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本性  作者: hagisiri
7/26

それはちょっと苦手かも

月曜日

 今日からテスト返し俺は多分問題ないけどあいつは点数低かったら落ち込みそうだな。最初は数学のテストの返却だ。数学の教員が黒板の前に立ち話し始める「今回のテストは酷かったな、そんなに難しかったか?」みんなが睨むように先生を見ていた、俺ももちろんその一人。かなり勉強したが見たことがないような問題が30点分くらい出たのだ。残りの70点のうちの20点くらいもかなり時間のかかる難問だった。心の中で愚痴を循環させてる間にまた先生がはなし始める「平均点が31.2点で最低は16点が一人で最高が100点一人だった。じゃあ順番にとりにきて、一緒に答えも持っててね」次々にテストを受け取りに行く。安心したような顔をする人、20点代のテストを楽しそうに友達に見せる人、おっ宇高さんは褒められてる、最初から分かってたような顔をする人、ははっ太田キレられてる茶化しに行こ。

「太田何点だった?」ニマニマしながら聞きに行く「16点」放心したような様子で答える「基礎ができてて偉い。」煽るように言う「持井絶対見せろよ」挑戦的かつ少し楽しそうに言われる「でも最低点取られちゃったからなー、俺の負け筋ないんだわ」そんな会話をしている間に俺の答案の返却のタイミングが来る。「良くやった」先生がそれだけ言ってテストを返してくれた、結果は80点だった。太田のところへ行き答案用紙を見せつける「俺、太田の五倍」「結局合計点で勝つからな、ちょうどいいハンデだわ。」わざとらしく負け惜しみを太田は言う。ふと先生の声が聞こえる「由根さん」由根は緊張した様子で答案用紙を受け取りに行く。「今回良く頑張ったな」先生の嬉しそうな声が聞こえる。由根も安心したような顔をしていた。チラッとこちらを見たがその後すぐに友達に囲まれて見えなくなってしまった。授業終わりに会いに行こう。

 授業終了後席を立ち由根に会いに行く「何点だった?」自慢げに由根は答える「94」正直俺より高いことに驚いた「めっちゃとってんじゃん」「すごでしょ、いっぱい勉強したからね。そんで持井何点だったの?」流石に気まずい「80点だった」少し小さな声で目を合わせず答える「へーい!うちの勝ち」すごく嬉しそうに楽しそうに騒いでいる「ちなみにかや20点だった頭悪すぎ」「バカやめろ16点がこっち見てんぞ」可兒さんと太田がこっちを睨みつけてきていた。チャイムが鳴り歴史の教科担任が入ってくる

 2日後

 「皆さんテストお疲れさまです。明日からは夏休みですね。羽目を外しすぎないようにしてくださいね。さよなら」来上先生が夏休み前最後の挨拶をして前期が終わった。教科書も入っていない軽い鞄を持って太田に話しかけに行く。「今日から10日間部活ないんだけど遊び行かね?」「行きたい。他に誰か誘う?」「誰かいたら適当に声かけてていいよ」「了解」学校で会えなくなるから仲のいいやつとは約束を早いうちに取り付けておく。他のやつにも適当に空いてる日を伝えて遊ぶ約束をした。



 僕は今電車で国内最大規模のテーマパークに向かっている。『テロッ』と通知がくる。(RITU もうみんな到着しとるで)(太田 あと5分で着く)

 ガタンゴトン電車が揺れる。キーッ電車が止まる。プシュー電車のドアが開く。タッタッタッタ階段を降りる。ピッ改札を出る。出てすぐの柱の前に立と由根さんとエナちゃんがいる。「お待たせしました」「おはよう」「やっほー」「じゃあ行くか」とみんなで立についていく。今は7時20分で開園は8時だが国内最大のテーマパークだけあってすでに入り口が見えないほど人が並んでいる。「やっぱここ人多いね」由根さんが言う「夏休みだしな」立が冷静に答える「夏休みずっとこんな感じなの?」「結構こんな感じだよ」由根さんが答えてくれる。

30分後

 前にスペースができたので隙間ができないように詰める。「おっ、進み始めたね」少し進んでからはスルスルと中に入っていき10分もしないうちに中に入れた。パッと中のものを見るだけの荷物検査は不安になるほど一瞬で終える。園内には可愛げのある動物に紛れて気味の悪い白鳥の着ぐるみもある「あれ気持ち悪いね」エナちゃんがいう。「酷いこと言うね。かわいそうに」雑談をしながら最初にジェットコースターの列に並ぶ。

