表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
殺人の暗示  作者: 小林健吾
1/1

プロローグ

恐らく真夜中、2時か3時か。

恐怖におびえ、逃げ惑う女。20代ぐらいか。

なぜか、俺はその女を必死に追い掛けている。

手には大型のナイフを握っている。

場所は、廃墟のビルのようなところか。当然、俺と女以外誰もいない。

そして、俺はその女のことを知らない。

そろそろ追いつく。

髪を掴み、引きずり倒し、馬乗りになる。

左手で首を締め、苦しそうにバタバタと手足を動かす女を見下ろしている。

絞め殺さない程度に。

女の動きが弱まってきた。

そして、右手に持っているナイフを、女の心臓めがけて振り下ろす。


そっと、目が覚めた。

また、あの夢だ。

ここ最近、1か月か2週間おきぐらいに、この夢を見る。

今日で、5回目だろうか。いや、今日で6回だ。

いつも、違う知らない女。

そして、その夢から覚めると、激しい頭痛に襲われる。

のそのそとベッドから起き上がり、シャワーに向かう。

激しい頭痛のせいか、とてつもない倦怠感にも襲われる。

熱いシャワーを頭から浴びながら、夢の割にはリアル過ぎると思った。

しかも、その夢のリアル感は、回数を増して強くなっている。

最初の2回目ぐらいまでは、嫌な夢だなって思っていただけだったが、

ここ最近は、夢なのか現実なのか分からなくなるぐらいにリアル過ぎる。

まさか、本当に殺してしまっているのではないかと思ってしまうほど。

だが、当然ながら、俺は殺していない。

凶器もないし、そもそも女を殺す動機がない。

シャワーから出て時計を見る。

7時45分。

会社に向かうまでには、まだ余裕がある。

冷蔵庫から水を出して、口に運びながら、テレビを付けた。

いつもと変わらぬ、女子アナウンサーがニュースを読んでいた。

髪の毛をタオルで乾かしながら、水を飲もうとした。

その時、女子アナウンサーが、連続殺人のニュースを読んでいた。

またか。

これで6人目。

20代の女性が、次々と殺され、遺体で発見。

ナイフで心臓を一突きされ、ほぼ即死状態で見つかる。

犯人は今だ捕まっておらず、容疑者すらも絞り込めていないらしい。

6人に共通点はなく、物取りでも、暴行目的でもないようだ。

ただの通り魔。だたの快楽殺人。

コメンテーターが色々なことを言っている。

やっぱりだ。

そして、この夢を見た次の日の朝に、必ずこの連続殺人のニュースが流れる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