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片倉トーリの日常なる非日常  作者: 十ノ口八幸
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不条理と条理の日常〜少年〜終ー堕永底〜

二人は転送された先の適当な場所に落とされていた。悪意も善意もその間もなく寂れすぎた地面へと時間差で転送され。方や困惑。方や冷静な判断が二分したのだろう。

関係ないけど。

片方は混乱か片方は冷静か。

もし二分したなら二人は歩く方向が違っていた。

しかし二人は再開して再会した。

その荒れ果て何も生まない終わりさえ生まれない地。

恒久にして永久なる廃棄された空間。

滅亡しかない一方的な空間。

生み出す事しかない強制される空間。

それは忘れ去られた無情な無慈悲を生きる無価値な無秩序。

矛盾する無軌道であり無謀と無法を混ぜ合わせて無から始まり無心を貫いても無形としか成り得ない。

言葉が氾濫して嵌まらない異例なる異土地。

反する存在であり孤立のままに生まれて消えてを繰り返す。

故に。

そう世界から嵌め落とされ隔離されて落ちて汚されて希望を持ったとして上昇しても下降して永遠に出られず其処に至るしか無いと言えない至ることさえも無い。

何時かの時点にて隔絶された空間。

誰もが知って。即ち誰もが知らない知り得ない。

認識出来たとしてもそれは認識しえない場所。

だからこそ彼の空間へと転送された。

そんな二人は好奇心と慎重で再会。

だが同時に攻撃仕合、負傷して認識が誤っていたと理解して痛みで其々が真に認識して折れた腕と肋骨。

動く事が出来ない痛み。苦悶しかない。

これは失敗した。と二人は同時に考えたが、一切が終わってしまった後で後悔しても遅い。

先を考えて骨折部分を補強して一息いれていた。

倒れていた二人は前兆もなく勢いで上体を起こした。

不可解に痛みはなく、骨折が完治していた。

目を合わせる二人。

頷いて立ち上がり背を向けて構えた。

直後に笑いと拍手喝采。しかし存在はない。

善意渦巻き悪意を喰らう。

誤認しても認識する。

意識して無意識の中でも理解した。 

ぁあ全部があの存在の筋書き通りなんだと。

二人は恐怖と憐れみと悲嘆に怒りを串刺しにして力を発露させた。


現れたのは想定外。

それは禍々しく悍ましい凶乱の根源。

古代より更に古い忘れかけし存在。

それが目の前に。

歯を食いしばり一発を問答無用で放ったが霧散して戻った。

しかし続けて打ち払っていく。

手に溜めた力は次第に細く靱やかに伸びて視界全てを覆い尽くして霧散させていく。

一方は足に溜めた力を爆発させて体当たりを続けていくと霧散して戻る時間が次第に無くなっていく。

距離が僅かに離れていたが同時に大きく口を開いて一気に閉じて歯ぎしりし二人は接近して背中合わせで足に力を溜める。

強い力で地面を蹴って攻撃したが霧散するだけでも二人は続けて攻撃していく。


時間が経っても続けている二人の周りにはなく、一定の距離に霧散していた何かが揺れながら集まる。

誰かは愚策と嘲笑するだろう。

霧散していたという事はそれは一つが小さく限りなく軽い存在であるがゆえ。攻撃が当たりきる前に流れに押され飛び散るという結果をもたらしていた。

しかし個という物理的に大きな的と成れば話が別だ。

でも、それは同等か少し上である。という前提が横たわる。

二人が構えを崩さず見ている。

其々の前に遥かに大きな絶望と絶叫が現れた。


「これは。ホントに。」

「試練というなら。」

無茶振りだ。と二人は同時に口にして飛び退いた。

絶望が二人の居た場所に何かを放っていた。

すると布のように地面は解け黒い塊が出来上がった。

二人は相反する反応を示した。

全身を走る感覚に対して。

一人は喜びを。

一人は悲しみと怒りを。

その反応に二人は同時に呆れと憐憫と。

最後に示して持っていた宝石を絶望に投げつけた。


絶望に触れた2つの宝石は2色の光を拡散させて消化した。


眩い光に直視と遮り。

何が起こるのか。

しかし絶望をやり過ごしただけに過ぎす。絶叫が残されていた。

手の内はすべて無くなった。

だから二人は消えた絶望を振り払うように何かに祈った。

すると何処からか笑いが響き絶叫ご消えていった。

安堵する二人。


はぁ正直なぁ。少しは捻り切ってくれたなら面白かったのに。結局最後には他力で終わらせるならカスにも劣ると思うのよ。

お、誰とか言われても困る。さてさて。ご苦労さん。てか遣ってしまったかな。最も古く残っていた元凶に触れて排除した。もう最終手段五つ手前だからとは言えだ。これは世界の強制力とやらの無せる技かねぇ。戻らず戻れず最後は自身の夢からかけ離れた最後とは、これもまあ面白くもない。

