邪神が転生に至るまで
続けて投稿できるよう、頑張ります。
それはまだ神話に出てくる時代
世界は今のように別れてなく、世界は荒れていた。
元を正せば勘違いから始まった事だろう。
だが、気づく者はいない……ある者達をいれなければ。
その者…いや神と云った方がいいだろう。
その神の真の名を知る者はいない。
何故発生し何故その様な行為に走ったのかも分からない。
その様な行為とは…無差別消去
総てを無差別に世界から消していく残虐な行為。
ただ解るのは一つのみ
その神は……元はそうしなければ生きていけない。
最も今になれば只、暇潰しの為に行っているのだろう。
理由などはさておき、その神…邪神は自らの城の一つに世界最高権威である四人を招待した。
大天使・ミレラル
精霊王・アレクセイ
全知全能の神・ゼラン
世界の創造神・アルファード
どの者も当初は邪神を抹殺できたであろうが、今では誰もできない。
もはや、四人が協力して傷一つつけれればいい方だろう。
そして大切なことが一つ。
世界の誰もが"邪神が世界を荒らした"と思っている事。
それは世界最高権威である四人も例外ではない。
四人が集まりそれぞれ思う事がある中、
「暇だから転生することにした。 」
と空気を壊すように邪神は言葉を発した。
四人は「何だコイツ、正気か?」と思ったことだろう。
それを察したのか「俺は正気だが、お前らもそろそろ平和が欲しいだろう?」と話す。
その言葉を聞き、
「お前が正気なわけないだろ? 一体何人殺してきたと思ってる。 暇だから転生する? ふざけるな!この世の全ての者に謝罪しろ!」
とアルファードが怒りながら言う。
それに対し
「…いいじゃないですか。この者は昔からそうだったでしょう……」
とミレラルが呆れながらどこか哀しそうに哀愁の表情を浮かべ話す。
「…ならば何も言わずに転生した方が良かったか。」
邪神はそう言うが
「ふざけんな! 謝罪しろ!」
とずっと言っているアルファード。
勘に堪えたのか、
「謝罪…な。 ならば誰に詫びれば良い? 数は? そもそも対面したときに逝くような人間や下級天使ではあるまい?」
「全部だ。この世の全てに謝罪しろ そして二度とやらないと誓え!」
「…誓うのは簡単だが……いいのか? その様な些細な事で。」
「些細な事じゃねぇ! お前は…一体幾つの神を殺してきたと思っている!?」
「…そうか。 お前はただ、周りの神々が消えたから言っているのではないか。 何とも愚かな…」
「…はっ!?」
「お前は消えたのが人類だったら何も言わないだろう…多分な」
「…それは……っ!」
「アルファード、そこまでだ」
ゼランは赤い液体の入った注射針をアルファードの首筋に打ち込み気絶させ、邪神に向き直る。
「邪神、どうかこの辺にしておいてくれ。我らも戸惑っている」
「そうよ。勝手に現れて勝手に消えるなんて…寂しいわ」
そう、アレクセイが続ける。
「そうか…お前に寂しいという感情があるとはな」
「いくら私でもそれくらいありますわ…精霊は感情が豊かだということをご存知では?」
「…アランは感情がほぼなかったが」
「先代……アランミクリ様は……例外ですわ」
「…例外、な それでお前たちはどう思っている?」
何かを思い出したかのように遠い目をするがそれに悟られまいと話を変えた。
もっとも…付き合いの長い三人は分かっていたようだが。
「別に構わない。 邪神が行うことに我らが意見出来ない」
「私は…魔族との境界線を作り互いに干渉しなければ…問題ありません。」
「私は……アサギを帰して欲しいわ。あの子はこの世界の住人ではないもの……私用で召喚した以上責任を以て帰すべきだと思うわ」
「…ミレラル。アサギは帰る気はないらしいが」
「……そう。なら貴方の方で死ぬまで普通に生活できるようにしておいて。アサギが不憫な目にあってたら……反乱を起こすわよ?」
「言っておこう。 アルファードは…何でもいいか。 適当に宝物庫から気に入ったのがあれば渡しておいてくれ。 ジーンに伝えておく」
「了解した。 しかと伝えよう。」
要件は終わったようだ。
だがここからが本番と言っても差し支えないだろう。
邪神は右手を上に掲げ
「空よ、天使と魔族、人類、精霊、神を隔てる壁となれ。」
その途端、空が迫り種族を隔てる壁…即ち天界、魔界、人間界、精霊界、神界へと別けられた。
「これで良いか。ミレラル」
「…ええ。私の用な願いを聞き入れ有難うございます。」
「邪神よ、一つ質問だ」
「何だ?」
そう言いながら魔法陣を描いていた。
その魔法陣は邪神でもすぐに造り出せる規模の物ではなく、少しずつ魔力を入れていた。
…その魔力が三人にとって少しなのかは不明だが。
「何年後に転生するつもりだ?」
「…そうだな……五千年後くらいが妥当だろう。」
魔法陣は完成に向かい、白い光を放っている。
「了解した。邪神、次の生は楽しめるよう、応援している」
「私も…伝わるかは分かりませんが子孫代々伝えさせてもらいます」
「…アサギを頼みますわ」
「…ああ …次の世界が楽しめるよう……努力するとしよう」
そう言い残し邪神は消えていった。
五千年後を目指して