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ツール

「質問があるんですが」


 玄関の掃除終えて居間に入り哲。


「どうぞ。でもそこの乾燥機掃除しながらだよ」


 ・・・今日は買い物以外掃除ばっかだ。


「一流大学出身者を特技のない同年代の高卒が実社会で抜けますか?」

 わだかまりをぶつけてみる。どうしても深刻な表情になる。


「どんな土俵に上がったのか知らないけど、抜いた抜かれたなんて勝ち負けにこだわらず自分がハッピーだったらいいんじゃない?そりゃあ白黒つけなきゃの場面も人生あるけどさ。その時はその時に」


 この適当っぽい返答にどうリアクションすればいいんだ・・・少しイラッとする。

「そんな簡単に割り切れないです!」


「じゃあ別のツール持てば?学歴は社会で強力なツールだけどあくまでもツール。RPGで例えるなら伝説の剣。でもそれを手に入れることが目的じゃない。大魔王を倒すのが目的。伝説の剣無くても槍、斧、弓、はたまた魔法や不思議なおどりで最終ステージクリアすりゃOK。実社会ではツールは無限。増やし放題です」


 さっきよりはましなアドバイスだが軽いなあ。


「どうやって自分のツール増やすのですか?」


「ポピュラーなのは資格。お勧めはさっき話したお金、人、健康。この三つはある意味ツール。すべて充実したら他人の学歴なんてあなたの前では色あせるよ。むしろどうでもよくなる。」


 おお!迷える子羊導いてくれた。なかなかのもんだ。

 あれなんかすげー爽快な気分。スッキリだ。


「みんながそうすればみんな幸せになれますね」

<人類が平和でありますように>と書かれた紙がなぜか頭に浮かぶ。


 ゆうさんなんか思案顔。


「日本の就業者で年収2千万円超えてる人1%もいないんだ。言い換えればお金が充実してない人が大多数。その理由を簡潔に答えてください。考える時間は1分。もちろん掃除しながら」


 久しぶりのクイズ・・・こんなのわかるはずない。


 1分経ってゆうさんはき捨てる様に・・・。


 「そうなる生き方をしてないからだよ」


 

 

次回へ

もうひとつの作品に注力するので暫く休みます。

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