それは際限なく
これがあれば救われる
万事うまくいく
と信じて
これ、を探し抜いてみつけたとき
これ、だけじゃないのだと
しみじみと感じて
毛穴の奥まで冷めたことがある
これ、の次はこれ
際限なくてを伸ばす
完璧完全をどこかで心待ちして
瞳だけはぼんやりとギラついて
叶うものはない
願うこともない
信じても信じなくても
この世は
流転する
完璧完全のように見える
見事なはりぼて
通過していく美しきもの
ないものはない
ないなりに生きてゆくしかない
虚しさの中でいかに
心動かして生きていけるか
生まれ出るときからはじまった
大いなる賭け