表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/87

セッション3 「過去を塗り替える」5日間

【BEGINNING地下第2スタジオ】

零が指示を出した。

「この3曲は、当時ネット配信者だった凜に私が宿題として与えた課題だった。

 見事に乗り切った凛を、今の声で全部取り直す。

 過去の私たちを、今のWIZARDで完全に塗り替える」


1日目 


「夜に駆ける炎」

【https://drive.google.com/file/d/16Q-djXuZdN_6rnq3j8oo7hUpj0n0sj6T/view?usp=drive_link】


零がギターを手に取り、原曲のコード進行をそのままに、ツインリフを2本重ねた。

是永「当時のテンポ、ちょっと遅かったよな?」

千里「BPM112だった! 今は118でいこうぜ!」

BOH「ベースは6弦で唸らせて、炎を表現する」

凛は、マイクに向かって、

「この頃の私は、

 零さんにも、メンバーにも会ってなくて、

 ただ『誰かに届いてほしい』って叫んでた」

テイク7で、凛の声が、23歳の自分と重なった瞬間、

全員が鳥肌を立てた。

零「これだ。当時の孤独を、今の炎で焼き尽くす」


2日目  


「雪が溶ける前にぎゅっと抱きしめて」

【https://drive.google.com/file/d/1YZKl1quiH0F0mi4E0vQVYSzSMXh_zd3X/view?usp=drive_link】


真琴が、ピアノで雪の粒を表現するアルペジオを重ねる。

千里はブラシでスネアを優しく撫でる。

凛が歌い始めた瞬間、スタジオの温度が下がった気がした。

「雪が溶ける前に ぎゅっと抱きしめて」

零は、ギターソロで、当時の凛が欲しかった“温もり”を、歪んだ音で包み込むように弾いた。

テイク3でOK。

誰も、言葉を発せなかった。


3日目


「If This Winter Never Ends」

【https://drive.google.com/file/d/1lG50kZHH65wknWLkyovT3ENviJlVMJEs/view?usp=drive_link】


これが、一番難航した。

零は、最初、静かにアコギ1本で録ろうとした。

だが、凛が首を振った。

「違う。

 今の私たちは、

 もう冬を終わらせられる」

そこで、全員でアレンジをひっくり返した。

・イントロはBOHの6弦ベースが地を這う重低音

・Aメロは真琴のストリングスが雪崩のように降る

・サビで千里がフルパワーでドラムを叩き割る


最終日 

午後11時47分3曲すべてマスタリング完了。

零が、ヘッドフォンを外して、静かに告げた。

「これで、凛の過去は、

 完全にWIZARDのものになった」

5日間で、凛は、22歳に終えた配信者からプロのアーティストWIZARDに完全に塗り替えられた。

次は、織田テツローからの2曲を、この熱で受け止める番だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