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第15話

僕はダンジョンに一人、巨大なスライムと対峙していた。

どうしてこんな状況に陥ってしまったのかは不明だけど、必死に氷柱を放つ。

それでも核らしき物には届かず、僕はスライムに押しつぶされ身動きがとれず死を覚悟した。

すると、ダンジョンの天井から光が溢れ出し、眩しさに目が覚めた。


あ…、夢だったのか。

よかった、でも体が重くて動かせない。本当に夢だったのか不安になり、僕は目線を動かして状況を把握してみた。

すると、仰向けに寝ている僕の体の上に誰かが寝ているじゃないか…。


「この乳枕は最高にゃ!頭が谷間にピッタリフィットするにゃ。」

「我も寝てみたいのじゃ!はやく代わるのじゃ。」

「2人とも止めてください!ユウさんが起きちゃいますよ。」


どういう状況だよ…。


冷静になると、ニーナの柔らかい感触を体全体で感じてしまい顔が熱くなっていく。

「何してるんですか!」

「うわ、ユウが起きたにゃ!」

ニーナが慌てて僕の上から飛び降りた。ちょっと痛かったんだけど…。

「体験しそびれたのじゃ…。」

「ユウさん、ごめんなさい。止められなくて…。」


もう陽が高い気がする。なかなか眠れなかったから寝坊したみたいだな。

まぁ、寝坊した僕が悪かったということにしておこう。

「僕こそ、長々と寝ちゃってごめんね。すぐ準備するから、朝食をとりつつ武具を買いに行こう。」

「怒ってないにゃ?」

「怒ってないよ。でも苦しい夢をみたから今後はやらないでね。」

「了解にゃ!」


準備といってもローブを羽織るだけか。

3人は着替えを終えているので、すぐに出られるけど顔くらい洗いたいなぁ。

「みんなは顔を洗ったの?」

「ユウは綺麗好きじゃな。どれ、水桶を借りて井戸で汲んでくるのじゃ。」

みんなは洗わなくても平気なのか。前世の習慣が残っているから洗わないと気持ち悪いんだよなぁ。

水は出せるし、井戸までいかなくてもいいよね。

「トリス、水桶だけ借りてきてくれればいいよ。水なら出せるから。」

「それならアチシがささっと借りてくるにゃ。」


ニーナが借りてきた木製のバケツのような容器に、停滞・高温でお湯を出すと、3人は目を輝かせて僕の洗顔の様子を凝視している。

ちょっと、視線が気になるなぁ…。

「あの、私たちも洗っていいですか?」

「残り湯でいいの?一度捨てて新しく出そうか?」

「そんな、もったいないです!」

「残り湯で十分なのじゃ。」

「お湯がだせるなんて凄いにゃ!」


3人はキャイキャイ騒ぎながら、洗顔に精をだしていて微笑ましい。


スッキリしたところで町にくりだした。

まずは朝食に屋台で野菜くずを一緒に煮たお粥を食べたけど、塩味が弱くて病院食みたいだと思ってしまった。

塩分控えめのほうが健康にはいいけど、ちょっと物足りないし、調味料も買い揃えたいところだ。

トリスたちは、特に気になっていないみたいだから味のことは言わないでおこうかな。


次に、ギルドのある大通りの武具屋を何店か見比べながら武具を買い揃えていった。

トリスには自前の鎧と違和感のない見た目の鉄の兜を買ってあげた。

「一生大事にするのじゃ。」といって大喜びしていたけど、いつかハクスラでもっと凄い装備に変わっていくことを願っている。


ニーナには堅革の鎧、刃が長めのダガー、鉄製のバックラーを購入した。

ダガーは斬ることも突くこともできるので使い勝手がいいし、盾があれば躱しきれない攻撃にも対応が可能になる。

初期装備としては、これで十分じゃないかな。

「ユウ、ありがとにゃ~!父ちゃんにもらった装備がゴミのようにゃ。」

それにはノーコメントだよ…。思い出はプライスレスだから捨てないであげてほしいけど。


メルディには革鎧と鉄製のメイスとバックラーを購入した。

万が一、敵に接近されたときや、考えたくないけど前衛が一人欠けたときには前に出てもらわないといけないから、これくらいは当然の必要経費だな。

「こんな高価なもの、本当にいいんですか?」

「いいの、いいの。僧侶が倒れたらパーティーは終了だからね。むしろ絶対にもらってほしいくらいだよ。」

メイスとバックラーを大事そうに抱きしめている姿があまりに愛おしくて、キュンとしてしまった。


まとめ買いだったこともあり、金貨12枚での購入となったけど、いい買い物ができたと思う。オマケで生地厚めの魔法使い用ローブも貰えたしね。


次は僕の寝間着や替えの普段着や下着を買いに服飾店へ行くことになった。

正直、滅茶苦茶居心地が悪い…。

デパートで女性下着コーナーにうっかり足を踏み入れてしまったような場違い感だよ。

ここはメルディに進められるがままに、購入を決めた。

なんか僕の体に合うサイズのものが少なくて、選択肢も少なく時間が掛からなかったのは、せめてもの救いだった…。


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