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四天王との邂逅

――迷宮山


「…零。 まだつかないのかしら?」


「……ええ、申し訳ありません。どうやら加護を受けない場所の様です。」


「零の加護がない……絶望的じゃない。」


「その通りです、お嬢様。」


「はぁ…どうするのよ。二人で来たのも貴方の加護が効くと思っての事よ。…これならまだ捜索隊と合流して探した方がいいかしら。」


話ながら歩いているのは零と呼ばれる水色の瞳に深緑の髪を持ち白と黒の着物を着ている20歳前後の青年に、朝焼け色の瞳に白銀の髪を持ち白い巫女装束を着ている10代前後の少女。


少女は飽きているのか退屈そうに、青年は微笑を浮かべながら少女の話を聞いている。


「…打ち切るわよ、零。」


「仰せのままに、お嬢様。」


帰ろうと元来た道に戻ろうとするも、見えない何かが二人が戻る事を拒んでいる。


「……零。」


「何でしょうか。」


「通れないのは私の思い違いかしら?」


「いえ、僭越ながら私もそう思います。」


魔眼を持つ者には難なく破壊できる天高く聳え立つ透明な壁が二人を囲み、一筋の道以外に張り巡らされていた。


「…これは来いということかしら?」


「行ってみましょう、お嬢様。」


「…そうね。」


二人はその道を進んで行った。

実咲は楽しそうに零は何かを思い浮かべながら。



そんな二人を見ている一つの影。


「…これで転生者と四天王が出会う。…さてどうなることやら。'残酷'と'冷徹'…その名の通りの破壊の限りを尽くしてくれ…我が子孫よ。」


――――――――――――――――――――――――――――――――――


その頃の御門は…


「ねぇー、クロ。」


「…何でしょうか。」


「暇だから遊ぼー?」


遊び相手を探していた。


「…残念ですが、俺は姫の遊び相手ではありません。」


そう言い、屋根裏からクロと呼ばれる男が宙で一回転し、足音を立てずに降り来てきた。

男は白の髪に所々に黒のメッシュが入り、藍色の瞳をしており黒い忍装束を着ていた。

左耳の緋紫のピアスには何かの封印痕が見れた。

そしてまだ少年とも取れる見た目に白い陶磁器のような肌。

格好が別の物だったら美少年とも取れる少年。

本人に言うと怒りそうだが。

そして、足音を立てればそれは忍とは云えないだろう。


「なら遊び相手になろーよ。」


「…姫の父上からは監視と護衛の任しか請け負っていません。」


「ちぇー。つまんないのー。だったらまた……」


「抜け出しても意味ないですよ。それに今は侵入者が」


「え、侵入者!? ここまで来てくれるかな?」


「…どうでしょうか。来れたとしても俺を倒してからじゃないと姫と殺し合えませんが。」


「二人とも怖いねぇ。侵入者と書いて遊び相手と読み、殺し合いと書き遊ぶと読む…どうかしてるのかな?」


そんな言葉を発しながら、入ってきた男。

男は黒い髪に所々に白のメッシュが入り、緋紫(あかむらさき)の瞳をしており、白い忍装束を着ていた。

右耳の藍色のピアスには白髪の少年の左耳のピアスにある封印痕と対になっているものだった。

そして、二人の容姿は色か違う事を除けば瓜二つであった。


ここまで云えば分かるだろう。

二人は双子だ。

身長は僅かにシロの方が高かったが…


「なら無理かぁ……暇だなぁ。あ、シロ。いつ戻ってきたの?」


「ついさっきね。」


「そういうことです。…なので暗鬼(あんき)をお仕舞いください。」


「はーい。」


いつの間にか御門の下に赤い魔方陣が浮かび上がり妖しい光を放ち、刀や毒が浮かび上がりそれらは全て黒い光を放っていた。


「…それよりもクロ。」


「何だ、シロ。」


「お前はいつも硬いねぇ。もっと柔軟に肩の力を抜いた方がいいと思うよ?」


「…甲斐性なしのお前に言われたくないが。」


「それは酷いなぁ。僕はそこまでじゃないよ?光希(こうき)(りょう)の方が重症だと思うけどな。」


「…光希のアレは病だ。凌は…憑神(つきがみ)に問題がありすぎるから仕方ない。」


そういい、双子の言い争いとは及ばない何かが始まった。

この二人の口喧嘩中に口を挟めるのは殆んどいない。

今回は…どうだろうか。


「じゃあ、僕は?」


「お前は…そういう性格なんじゃないか?」


「…ねぇ、さっきから思ってたんだけどさ」


「何かな、御門。」

「何でしょうか、姫。」


黒と白の双子は同時に振り返る。


「…光希と凌って誰?」


「光希は洸家(こうけ)の嫡男であり光剣の鞘です。」


「凌は憑神の中でも最上位の一つの神に憑かれてるんだ。

…何であんなのが憑かれてるんだろうねぇ?」


「ふーん……」


「それでね、クロ。」


「何だ、シロ。」


「そろそろチチウエ達が帰ってこいだってさ。」


「…第二の転生でも始まったか?」


「さぁ、詳しいことは知らないけど」


「…シロ、構えろ。」


「漸く100㎞圏内に入ってきたかな?」


そういいクロは白い刀をシロは黒い槍を亜空間から取り出し、構える。

そしてシロは御門の近くへ、クロは部屋の中央に行き魔方陣を描いている。


「姫、一応結界の中入っててくれるかな?」


「えー、私も戦いたいー!」


「我が儘言わない。姫に傷一つつければ僕達、首だからね。」


「……分かった。今回は我慢する。」


「偉い、偉い。」


「シロ、出来たぞ。」


「りょーかい、クロ。さ、姫。」


「…はーい。」


部屋の中央には床に黄色、上に蒼色、人が一人通れる程の道以外に緑の魔方陣が浮かんでおり、御門が魔方陣に入ると同時に道が閉ざされ、中からは視界を隔てる物は無いが外からは敵意がある者は魔方陣やその中にいる御門が見えない様になっている。


因みに黄色は…

魔方陣についてはまた今度話そう。


「あ、速いね。」


「…確かに。………楽しめそうだ。」


二人の目の前には侵入者の姿が写し出されているスクリーンがあり、それを見ながら会話していた。

因みにこのスクリーンは特定の人物しか視れない神仕様。


「アレ、僕の耳がおかしくなったのかな?なんか、クロから楽しめそうとか聞こえてきたんだけど…」


「元々おかしいだろ。」


「酷いね、クロ。」


そんな事を言いながら、境内の結界が壊される。


「…さぁ、来るよ。」



「……着きましたよ、お嬢様。」


「…そう。……随分警戒されてるわね。」


「それもそうでしょう。霧界には四天王は知られていないでしょうから。」


そんな事を言いながら現れたのは少女と青年。

少女は実咲、青年は零と呼ばれていた者であった。

さて……これからどうなることやら。

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