階段を下りた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