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第10話

「じゃあ、今度はステータスを共有しよう。今後の方針にも大きく影響するからね。」

ここからが本題なんだよなぁ。

足りない役割を明確にして仲間に迎えないと、パーティーはバランスが命だからね。


「まずは僕のステータスから公開するよ。」

ベッドに2人ずつ向かい合うように座っていたのだけど、ステータス画面をだすと3人が興味津々といった感じで僕に寄ってきた。

右手にトリスが密着するように座り、左手にメルディが遠慮がちに座った。更に、ニーナが背中にもたれかかり、両腕を僕の首に回して体を押しつけるように肩口から画面を覗き込んでいる。

どんな状況だよ!これがハーレム状態というものなのか…。

心臓は早鐘を打ち、顔は多分真っ赤になっているはず。

男性のままだったら、確実にまずい状況になっていた自信がある…。

僕がカチコチに固まって呼吸すらままならないでいると、生粋の女子3人がワイワイ騒ぎ始めた。


「おぉ、聡明のスキルもちなのじゃ!」

「魔力感知にゃ!魔法の罠も安心にゃ。」

「凄いですね。これならどのパーティーでも入れてもらえそう。」

やっぱり凄いスキルなんだ、神様ありがとう。

仲間が嬉しそうにしているのを見ていたら、少し緊張がほぐれてきた。


「ユウ、下の方も見せてほしいのじゃ。」

トリスが人差し指を上下に動かしながらお願いしてきた。

下の方…。一瞬変な想像をしてしまったが、もしかしてスワイプできるのかと気づき、指を画面上で上に滑らせてみた。

すると、スルスルっと画面がスライドし、別の情報が現れた。


年 齢:19

属 性:水

適 正:魔法使い

STR:4 VIT:5 DEX:4 AGI:6 INT:19 FAI:7

HP  10 / 10  MP  38 / 38


やっぱり能力値とかHPとかMPあったんだ!

レベル1だし低いのだろうけど、これから伸びていくのを数値的に確認できるのは楽しみだな。

「属性が水なのが残念にゃ。」

「えっ、水だとダメなの?」

「他の属性より攻撃力が低いのじゃ。」

そっかぁ…下水道の仕事をしていたからだろうか。結構へこむなぁ。

「でもでも、聡明のスキルで威力を上げたりできるんですよね!」

僕が落ち込んだのを見て、慌ててメルディがフォローしてくれた。いい子だなぁ。

「うん、いろいろ試してみるね。」


「次は我のステータスを見せるのじゃ。」


名 前:トリス

職 業:戦士

レベル:2

スキル:怪力 鉱物知識(初級)

年 齢:18

属 性:土

適 正:戦士

STR:20 VIT:11 DEX:9 AGI:5 INT:4 FAI:5

HP  22 / 22  MP  10 / 10


おぉ!もうレベル2なんだ。それに怪力のスキル持ち。かなり頼りになる前衛だな。

「どうじゃ、なかなかじゃろう?」

「うん、頼りになるよ。STR20って凄いね!」

トリスが胸を反らし、フフンと得意そうにしていて可愛いんだけど。


「次はアチシのを見るにゃ。」


名 前:ニーナ

職 業:盗賊

レベル:2

スキル:俊敏

年 齢:17

属 性:風

適 正:盗賊

STR:8 VIT:7 DEX:10 AGI:21 INT:4 FAI:4

HP  14 / 14  MP   8 /  8


ニーナもレベル2だったんだ。俊敏もちの盗賊って、かなり優秀なんじゃないか?

回避前衛もできそうだし、ありがたいな。

「AGI21にゃ。褒めていいにゃ。」

耳元で囁かないでほしい。嬉しいけど。

「す、すごいね。これなら前衛もこなせそうだし助かるよ。」

「そうなのにゃ、アチシは凄いのにゃ!」

嬉しそうだけど、背中にあたる柔らかい感触に動揺してニーナの顔を見る余裕はない…。


「次は私ですね。」


名 前:メルディ

職 業:僧侶

レベル:1

スキル:精神感応(悪意) 薬草知識(初級)

年 齢:16

属 性:光

適 正:僧侶

STR:5 VIT:6 DEX:5 AGI:4 INT:6 FAI:9

HP  12 / 12  MP  18 / 18


能力値は一般的っぽいけど、『精神感応(悪意)』が気になるな。

「精神感応って、どんなスキルなの?」

「えっとですね、私の場合は自分に向けられている敵意や悪感情をなんとなく察知できます。」

「それって、すごく便利じゃない?悪い奴に騙されたりしないで済むし。」

「メルディのスキルは凄いのにゃ!この宿の悪人面のオヤジがいい奴だって見抜いたにゃ!」

悪人面って…。まぁ、僕も第一印象はあまり良くなかったけどね。

「でも、ダンジョンでは役に立たないし…。」

聡明、怪力、俊敏と冒険者に人気のありそうなスキルをもっていないことに引け目を感じてそうだなぁ。

「そんなことないよ。ダンジョンで他のパーティーに遭遇したとき、メルディのスキルが僕たちの命運を分けるかもしれない。だからね、とっても貴重なスキルだと思う。」

トリスもニーナも頷いているのをみて、メルディはぎこちなく笑ってくれた。


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