詩 正体不明のあなたにまつわる記憶
掲載日:2026/08/26
「記憶がない。覚えていない」
「あなたは私の知人だと言うけれど」
「本当なのだろうか?」
戸惑って笑った
返事をしたけど
繕えない
あなたは一体誰ですか
忘れてしまった
目の前の人
私の味方
敵ですか?
それとも
どこかの
他人ですか?
偶然出会った
見知らぬ人なら
どうして私の
傍にいるの?
戸惑ってばかり
正体不明
手元にあるのは
あなたが語った
情報だけ
信憑性があるのだか
ないのだかも
分からない
「あなたの事だけを覚えていない」
「それは忘れたかったから忘れたの?」
「それとも他に理由があるの?」
関係を結んで 何かを築いて
明日を共に歩んでいく
私の人生の一部になり
思い出となる一人の人間
過去と同じとは限らない
昔と何かは変わるだろう
「何もないところを歩いて、何か形を定めていく」
「この日、この時からの思い出は確かに私のものだけど」
「いつまでも探し続けてしまう。昔あったはずのものを」
「ストーリー」
これで大丈夫だろうか。
昔の私はどう思うだろうか。
この関係は正しいだろうか。
この距離感は適切だろうか。




