初恋の話?
12月24日9時23分(道路でトナカイに乗る集団?)(サプライズ 雪だるまの中からケーキ!)(Y山で鳥13羽気絶した状態で見つかる)(駅前のイルミネーションが盗まれる)
朝起きてスマホを開き、時間とニュースを確認する。今日は澄子とのデートがあるから準備をして出発時間まで少し待つ。
椅子に座る、時計を見る、まだ家を出るまで六時間はある、コートを脱ぎ少し楽な格好になる、まだ家を出るまで六時間はある、スマホで動画を一つ見る、家を出るまでまだ六時間弱ある、まだたくさん時間がある。
待ち合わせ場所に少し早く着いてしまった。しばらく待つと澄子がくる。
澄子をつれて少し良いご飯を食べる。おしゃれなこの街のお菓子屋さんには、雪も降ずネオンの明かりで星すら見えない空の姿を代わりに映したような大量のアラザンをのせたケーキが並んでいる。
こんな日に見せつけながら澄子を連れて俺の家に帰る。その帰り道、隣を歩く彼女の顔はクリスマスの街中も霞ませるほど綺麗だった。
家のドアを開ける。家に入る。ドアを閉め、鍵を閉める。二人でソファに座り映画を見ながらお菓子をつまむ。暖房が効いてきて互いに服装が軽くなり肌の露出が増えていく。まだ俺らは高校生なのに、彼女と過した思い出や、丸い身体は欲を抑えるには魅力的すぎた。間違えた
プルプルプルぅぅぅ電話の音で目を覚ます「はい太田です」はっきりしない頭で電話に出る。
「朝早くからすいません。来上です。大切な話があるので12時ごろ学校に来ることはできますか?」来上先生が抑揚のない声でに伝える
「いけると思います」先生の雰囲気に呑まれ、いつもより真剣に答える
「冬休みなのにごめんね。失礼します」と先生が電話を切る。
なんとなく今言われた事をエナちゃんに伝えようとベットから起き上がり、1DKの部屋中を探すがその姿は見つからなかった。
12時前。言われた通り学校に行き教室のドアを開くと、そこにはエナちゃんとかにさんが椅子に座っていた
「あ、エナちゃんいた。これ何で呼び出されたか知ってる?」二人に聞く
「それがわからんのよ」とかにさんが答える。
「そっか」状況を理解できないままエナちゃんの横の席に座る。
その後しばらく談笑していると来上先生が深刻な顔をして入ってくる。
「皆さん集まってくれてありがとうございます。いきなりですが本題に入ります」と来上先生が僕たち三人の目の前の席に座り話し始める
「今日の朝、由根さんが怪物に食べられた状態で見つかりました。殺された時間は昨日の夜、首元が噛みちぎられた形でした。そこで事情を聞こうと仲の良い皆さんに電話をかけたのですが持井くんには繋がりませんでした。何か知っていることはありますか?」続けて淡々と話す
「何言ってるんですか?不謹慎ですよ」笑いながらかにさんがいう
「残念ですが事実です」真顔で来上先生が返す
「じゃあ電話かけてもいいですね?」かにさんが少し震えた声で聞く
「休みの日にわざわざ呼び出してこんなこと言うと思いますか?」と来上先生が言う
「変なこと言わないでください!」エナちゃんがかにさんが口を開く前に話を遮る
「…これを見てください」と来上先生が少し渋ってからスマホの画面をこちらに見せると、そこには首の右側を噛みちぎられて右頬まで赤く染まっている由根さんが写っていた。
「え?」と弱々しい声が聞こえ隣を見ると「あぁ…あぁぁ」と充血した目を大きく開き涙を浮かべ、禿げるんじゃないかと思うほど強く髪を握って両肘を机に沈め込むかにさんがいた。
「大丈夫、作り物だよ」とエナちゃんが声をかけると「あぁkあゃぁぁぁぁぁ」発狂して、ふっと気絶してしまう。
救急車を呼び「辛いことを頼んでしまって申し訳ありませんでした」と来上先生に謝罪され今日は帰らされる。
僕らも平気なわけではない。話す気力もなく無言で帰り、家に着いてエナちゃんと向かい合い、椅子に座りやっと口を開く
「持井どこ行ったと思う?」と聞く
「まだ寝てるんじゃない?」とエナちゃんが言う
「昨日の夜クリスマスイブでしょ。あいつ一緒に居たんじゃねぇの」エナちゃんと目を合わせない様に床を見る
「持井くんが殺したって言ってるの?」と少し怒ったようにエナちゃんがコチラを見る
「違うよ。来上先生も怪物に食われたって言ってたし。ただアイツは生きてるのかなって」と慌てて訂正する
「…隠してたけど持井くん怪物だよ。すみちゃんは気づいてたよ」今度はエナちゃんが目を逸らす
「は?」唖然とする「正直ね、最近あたしも人を食べたいの。人を食べずに生きるのはこのくらいの期間が限界なんだと思う」エナちゃんが諦めた様に言う
「いつから知ってたの?これからどうするの?何でいきなり食べたくなったの?」やっと口が開き喉に溜まっていた質問が溢れてくる
「体育祭くらいから知ってたよ。危ないから人殺す前に山にでも入って餓死しようかな。最後の質問はわからないよ」全てに優しく答えてくれる
「エナちゃんいなくなるのはやだよ」涙目で伝える
「嬉しい、ありがとう。でも正直すみちゃんのこと食べたの持井くんだと思ってるし、あたしもそうなる前にいなくなろうかなって」とエナちゃんが微笑む
「…まだわかんないじゃん。まだ持井に直接聞いたわけでもないし、あいつが食ったかなんてわかんないじゃん。僕が探して直接話聞くからそれまで待てよ。全然あいつ関係ないかもしれないじゃん」と大きな声で長々と反論して家を飛び出す。




