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KISSは拳に  作者: 純一郎
1/12

KISSは拳に①

 ゴングが鳴ると同時に助走からの飛び膝が炸裂した。

 三沢はキッチリと脇を締めたアームガードでデイフェンスしたが、すぐにパンチのラッシュが降り注がれた。

 フック、ボディ、アッパー。どれもスピードがあり的確な打撃だが、軽い。岩の様な筋肉で身体を守りながら、三沢の眼はその時を待つ。

 相手はデビューしてから5戦連続で1ラウンドノックアウト勝利を収めてきた活きのいい新人選手だ。飛ぶ鳥を落とす勢いと若さ。そして強気な性格。興奮で見開かれた瞳は獣のようだった。

 しかし、三沢は相手の弱点をすでに理解していた。「スタミナ」だ。ゴングと同時のラッシュで全ての試合を終わらせてきたという事は、おそらく三分を超えた展開を考えてはいないだろう。三沢はガードを崩さずに攻撃を受け続けた。無酸素での打撃には必ず限界がある。息が上がったその瞬間に勝機がある。

 ラッシュの勢いに押されてコーナーを背にした。その刹那、大振りのフックが視界の外から弧を描いて飛んできた。しかしそれも想定内。幾度もトレーナーと相手の得意のフックのタイミングはシュミレーションしてあった。

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