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セッション9 「HOLD ME Tonight」

19:12 テレビ朝日 第2スタジオ

WIZARD控室。

凛は鏡の前で震えている。

ルビーレッドの瞳が涙で揺れている。零が後ろから凛を抱きしめる。

「凛……今日が初めての顔出しだ。

 怖くてもいい。

 私が全部受け止める」

悠里が凛の前に跪き、

コートのフードをそっと下ろす。

「凛ちゃん、今日は世界が君を見る日。

 でも、君は君のままでいい」

千里が凛の両手を握り、

「凛ちゃん、めっちゃ可愛いから大丈夫!!」

真琴が凛の髪を優しく整える。


19:28 白石美波控室

白を基調にした豪華な部屋。

美波は純白のドレス、プラチナブロンドを完璧に流して、鏡の前で微笑んでいる。

黒崎哲也が背後で腕を組み、

「キャリアの差を見せつけてやれ」

と静かに告げる。


19:45 リハーサル

WIZARDが先にステージへ。

凛はコートを脱ぎ、白シャツ+デニムショートパンツ+黒ショートブーツ姿で立つ。

スタッフ全員が息を呑む。

美波が袖から見て、一瞬だけ表情が凍る。

美波が小さく呟く。

「……あの子の声……」


20:00 生放送開始

タモリ

「今夜は歴史的な夜!

 デビュー10周年・白石美波!

 そして衝撃デビュー・WIZARD!

 新曲を生披露!」


20:27 白石美波 

曲:「Saint falls in Darkness」


【https://drive.google.com/file/d/1O44CtCYM6-9k4WTl0uQq40NJBcozBxPJ/view?usp=drivesdk】


挿絵(By みてみん)


完璧なダンス、完璧な高音、完璧な笑顔。

会場は総立ち。

最後のサビで美波がカメラ目線。

観客が悲鳴のような歓声。


20:34 WIZARD 

照明が落ちる。

凛が一人、スポットライトの中に立つ。

白シャツが風になびき、ルビーレッドの瞳が光る。

曲:「HOLD ME Tonight」


【https://drive.google.com/file/d/1O1EKl2P450uR-eAX0mhVHsOrhJs8uZjf/view?usp=drivesdk】


挿絵(By みてみん)


零がギター、千里がカホン、真琴がRhodes。

凛が歌い始める。

観客が静まり返る。

サビで凛が感情的に、

「HOLD ME Tonight……」

千里と真琴が抱きしめるようにコーラス。

凛がカメラに向かって手を伸ばすし歌い終える。

会場 完全沈黙 → 爆発的な拍手。


20:42 トークコーナー

タモリ

「いや……これは……素晴らしい共演だね……」

美波が先にマイクを握る。

「WIZARDさん……素晴らしい歌でした」

凛は俯いたまま、小さく

「……ありがとうございます」

タモリが二人を並ばせて

「10周年とデビュー3ヶ月……奇跡の夜だね」


その瞬間、

美波が凛の手をそっと握った。

凛はびっくりして顔を上げる。

美波は微笑みながら、

「……がんばってね」

カメラが二人を捉える。


20:50 番組終了

楽屋に戻る途中、廊下で美波が凛に近づき、小声で「次は、私も本気出すから」

凛は震えながらも、初めて笑顔で

「……私も、負けません」

零は少し離れて、二人の教え子が手を取り合う姿を見て、静かに笑った。


2026年10月30日

「Saint falls in Darkness」 オリコン1位

「HOLD ME Tonight」 オリコン2位

この日、世界は二人の歌姫に、同時に恋をした。


白いリムジンの横、薄暗い柱の陰。

零が凛をバンに乗せ、ドアを閉めた直後。

リムジンから、

「……久しぶりだな」

と、男の声。

零が振り返る。

黒崎がサングラスを外し、初めて正面から見つめる。

一歩近づく。

「お前は変わった。

 いや……やっと戻ってきた」

「私は一度も変わってない。

 ただ、売れる音を捨てただけだ」

「魂か……確かに美波にはないものだ」

「だから私は、もう誰にも魂を売らない」

小さく笑う。

「零、お前は相変わらず怖い女だ」

「黒崎さんも、相変わらず光に執着してる」

「次は本気で勝負しよう。

 光と魂、どっちが世界を掴むか」

背中を向けて歩き出しながら、零が最後に告げる。

「楽しみにしています」

黒崎はリムジンのドアに手をかけたまま、小さく呟いた。

「俺もだ」

エンジン音が響き、二台の車が反対方向に走り去る。

2026年10月30日 深夜。光と魂の、静かな宣戦布告を残し終わった。



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