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セッション3 光と闇

LUXE ENTERTAINMENT本社 

最上階会議室「白の間」】

長さ12メートルの純白大理石テーブル。


壁一面の巨大スクリーンに、WIZARD デビュー曲MV映像がループ再生されている。

凛の瞳がアップで映る瞬間、部屋の空気が凍る。

黒崎哲也はテーブルの最上席。



挿絵(By みてみん)


両脇に30人以上の重役。

正面に、白石美波が一人だけ立っている。

黒崎はゆっくりと指を組み、低く、

「これが、あの織田零の新しい闇だそうだ。」

スクリーンに映る凛のルビーレッドの瞳。

ヴェールに隠された姿に

コメント欄が「天使」「悪魔」「人間じゃない」と埋め尽くされる。

重役Aは震える声で、

「再生回数……公開から3時間で4,800万回突破です」

重役B「Spotifyグローバル1位奪還されました」

重役C「白石美波の新曲は……現在3位に陥落しています」

白石美波は無表情で立っている。

爪が手のひらを抉るほど握りしめているが、誰も気づかない。

黒崎はスクリーンを一瞥し、ゆっくりと玲奈を見る。

「美波、どう思う?」

白石美波は微笑みながら、

「……とても、綺麗ですね。

 でも、光ではありません。

 あれはただの織田零の闇を具現化したものです。」

黒崎が小さく笑う。

「闇がここまで売れるとはな。

 面白い。」

彼は立ち上がり、ゆっくりと玲奈に近づく。

背後でスクリーンが凛の顔を映し続ける。

黒崎が美波の顎に指をかけ、顔を上げさせる。

「次の新曲で。

お前がWIZARDを叩き潰す。

 光で、闇を焼き払う。

 それが、お前の最後の仕事だ。」

美波の瞳が一瞬、歪む。

白石美波が小声で、

「……最後の、仕事?」

黒崎は冷たく、

「そうだ。

 負けたら、お前はもう必要ない。

 LUXEは“光”しか売らない。

 お前が光でなくなった瞬間、ゴミになる。」

部屋に沈黙が落ちる。

重役たちは誰も目を合わせられない。

美波はゆっくりと微笑み、

黒崎の指を自分の手でそっと外す。

白石美波は完璧な笑顔で、

「分かりました。

 光で、殺して差し上げます。」

黒崎は満足げに頷き、

テーブルに戻る。

黒崎は全員に向かって、

「次の作戦会議は明後日。

 タイトルは決まった。

 『Operation : Saint falls in Darkness』

 聖女が闇に堕ちる夜を、世界中に見せる。

 それまで、誰一人として油断するな。」

スクリーンが暗転し、会議室の照明が点き、

白石美波は誰にも気づかれぬよう、

唇を噛み切っていた。血の味が口の中に広がる。

それが、今の彼女の“光”だった。



挿絵(By みてみん)

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