うちの特技は
今日は体育祭の振替で学校が休みです。はい、こんな日の昼は普段より外に人が少ないので遊び得です。ということで体育祭で仲良くなった宇高ちゃんを待っています。彼女に聞きたいことがいくつかあります。お、到着したみたいです「由根さん待たせてごめんね」「いや、今来たとこ」キリッとした表情でカッコつけちゃいましたよ。「じゃあいこうか」目的地は電車で三十分くらいのところにある大きめのショッピングモールです。「やっぱりこのくらいの時間になると電車空いてたねー」「座れてよかったね」と返事まで可愛い宇高ちゃんを連れていざ、お買い物へ。「宇高ちゃん、洋服見に行こう」と身長の高い宇高ちゃんを見上げて頼みます「いいよ」と快く受け入れてくれます。服屋でストリート系やスポーツ系アメカジ風のちょっとファンキーでボーイッシュな感じからガーリー系など女の子らしさのある服まで店中の商品を宇高ちゃんに着せて遊んでいたら、もうお昼時です。「そろそろご飯食べにいく?なんなら欲しいのあったら買ってあげよっか?」まあ宇高ちゃんは優しいから何も頼まないだろうけどね「じゃあ、あのワンピース着て欲しいかも」それは大人びていて茶色く落ち着いた色でそれを着るにはうちには色気があまりに足りなすぎる様に感じました。「うちには似合わないかな〜」と逃げる選択をしてしまいました。「じゃあ…由根さんの代わりにあたしが着るから買って欲しい」また可愛い。
昼食
カフェで二つのワッフルを挟み宇高ちゃんと向かい合ってます。本音を言うと今日遊びに誘ったのは太田くんに宇高ちゃんの正体がバレていてそれで何か脅されたりしていないかを確認したかったからなんです「宇高ちゃんって太田くんとどのくらい仲良いの?」いきなり変な質問をしたから困らせてしまいました「うーん‥一緒に映画見に行ったよ」ちょっと考えた後に答えてくれるが聞きたいのはそんなことじゃないんです「なんか困ったりしてない?」と大袈裟に心配そうな顔を作って聞きます「大丈夫だよ?」と不思議そうに答える宇高ちゃんに面倒くさくなったので直接聞きます「太田くんに人じゃないことバレてなんかされてない?あの人不審者みたいだから」宇高ちゃんは数秒ハニワみたいな顔でこっちを見てから「アッハハハハ」すごい笑顔だ、嬉しい「大丈夫だよ。変な人だけど太田くんいい人だから」「そうなんだよかった。ごめんね変なこと聞いて」「心配してくれてありがとう」心配事なんて大抵が杞憂に終わることなんてわかってたのにね。すごい恥ずかし。「由根さんこのあと映画見に行かない?太田くんと約束してたやつ」「えっ大丈夫なの?」宇高さんはニッと笑ってこっちを見ました。
学校で
「あと二週間で期末テストなのでぼちぼち勉強始めてくださいね。ではまた明日」この時期の何やってもテストの心配で何も素直に楽しめない感じが嫌いです。何言われたってどうせやらないのに。「澄子勉強してる?」「逆にしてると思う?」「中間あんたやばかったでしょ。大丈夫なの?」「やばいかもw」大丈夫なわけがないんです。よし、家帰ったら勉強始めますか。
次の日
うん、やっぱりやらなかった。分かってた、なんかスマホ見ていたら時間無くなってたから寝ちゃったんです。学校着いたら少しの時間やります。急いで家を出ます。いつもより一つ早い電車に乗って学校へ早く着きました。「おっ澄子じゃん。今日早いね」友人が話しかけてきます「勉強しようと思ってね」「偉っ」自分の席に座り授業で使ったプリント開きます「ねえ澄子これ見て〜あんたの好きなハムスターの映画やるって」友人よ、この状態の人に話しかけるか普通?
けっきょく朝のホームルームまで話しちゃった。昼休みはこいつらから逃げ切ってやる。
昼休み
よし「エナちゃんいっしょに勉強しない?」「いいけど太田くんと持井くんも一緒でいい?」「もちろん」ラッキーですね。
「弁当食べ終わったし勉強しますか」数学の問題集を開きます。(赤 青 白 黒の4種類の玉がそれぞれ2個3個5個2個あります。①一個ずつ取り出た時の並べ方は何通りあるかな?②全てを一列に並べる並べ方は何通りあるかな?③両端が青になる並べ方は何通りあるかな?④赤が隣り合う並べ方は何通りあるかな?)
