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セッション5 MV撮影

【2026年12月29日~30日 「IN YOUR ARMS」MV撮影

廃墟ラブホテル「パラダイス」跡地】

雪が降る夜の埼玉県秩父市。

旧ラブホテル「パラダイス」の廃墟は、静かに佇んでいる。

外壁は崩れ、ネオン管は半分だけ生き残り、

赤く妖しく点滅している。

周囲は完全に封鎖され、スタッフは最低限。

監督は柿本ケンサク。

出演は、凛ただ一人。

もちろんスタイリスト(兼マネージャー)として悠里も参加。


零の指示はシンプルだった。

「妖艶に。夜のネオンに溶けるように。

スキャンダルを逆手にとって大人の凜を映像にして。」


挿絵(By みてみん)


凛は、黒のロングコートを脱ぎ捨てた。

白いブラウス一枚。

肩紐が片方落ち、

漆黒のロングスカートが、雪に濡れて艶やかに光る。

裸足で、雪の上を歩く。雪が、凛の足跡を優しく消していく。


午後8時00分 撮影開始

ツインギターリフが爆発する。

廃墟のスピーカーから、零のギターが響き渡る。

凛は、崩れた廊下をゆっくりと歩き始めた。

ネオンの赤い光が、凛の白い肌を妖しく染める。

カメラは、凛の瞳を捉える。

深い、誘うような、

夜の闇に溶け込むような瞳。凛は、唇をわずかに開き、

息を漏らすように歌い始める。

白いブラウスが、風に揺れて、

胸元がほのかに開く。

凛の指先が、自分の首筋をゆっくりと這う。妖艶で、甘く、誰もが息を呑むほどに。


午後9時30分 

凛は、崩れた部屋に入る。

ベッドは傾き、鏡は割れ、

壁のネオンが、赤く脈打っている。

凛は、ベッドに腰を下ろす。

ゆっくりと体を反らし、

髪を振り乱す。

白いブラウスが、肩から滑り落ちる。カメラは、凛の鎖骨を、

首筋を、

唇を、

妖しく追う。凛は、カメラに向かって、

指を一本立てて、

自分の唇に当てる。静かに、

誘うように。監督が、声を殺して呟いた。

「……これ、ヤバい」


挿絵(By みてみん)


午後11時15分 

Chorusネオンが激しく点滅する。

凛は、ベッドに仰向けに倒れ込む。

両手を広げ、

体をくねらせる。白いブラウスが、

完全に開き、

雪のような肌が露わになる。凛は、ゆっくりと体を起こし、

カメラに向かって歩いてくる。

一歩ごとに、

ネオンが凛の体を赤く染める。凛の瞳は、

完全に、

夜に溶けていた。妖艶で、

危険で、

でも、

どこか切なく。


午前1時00分 

Guitar Solo零の16小節ソロが始まる。

凛は、細い指先を自分の体に這わせる。

首筋から、

鎖骨へ、

胸元へ。

雪が蒸発する。

髪が乱れ、

ブラウスがさらに開き、

妖艶な影が、雪の上に落ちる。

午前3時30分 

屋上。雪が降りしきる中、

凛は巨大ネオン看板の前に立つ。


「IN YOUR ARMS

 壊れるまで抱きしめて

 IN YOUR ARMS

 今すぐ 君のものに…」

凛は、看板に背中を預け、

体を反らす。ネオンが、凛の体を赤く照らす。

雪が、凛の肌に溶けていく。凛は、両手を広げ、

夜空に向かって歌う。

看板が、激しく点滅し、

最後に、赤い光が爆発する。

その姿は、夜の女神のように美しかった。


午前5時58分 撮影終了

凛の体は、熱かった。妖艶な夜のネオンの中で、凛は新たな覚悟が生まれた夜だった。

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