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本性  作者: hagisiri
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あたしの考え

今あたしは廃墟の前に立っている、あたしの正体を知った奴を待っている、いつからバレていたのかな。なぜ正体を知ってもなお映画に誘ったのかな。どこから間違えていたのかもわからない。ただ今は太田君以外には広まっている様子もなく何も起っていない。なら殺さなくて正解だったかな。「お待たせ」太田君が到着した。恰も友達と遊びに行くような雰囲気で話しかけてくる。「じゃあ向かおうか」不審に思いながらも返事をしてショッピングモールに向かう。行く途中に太田君と話してわかったこと、太田君は殆どクラスメイトや先生の名前を覚えていない彼が覚えていたのは持井君と由根さんと来上先生の三人だけだった。会話はそれなりに盛り上がったが、楽しくはなかった。何を考えているのか分からなすぎるから。少し気持ち悪い。

ショッピングモールの中にある映画館に着く、上映まで少し時間があるからハンバーガー屋でお昼ご飯を食べることにした。太田君はベジタブルバーガーを頼んだ。太田くんの顔を確認してあたしも注文する。「私も同じので」はやく映画始まらないかな。出来上がったハンバーガーを持って日曜日の昼にしては空いている席のうちの一つのテーブルに座る。いろんな人に配慮した食べ物にしてはしっかり美味しいハンバーガーに少し感動する。「ごちそうさま」食べ終わり、いい感じの時間なので映画館へ向かう。すれ違う笑顔の女の子とイカツイ顔のお父さん、口角は上がらずサングラスをかけている彼の顔はすごく楽しそうに見える。

映画館につき、同じ味のポップコーンのSサイズを二つ頼む。上映前の広告の流れる時間太田君が話しかけてきた。「あの映画面白そうだね」「そうだね」まだこんな機会があるのは流石にダルいよ。上映が始まった。酷く残酷なアクション映画、ほら今もこんな華奢な女の子の腕から血が出ているきっと痛い。彼女がうまく起点を聞かせて逃げ切って少し安心する。

 映画の上映が終わり家に帰っている途中映画の話などたくさん話した。もう別れ際というところで太田君が言う「さっき広告でやってた映画上映始まったらみにいかない?」もうこの状況を続けることに気づまりを感じたから聞いた「あたしが怪物になったとこ見てたよね?」口をひらけば意外とスッと言葉が出てきた。気まずそうに太田君が答える「あぁ、声聞くまで気づかなかったけどね」と素直な返事が来る。「なんで金曜日学校にきたの?」もう遠慮はなかった「時間伝えてなかったから、連絡先交換してないし」と平然と答える。「人殺しの怪物だよ?」あたしが聞いた「勝手に殺された人なんて知らんよ。それより友達の方が大切じゃない?」ようやく理解した、太田君はキチガイだ。「いや怖くないのって…。まぁいっか連絡先教えるね」あたしも大概か。「やったーありがとう。じゃまた学校でねー」太田君は帰って行った。杞憂と夕陽が地に染み込んでいく様を綺麗だと思えた。

 次の日

朝学校に早めにきて椅子に座っている。理由はある。人と関わってみたいと思い始めている。だから教室でみんながどんな会話しているのか聞こうと思って。もちろん盗み聞きです。朝六時二十分には人はいません。暇だし来週までの課題終わらせておこうかな。数学の課題を終わらせ、次に生物の課題を終わらせている途中でドアが開くクラスの女の子が一人入ってきた。もう一人いないと会話聞けないな。一人じゃ会話はできないんだから。しばらくするとまたドアが開く、今度は男の子が入ってくる男の子は無言で席に座る。二人は別に仲良くないようだったのでもう少し待つ、すると廊下からクラスの仲良しグループの声が聞こえてくる、その二人会話を聞くと遊びに行った時の話をしているようだ。あんなふうにあたしもみんなと仲良くなって遊びにいきたいな。そんなことを考えているとまたドアが開く、ドアの方を向くと太田くんと目が合う、太田くんが席についたのを確認して三十秒くらい待ち、話しかけに行ってみる。「おはよう」太田くんから返事が返ってくる「おはよう」ちゃんと返事を聞いてから話し出す「体育祭のリレーの走順かえてみてもいいかな?」太田くんは傷心したような表情を浮かべた後に「みんなに聞いてみないとわからないんじゃないかな?」と答えた。「そっか、、ありがと。またあとでねー」なんか失敗したかな?順番のことは後で由根さんに相談してみよ。

いくつか授業を受けてから

「由根さんお疲れ様」由根さんがこちらを向く「宇高ちゃんお疲れ様。どうしたの?」こんな会話のしやすい返答がすぐにできることに感服する。「リレーの走順変えてほしくて」「問題ないけど・・・何か嫌なことあった?」と由根さんは心配そうに答えてくれる「何もないよ、ちょっと他のとこ走ってみたいだけ」焦って早口で返してしまう「じゃあうちの後お願い。宇高さんところは他の人に頼んどくね」由根さんはまだ気遣わしい感じだったが明るく返事してくれた「ありがとう、いきなりかけてごめんね」「全然大丈夫」元気な声で返事をしてくれた由根さんの目は太田くんを睨んでいるように見えた。

コンティニュー

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