おっ意外といけるじゃん全問正解「あはっはっお前全パターン書き出してんの?バケモンじゃん」持井が他人の解き方に文句をつけてきます「でもあってるし」少しイラついたように返します「テストの時間足りねーだろ。書き出すスピードはバカ早いけど」「やり方知らんし」持井が隣までくる「やり方を教えてあげよう」「やっさしいね。助かる」「おうよ、PとかCとか!をいい感じにして解けるようになります」「ほえーあんた頭いいのね」「ここは基礎です」「うっざいマウントだね」 キンコンカンコンキン おっとチャイムが鳴りました「明日も勉強してる?」「あたしはやってるよ」「僕も」「俺もやるかな」「じゃあうちもやる」5限がんばろ。
次の日の朝
「ぅわぁ〜」大きなあくびをした後スマホを見ると7月10日木曜日5時45分と表示されている、かなり早く目が覚めました。今日も早く学校に行って勉強をします。身なりを整えて家を出る頃には6時55分なっていました。駅まで歩きで15分、7時14分の電車に乗ります。この時間の電車は隣に人がいていいならギリ席座れるくらい空いてます。電車の窓から入る日差しで後頭部が少し熱いです。お日様に殺されちゃいますよ。駅につき電車から降りて学校へ向かいついたのは7時45分でした。席につき日本史の勉強を始める。「澄子おはよー」友人の(可兒 かや)です「おはよ」さっと返事をして勉強に戻ります。
昼休み
「今日もがんばろー」昼食を食べ終えて数学の問題集の昨日の続きを開きます。家族が円になってご飯を食べています。「持井助けて、最初から全部わからん」「は?ノート貸すからこれ見てやってわからなかったら聞け」「ありがと‥ノート小学生用じゃんwなにこの紫の花wキクラゲみたいな形してんね」「うるせっ黙って使え」「おもろ」ノート開いて解き方を探します。(n−1)!で計算ですって意外と簡単だね。「持井助けて男女が交互に並び始めたんだけど」ふぅ↑ふぅ↑「まずは男子だけ並べてかくかくしかじか」「なるほど、感謝」また助けてもらっちゃった「キンコン」チャイムがなりました「お疲れ様―」五限がんばろ
次の日
朝早くに学校について提出用のワークを進める、暗記の部分は全くわからないからほとんど赤で答えを移すだけになっていますけどね。「由根おはよ。今日も勉強頑張ってるね」「おはよ。今回めっちゃ高い点数取るからね」
昼休み
今日も勉強しに向かいます。「あれ?エナちゃんと太田くんは?」二人いません「なんか短編映画見るとか言ってた」「ほーん」結構解けるようになってきた数学の問題集を開きます、応用問題を解いてみます…やっぱり全くわかりません。「持井なんもわからん」「どれ?それ俺もわからんから二人に聞こうとしてたとこ」「いっしょに解こうよ」「…やるか」ヨシッ
色々と頑張ってみて
できた「これ答えあってる?」「答えが200通りならあってる」「じゃああってるわ」「やったーできた」「お疲れ様」答えが出ましたほとんど解いたの持井だけど「キンコンカンコン」おっ もう時間だ!五限家庭科の家庭科がんばろ。
次の日
朝10時半に目が覚めました…いや昼か?この時間に目が覚めると朝ご飯食べようか悩んでしまいます、お昼ご飯食べるの面倒くさくなっちゃうからね。とりあえずスマホを見ると一件メッセージが届いていた。(RITU 今日勉強するついでに昼飯いかね?6:51)(SUMI いいよ10:35)ペコン(RITU 12時くらいに由根の最寄り駅集合でいい?10:37)(SUMI 了解10:37)
11:50
おっ前から持井が歩いてきました。右手を挙げて「よっ」ってやると気づいてこっちに歩いてきます。
ファミレスで
休日の昼にしては人がいないように感じます。「由根なに食う?」「うちカルボナーラ食べる」「俺マルゲリータ食べよ」注文を終わらせた後、水を取りに行って数学の問題を解きながらご飯が出るのを待ちます。「この後ここで勉強し続ける?」「なに学校の方がいいの?」「…ぁあそっちの方が集中しやすいからさ」「了解」最初から学校側の店でご飯食べればいいのに「お待たせしましたカルボナーラとマルゲリータとポテトです」「「いただきまーす」」
移動後
「持井これわからん」「俺が教えてやろう」たくさん勉強しました、外を見たらもう夕日が帰りたそうにこっちを見てる「結構やったね」「かなり頑張ったわ」「うちはもう帰るけど持井どうする?」「俺も帰る、…明日朝から来ようぜ?」「しょうがない付き合ってやろう」
次の日
9:23 7月13日 日曜日(RITU 10時くらいに学校でいい? 8:02)(SUMI ちょっと遅れるかも 9:24)(RITU 了解 9:33)(RITU ついた 9:57)
news(人気女優息子を布団叩きで連打)(政治家麻薬所持発覚)(銃を所持した男三人を逮捕)(誰でも簡単 求人募集)(動物園からメガネザル脱走)
10時54分
「まじごめんめっちゃ遅れた」「おはよ。昼飯持ってきた?」「持ってきてないわ」「少しやったらコンビニ行くか」「うぃ」持井の隣に座って化学のプリントを黙々と進めます。プリントを終わらせ別の問題集を始めようとしたところでお腹が空いていることに気づきましたました。スマホを見ると14時13分でした。「飯買いに行かん?」「おーもう結構な時間か」コンビニでうちはサラダとおにぎりとおやつのチーズ、持井はサラダチキンと鯖とたまごサンドですね。「ごちそうさま。午後も頑張りましょう」「由根はそれで足りてんの?」「余裕」少し眠くなりなりながら答えます。持井はあんなに食べて眠くならないのでしょうか?もうちょっと頑張ってみます。英語の問題集を解き進めます。気づけば窓から差し込む夕日に浸って問題集はオレンジ色に染まっています。「キリもいいしそろそろ帰ろうと思ってるけどどうする?」「あぁ〜駅まで送ってくよ」「うわ、かっこよ」としばらく雑談しながら帰って「……ちょっといい?俺さ」「多分わかってるから言わなくていいよ……また明日ね」それを言われたら私の世界は皮膚がんを発症してしまいます。あなたはうちの太陽ですから。
次の日
早く学校につきました。教室には数人います。席についてテスト勉強を始めます。空には灰色の雲が太陽を独り占めしています。少し突き放したような別れをしてしまった彼に会うのが気まずいです。彼の真意をうちが理解したことを彼に知られたことが。
コンティニュ