80分後

かなり長い待ち時間だったが、待ち時間はアトラクションの世界観の説明を聞いていたり、雑談をしていたのでそれほど苦しくはなくむしろ楽しいほどの時間だった。目の前にはアトラクションを終え、乗り物から降りてくる客がいる。その中には楽しそうな顔をしている人、げっそりしている人、こんなもんかとスカしちゃってる人と色々な人がいる。「やっとだね」由根さんが楽しみそうに言う「楽しみだな」持井はちょっと声震えてるか?「緊張するよ」エナちゃんは初めてらしい可愛いな「全然大丈夫だよ」と僕はクールに言う「ははっ、みんなビビりすぎじゃ無い?エナちゃんはうちが守るから大丈夫だよ」バレてる由根さんの観察眼は異常に発達している、人狼だらけの村で育ったんだろうな。そんなことを考えながら少し狭めの席に前男、後ろ女で座って荷物を目の前のネットに入れて安全バーを下げる、カカカカッと歯車が連続で噛み合うような音がより不安を煽る。ゆっくりと進み始める。しばらく乗っていると背もたれに体重が乗るほどの角度でレールを登り始める。心臓がやばい、隣の持井に頼ろうとするもこいつも椅子の隣にあるバーを握りしめて歯を食いしばっている。そんなことを考えている間にカカカカッカッカッッカッッッカ頂上に着く。おわぁ景色がいい。

 足がへにゃついてまともに立てない。持井に肩を貸してもらってなんとか乗り物降りる「楽しかったな」と持井がにやっと笑いやがった。頂上まで仲間だと思ってたのに、、こいつは落ち時初めてからはそんなに怖くなかったらしい。「太田さん立て無いの?宇宙帰りですかぁ?」「由根さん結構腹立ちますね」冗談を言いながら由根さんはケタケタ笑ってる「太田くん馬鹿みたいだね。あ、子鹿ってこと?」「宇高さん!由根さんに毒されたか」由根さんはさらに大きな声で笑い続ける。

 「次これ乗りたい」指が刺されていたのはさらに角度が急で派手なジェットコースターだった。「いくか」持井は覚悟を決めたようだ。「あたしはこっちに行きたいな」エナちゃんが指していたのはゆっくりと進みながら世界観を楽しむアトラクションだった。由根さんは納得したような顔で「じゃあ二手に分かれて昼に集合するか」と言った。僕と持井は何も言っていないが完璧な内訳に感心して承諾した。「「了解」」

 二人でアトラクションの入り口まで来る。待ち時間を確認すると30分程度だった。前のアトラクションとの差に少し驚いたが人によっては退屈なだけの乗り物なので納得はできた。「落ち着いてるアトラクションはスリルがあるのに比べて人気ないのはなんでだろうね」列に並びながらエナちゃんが言う「多分‥」「それは普通の人間には日常では体験できないようなアドレナリンが出るような体験ができるからじゃないかな」エナちゃんが答えようとした時、割り込むように後ろの大きなリュックを背負った兄さんが話しかけてきた。「あぁなるほど‥」驚いて微妙な返事をしてしまう。そこから会話の修正できるはずもなく気まずくなってエナちゃんと男と僕の三人揃って乗るまで無言になってしまった。

 やっと乗る順番が回ってきて「やっと乗れるね」緊張で裏返りそうな声をなんとか振り絞って話しかける「うん、楽しみだね」この会話があるだけで降りた後の会話のしやすさが段違いなんだから。

 ゆっくり進むのかと思っていたが、けっこう早く動き始めた。落ちても怪我はしない程度だと思うけど荷物はしっかり持っていないと乗り物の外に飛んでいってしまうくらい揺れる、大きな音も鳴る、少し驚くくらいに。想像しているほど落ち着いてはいなかったけれど楽しかった。

 乗り物から降りて「思ったより激しかったね」エナちゃんが楽しそうな声で話す「ほんとn‥」「お姉さん体幹強いですね、全然揺れてなかった。何かスポーツでも?」さっきの兄さんがニマニマ笑いながら話しかけた。「えっ」エナちゃんが困ってる。この人から離れなきゃ。兄さんを無視してエナちゃんの手を引いて立たちとの集合する約束のレストランに向かう。振り向いて不審者の顔を確認すると口はニンマリとして、目は驚くくらいまんまるで、広角は上がっているのに笑っているようには見えなかった。

コンティニュ

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