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セッション2 歓喜、そして次への歩み

【2028年7月27日 

リリース当日 オリコンシングルランキング発表】


朝8時。

BEGINNING本社ビル9階。

大会議室はすでにメンバー全員とスタッフが集まっていた。

壁の巨大スクリーンにオリコン公式サイトが映し出されている。

誰も座っていない。

全員が立ち、スクリーンを凝視している。

神崎龍一社長が一番後ろに立っていた。

表情はいつもの冷静さだが、瞳の奥に期待の光があった。

零は凛の隣に立ち、凛の手を握っていた。

瞳は澄んでいて、少し緊張している。

悠里がスケジュール帳を握りしめ、息を殺している。

千里が指を鳴らしながら呟く。

「ドキドキする……」

是永が煙草をくわえずに静かに立っている。

BOHが無言で凛の頭を撫でる。

真琴が凛の肩に手を置く。

スクリーンが更新された。


オリコン週間シングルランキング

1位 WIZARD『揺れるままの恋』

初週売上:68.4万DL相当(配信+フィジカル合計)



瞬間、会議室が爆発した。

千里が絶叫した。

「1位ぃぃぃぃ!!!」

悠里がスケジュール帳を投げ捨て飛び跳ねる。

「やったぁぁぁ!!!」

是永が拳を握りしめ叫ぶ。

「やったな!」

BOHが珍しく声を上げた。

「……姫、1位だ」

真琴が涙を浮かべて凛を抱きしめる。

「凛ちゃん、1位だよ!」

神崎社長が静かに、しかし確実に拳を握った。

「……よくやった」

凛はスクリーンを見つめたまま動けなかった。

零が凛の手を強く握る。

「……凛」

凛はゆっくりと零を見た。

瞳に涙が浮かぶ。

「……1位……」

凛は零の胸に顔を埋めて静かに泣いた。

「みんな、ありがとう……」

全員が凛を取り囲む。

千里が凛を抱きしめて叫ぶ。

「凛ちゃん!1位だよ!私たちの曲が日本で1位!!!」

悠里が凛の頭を撫でて笑う。

「凛ちゃん、すごいよ!ツアー中、あの多忙の中でこの曲作ったんだから!」

是永が凛の肩を叩く。

「よくやった」

BOHが凛の頭を優しく撫でる。

「……姫、1位」

真琴が凛の頬を拭いて微笑む。

「凛ちゃん、最高だよ」

神崎が静かに凛に近づく。

「凛、お前は日本一だ」

凛は涙を拭き、全員を見回した。

「……みんな、ありがとう、この曲は、ツアーでみんなに抱きしめられて生まれた曲です」

みんなが私を抱きしめてくれたから、1位になれた」

これからも、みんなに抱きしめられて、私もみんなを抱きしめ続けます。

全員が凛を抱きしめた。

歓喜の嵐が会議室を包む。


挿絵(By みてみん)


その後 同日 午後3時 

凛と零は、二人きりで座っていた。

凛はソファで、膝を抱えていた。

零が隣に座る。

「……凛、1位、おめでとう」

凛は零を見て、静かに言った。

「……零さん」

凛は深呼吸して言葉を続けた。

「次のシングルは、先に詞を書かせてください」

零の瞳がわずかに動いた。

凛は零の瞳を見つめて続ける。

「そして、アレンジにも加わらせてください」

零は静かに凛を見る。

凛は震える声で言った。

「ひとりの女の子も元気にできないアーティストが、聞いてくれるみんなを抱きしめられるわけない」

零は凛の言葉を静かに受け止めた。

凛は続ける。

「私はまだ一人で立っていられない。

でも、一人で立っていられるようになりたい。

だから、次のシングルは私が先に詞を書く。

零さんのデモを待たずに、私が自分の気持ちを言葉にする。

そして、アレンジにも参加させてください。」

零は凛の瞳を見つめた。

零の瞳に優しい光が浮かぶ。

零はゆっくりと凛の頬に手を伸ばし、そっと撫でた。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


「……もちろんだよ」

「最高の曲を作ろう」

凛は零の手に頬を寄せて微笑んだ。

「……ありがとうございます」

零は凛を抱きしめた。


『揺れるままの恋』は1位になった。

次のシングルは、凛の詞から始まる。

凛は一人で立ち始める。


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