セッション7. アルバムタイトル
【2027年2月31日 BEGINNING地下第1スタジオ】
スタジオには、まだ全員が残っていた。
是永、BOH、千里、真琴、悠里。
そして零と凛。
マスタリングエンジニアが去り、静寂だけが残った部屋で、神崎社長が静かに口を開いた。
「アルバムタイトルは?」
最後まで保留にされていた課題。
全員の視線が、凛に集まる。
凛の瞳は静かで、澄んでいる。
そして、ゆっくりと立ち上がった。
「……私、決めた」
零が、凛を見つめる。
「言ってみて」
凛は、全員を見回して、静かに、でもはっきりと、
言った。
「アルバムタイトルは、
『HOLD ME』」
一瞬の沈黙。千里が、目を丸くした。
「え……
2ndシングルの『HOLD ME Tonight』から?」
凛は、頷いた。
「うん。
でも理由は、それだけじゃない」
凛は、ゆっくりと、一人ずつ全員の顔を見た。
「このアルバムは、私の過去も、みんなとの戦いも、全部入ってる。
配信者時代の曲も織田さんの曲も、Dzさん、零さんの『Promise』も。
スキャンダルで傷ついたときみんなが、私を抱きしめてくれた
零さんが、
是永さんが、
BOHさんが、
千里ちゃんが、
真琴さんが、
悠里さんが、
神崎社長が……
みんなに、いつも抱きしめられてる。
だから、このアルバムは、
『HOLD ME』
みんなが、私を抱きしめてくれてるその気持ちをタイトルにしたい」
全員が、無言で、凛を見つめた。
零が静かに立ち上がり凛の隣に立った。
「……いいタイトルだ」
是永が、煙草を置いて小さく笑った。
「確かにぴったりだな」
千里が拳を握った。
「私、めっちゃ好き!」
BOHが無言で頷いた。
真琴が微笑んだ。
「うん、凛ちゃんらしい」
悠里が凛の肩を抱いた。
「決まりね」
神崎社長が静かに言った。
「HOLD ME ……いい。
ジャケット撮影の準備だ。」
凛は、全員に向かって静かに頭を下げた。
「……ありがとうございます。
このアルバムはみんなが私を抱きしめてくれた証だから」
零が、凛の手を握った。
「……約束、だよ」
凛は、零を見つめて微笑んだ。
WIZARDの、最初のフルアルバムはみんなの温もで完




