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第32話

「待たせたわね。さっきの冒険者、しつこくてイライラしたわ。」

リップルさんは入ってくるなり、溜め込んだ文句をぶちまけ始めた…。

「どうしたにゃ?」

「仕事終わりに一緒に食事をしようって、毎日のように誘いにくるのよ。断り続けているのに、どうして諦めないのかしら…。」

鬱憤を吐き出しながら、ドカっとソファーに腰を下ろした。

「リップルさん、もてそうですもんね。」

「受付嬢として落ち目だから、狙い目だと思われているだけよ。」

なんか、この話を続けるのは地雷を踏みそうだ…。


「あの、昨日からダンジョンに行ってたんですけど、報告したいことがあるんです。」

「あら、そうなの?無事に戻ってよかったわ。それで、なんの報告?」


僕は漏れの無いように、起きたことを一つ一つ丁寧に伝えていくと、リップルさんの表情はどんどん険しくなっていった。

「ゴブリンノーブルと戦ったですって!耳は?耳は持ち帰ったの?」

「は、はい。持ってきましたよ。」

リップルさんの圧に、言葉が上手く出なくなってしまった…。


金属のバケツへ、革袋から大量のゴブリンの耳とともに、ゴブリンノーブルのものと思われる耳も出した。

リップルさんは、火バサミのような道具で別のバケツに数えながら耳を移していき、最後に大きめの耳を残して観察していた。


「少なくとも、普通のゴブリンのサイズじゃないわね。それで、魔鉱製の剣をもっていたのね。」

「はい、これです。」

僕はバックパックから剣を取り出しながら、鉄製より確かに軽いことを確認した。

これで鉄より固くて丈夫で魔力を付与しやすいというなら、完全に鉄の上位互換だな。

「それに、魔法を使うゴブリンがいたのね?」

「はい、言語が違うので確証はないですけど、杖をもって何か詠唱をしていました。」

「偽りの壁を作ってダンジョンに細工をしていたのも見過ごせないし、28年間目撃のなかったゴブリンノーブルの発見、かつてはいなかったはずの魔法を使うゴブリン、魔鉱の加工技術と魔鉱採掘を計画的に進めている事実…。」

リップルさんがブツブツと呟きながら考え込んでいる。


「我々のあずかり知らぬところで、ゴブリンが戦力を増強しているのだと思われる。ギルドとして王国に報告をあげるべきだろう。」

アーシアさんの提案に、リップルさんは深く溜息をついて頷いた。

「そうね、そうするしかないわ。現場までの地図も証拠品として写しをとらせてもらうわね。」

マップは各パーティーの財産みたいなものだから、本来は拒否できるけど、今回は断れる状況じゃないよなぁ。

「わかりました。地図も提供します。」


「とりあえずゴブリン43匹分のお金を渡すわね。この剣とゴブリンノーブル討伐報酬、地図の提供に関する謝金は後日渡すことになるわ。かなりの金額になると思うから楽しみにしてなさい。」

「おお!嬉しいのじゃ。」

「あと、明日にでも詳しい話を聞くために、ギルド長から呼び出しがあると思うから、それまではダンジョンに行かないようにね。」

「大金が入りますし、体調を整えるために休みをとりたかったので大丈夫ですよ。」

「生活も逆転しちゃいましたもんね。」


「それと、常設依頼の魔鉱石を大量に持ち帰ったのだけど、どうしたらいいですか?」

「それなら私が依頼受諾書を書くから、それをもって鍛冶ギルドに持ち込みなさい。冒険者ギルドが間に入ることで、ぼったくられたりしなくなるのよ。」

優しさで言ってくれているように聞こえるけど、これは何%かギルドにマージンとられて、その一部はリップルさんの懐に入りそうだな…。


「すいません、もう一つお願いが。」

「言ってみて。何でも相談に乗るわよ。」

魔鉱石の件でリップルさんの機嫌が数段よくなっている…。

「6人目の仲間なのですが、早めにみつけられないですか?」

「うーん、条件が厳しいのよねぇ。とりあえず、ハンターギルドにも募集チラシを貼らせてもらえるように手配してみるわ。レベルは不問でいいのよね?」

「はい、お願いします。」


僕たちは大銀貨4枚と銀貨3枚、リップルさんのサイン入り依頼受諾書を受け取って鍛冶ギルドに向かった。

道中では、6人目の仲間のことが話題になる。

「最後の仲間は狩人を望んでいるのだな。」

「そうなんです。高身長で弓が得意な女性という条件は譲りたくなくて。」

「身長が大事なんですか?」

「うん、ニーナの頭上に矢の軌道がくるようじゃないと、まともに敵を狙えないからね。」

「ユウはよく考えていて感心するのじゃ。」

「にゃるほど…背が高いほうがいいにゃ。」

ニーナは想像してみて、怖くなったみたいだな。


職人街にある鍛冶ギルドでは、ドワーフの工房と違って丁寧な接客をしてもらえた。

バックパックから大量の魔鉱石が詰まった袋を取り出すと、その量の多さに若干引いていたように見えたけど、しっかり質や重さを丁寧に査定してくれていた。

引き換えに金貨8枚と大銀貨5枚を渡されたときには、額の多さにメルディが衝撃を受けて固まってしまった…。


90万円近い稼ぎは、僕にとっても想定外としかいいようがないよ…。


11/27は、今作を書き始めて、初めて1日のPVが100を超えました!

読み続けてくれている読者の皆様に感謝申し上げます。

今後も頑張っていきますので、よければ評価等つけていただけると嬉しいです。

今後とも、よろしくお願いいたします。

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