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第20話

それから雑談が始まり、メルディたちが昨日食べたケーキの美味しさをアーシアさんに力説したり、アーシアさんがこの町に来るまでの旅の思い出を語ったりと、楽しい時間を過ごした。

親睦を深めるのは大切だけど、女子トークに加わる技量は僕にはないので大人しく聞いていたら、話題はダンジョンのことになっていった。


「いつからダンジョンにいくにゃ?」

「5人揃ったのだし、もう行けるのじゃ。」

「そうだね、準備もあるし明日から挑戦しようか。」

「緊張します…。」

一度死を経験しているのだし、メルディは恐怖心もあるだろうな。


「では、今日のうちに装備を購入してこよう。エストックと大きい盾に金属鎧でいいだろうか?」

「それでお願いします。お金は足りそうですか?」

「足りなければ相談させてもらうが、まぁ問題ないと思う。」

結構な所持金をお持ちのようだ。まぁ貴族令嬢だもんな。


「僕はリップルさんにダンジョン探索についてのアドバイスをもらってくるよ。」

「我らは何をすればいいのじゃ?」

「やることがないにゃ。」

「よければ、夜にアーシアさんの歓迎パーティーをしませんか?折角キッチンもあるし、自炊してみようかなって。」

「いいアイデアにゃ。買い物の荷物持ちを手伝うにゃ。」

料理を手伝うとは言わないんだな…。なんとなく家事は苦手そうだと思っていたよ。

「それなら、久しぶりにお酒を呑みたいのじゃ。」

やっぱりドワーフはお酒好きだったのか。お金がなくて我慢していたのなら、こんな日くらい呑ませてあげたいな。

「ちゃんとメルディの料理を手伝うなら、買ってきてもいいよ。」

「さすが、ユウは太っ腹なのじゃ!」

飛び跳ねて喜ぶトリスを見ていると、僕も楽しい気持ちになれた。

それに、この世界のお酒も気になるしね。


それから昼食はみんなで屋台で済ませて別行動になり、僕はギルドに直行して、リップルさんに初心者講習の続きをお願いした。

リップルさんも僕に聞きたいことがあったみたいで、すぐにいつもの部屋に案内してくれ、向かい合って座った。


「それで、新しいメンバーとは上手くいっているの?」

「大丈夫ですよ。アーシアさんも僕たちに馴染もうと努力してくれていますし。」

「それならよかったわ。平民に貴族が混じるなんて、前代未聞だから心配していたの。」

気に掛けてくれているのが素直に嬉しいな。


「募集のチラシは一度剥がしておいたけど、6人目は募集する?」

もちろん6人目の仲間もほしいけど、パーティーの構成も考えると誰でもいい訳じゃない。

「募集はしたいのですが、弓の扱いが上手くて、身長高めの女性がいいんですよね。」

ニーナの後方から視界を確保するためには、身長170cmくらいあるといいんだよなぁ。

ゲームじゃないから、後方から弓を射るなら前衛の頭上に射線がくるようにしたい。

後衛に魔法使い2人もありだと思うけど、MPの制約があるから継戦能力を考えると後衛物理攻撃職が本命だ。


「随分条件が厳しいのね。それだと時間がかかるかもしれないわよ。」

「それは構いません。5人でもダンジョンには行けるので、ちゃんと必要な人材を仲間に迎えたいです。」

「わかったわ。その条件でチラシをだしておくわね。」

「よろしくお願いします。」


「それで、今日は何を聞きたいの?」

「実は明日からダンジョンに挑もうと思っているんですが、探索にあたって助言をもらいたくて。」

「そういうことね。いいわ、しっかり教えてあげるから必ず生きて戻ってくるのよ。」

「はい、無理はせずに着実に進めます。」


それから、リップルさんは丁寧にダンジョンについてレクチャーしてくれた。

まず、ダンジョンは階層ごとに主たる魔物が変わるとのことで、一層目はゴブリンが支配するエリアらしい。各階層は想像を絶する広さで、28年経った今でも一層目すら全貌が掴めていないと聞いて驚いた。

ちなみに、2層目は銅等級を卒業してからと念を押されてしまった。

ゴブリンは定期的に数を減らしておかないと地上侵攻に繋がるので、倒したら右耳を切り取ってギルドに持ち込むことで1つにつき銀貨1枚と交換してもらえるとのこと。この費用は国が出しているらしい。

一層目探索で受けられる依頼は少ないけど、魔鉱というダンジョンでしか手に入らない鉱物の採取は常設依頼らしく、ピッケルを持って行くことを勧められた。

魔鉱は鉄より軽くて固く、魔力を込めやすいという優れものらしい。

後々アーシアさんの盾は魔鉱製のものを用意してあげたいと思った。

他にも出現する可能性のある魔物や宝箱のことなど、かなりの時間をかけて教えてくれた。


「今日は本当にありがとうございました。」

「担当パーティーだもの。当たり前のことをしただけだわ。そういえば、パーティーリングはもっているの?」

パーティーリング?なんのことだろう。

「もっていないです。必要なものですか?」

「勿論、必要よ。つけていないと経験値が均等に入らないんだから僧侶なんて全然レベルが上がらないわよ。」

なにそれ、超重要じゃないか。つけてないと倒した人にしか経験値入らないのか…。

「どこで手に入りますか?」

「ギルドで買えるわよ。6個セット売りで金貨1枚よ。貴重なものだけど、国が冒険者育成のため補助金を出しているの。」

なるほど、ダンジョンの脅威から国を守るために必要な経費ってことか。


「薔薇のデザインが施されたものが入荷したから、私の方で取り置きしておいたの。明日からダンジョンに行くなら買っていくべきよ。」

とても親切に聞こえるけど、リップルさんの目が守銭奴のそれになっているので、マージンが発生していると確信してしまった。

でもまぁ、必要なものだし買いますけどね。


その場でパーティーリングを購入し、途中でピッケルを3本買って皆の待つホームへと急いだ。

実はメルディの手料理が楽しみなのだ。

女子の手料理かぁ、なんかドキドキしてきたよ。


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