それじゃあ貸した物を返してな。

ん。力が欲しいから返す気はない。そういう返答で良いのか。そうか。面白く残念で。そして浅ましいな。だから他力に慣れて目の前の大きな力に呑まれている。その結果が何を意味するのかを考えているか。貸しは何れ返す。それがどんな場面で在ってもだ。だから。今は返さなくて良いぞ。

返す時には返してもらう。それだけだ。

その選択で本当の意味での絶望に呑まれないと良いよな。

なら納得したなら速く失せろ。か。ふふ。失せても良いけど、お前達はどうやって帰るのだ。

いや、世界から隔離されている場所というか空間だからな言っておくと、出入り口なんかはない。

用意してもない。

で、どうする。

この場所に留まってると一緒に消えるぞ。


慌てふためく二人を笑いながら咲く花の様な言葉以外の音が二人に聞こえてきた。

だから馬鹿馬鹿しくなり逆に冷静になって行動した。


結果的に二人は苦労して元の世界へと帰還できた。

少し欠けているが。見ただけではわからないだろうし敏感でも直感でも認識出来ないだろう。

そう細工している。

記憶は直前まで在ったが欠落している部分がある。

生活に支障はないだろう。

押し寄せる疲労を背負いなから二人は帰路に着こうとしていた。

実際に二人は覚えていたが表層認識的には()()出来事に対して忘却していた。

これは一種の防衛機能なのだろうか。

見える範囲で無傷であるから気にはしないが一方は認識していた。忘却という機能という機構を破壊。ちがう。それへ消去というより消滅に近いだろうか。してあの存在と脱出するまでの全てを記憶していた。

それを表に出さず気遣いながら歩いていくその背には、抜け出す事のない永劫に堕ちていく存在が見え隠れしていた。



そのものは笑っていた。頬に流れる水物が流れ続けている事も気にしないで。

笑いが負に対してか正に対してか誰も理解的にないだろうが流していた水物を拭わずに笑っていた。

「なあ。それは無意味だろうて知ってるよな。知っていてするなら干渉しないけど。思い通りに動くと思うなよ。なぁあ。」

いやいや。これは誰かに何かに対する報告だと思ってくれて構わないが。嫌かね。

「正直、恥ずいだろうが。」

そうかい。それは残念なことだ。では消えようかね。

「そうして貰って欲しいな。本気で。」

しかしだね。最初に言われたろう。

ぁあっ。

している事は無意味に近く。

そして一つの事柄を加速させている事を。

「はっ。全く持って論してる事程に甚だしい。今さらだ。」

そうか変えないのかね。なれば見届けよう。行き着く先の果てを。

そしてその先を。

「はっ勝手にしろよ。別に構わないが。邪魔するなら手を尽くして滅ぼす。」

はは怖いねぇ。

「それと言わせてもらうと。」

何かな。

「そんな悠長でいて大丈夫か。」

ん。何が言いたいのかな。

「時間はソチラの感覚であるかなと。」

ん。くあっそうなっているか急過ぎるわっ。

「察するのは良いのだが、知らないまだかり。ちがう間違えた。蟠りも消すか解くか和するか。選択は沢山だ。さあ何を。選ぶかプロフハッ。堕ちるか落ちるか終えるか終えて果てるのか抗って命を潰すか。見ていて誰かは楽しいだろうな。」

きさっまぁ。

「」さてこれまでの対価を払う時は防衛しようと妨害しようと防戦しようと覆るなんて思うなよ。「」

「おと漏れたは。」

ぐぬぬぬっうう。覚えておれよ。

「うんうんうん。覚えられてたら良いな。」

ぐうっ。おの、れえぇ。

「行ったか。全く無駄な事を平気で仕草って問題が起きても放置するくせに。事此処に至って今更過ぎるな。」


「消えて無くなり重し面白く。はてさて突き詰める後に残る感情は何か。それすらも供物として歩いていくとするか。さぁあ次を実行しようか。果てない鬼畜の所業を握り潰えて尚も残り続けたいと思うのかな。くだらない。品性もない。あるのは執着だけと認識できない愚かに堕ちた存在。笑いすらも引く。既に答えは最後の一手間。いや一歩という方が正確かもな。でそれで手に入るというのに。何を足掻いて藻掻き苦しんて。形振り構わず進んだ先に残るものなんてのは何もないというに。千と万を超えても残り続けたいのか。ではではみようか見て満たして見出し溺れ思われ壊して請われ乞われ事を個としてこれで終わるとして潰されるなよ。」

溶けて解けて融けて遠くを思い想われ重きおもうは。何が楽しいのかね。

白状して薄情であり。全ての機会なく奇怪な面倒を掛けられて。

無用な無謀を無意味に進んだ先に何があるのか。


さあ次だ。

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